金沢、岡山、水戸の大名庭園に遜色のない大名庭園が九州にあることを知って貰おう。
島津家、松井家、細川家、立花家の大名庭園が、そのまま大切に残されている。
時の藩主が造り、代々の殿様が折々に賞でた名庭の中で、いま時空をこえて私たちがゆっくり散策できる。
各藩の規模や格、或いは時の財政状況などによって庭園の趣が異なる。美意識や庭の自然条件にも左右される。
仙巌園のスケールの大きさ、目の前の錦江湾を池にみたて、桜島を借景としている。
借景の築山は、時として白い煙を噴き上げる。故・大宅荘一は鹿児島は両脚をふんばって開き、真中にエネルギーの詰った金玉(桜島)がある、と表現したが、まこと、ここから見る景は雄々しく雄渾である。
八代の松浜軒は、元々母のために建てたお茶屋であるから比べること自体無理であるが、こちらは小じんまりとした典雅な景の中にある。
今は、松井家の当主が住んでいらっしゃる。そのお庭を拝観させて頂くということだ。
松浜軒のすぐ横には一国二城の特例のもとに残された八代城の白い石垣が優雅に濠に影を映している。
水前寺成趣園が誇るべきは、園内に「古今伝授の間」があること。もと京の御所にあった古今集の奥義伝授の学問所であった。後にこの地に移築したものだが、最初からそこに建っているように建物はなじんでいる。
最後、柳川立花藩の松濤園は雅な雰囲気につつまれている。水郷・柳川にふさわしい権威ぶらないやさしさが人をひきつける。
佐賀の隔林亭は鍋島藩主を再現したのも。当時はフルベッキや大久保利道らが来訪した迎賓館だった。
このツアーを機会にして、暫しの大名気分も悪くはない。
どこも、温泉と味がゆっくり味わえる。
鹿児島空港~(60分・バス)鹿児島中央駅~(約50分・新幹線)~新八代駅~ (約10分・肥薩おれんじ鉄道+4分・JR)日奈久温泉
日奈久温泉~(約10分・肥薩おれんじ鉄道+4分・JR)新八代駅~(約20分・JR)熊本駅 ~(約70分・JR)瀬高~(35分・バス)柳川市
柳川駅~(約55分・バス)佐賀駅~(約40分・バス)佐賀空港又は(約45分・JR)博多駅~(約10分・地下鉄)福岡空港