いつの世も愛を追う姿は、ひたむきで、健気である、健康である、男も女も‥‥。 人類は進歩するが、人間は進歩しない。愛のかたちは、いつの世も変わらない。 ‥‥が、時代によって、愛をとりまく環境によって愛の結末のかたちは変わる。 九州中部地方に残る物語を現地に追う。 それぞれの愛の物語を綴った「波千鳥」、「孝女白菊物語」や吉川英治の「新平家」を読んでいくと、さらに興趣は高まってくる。自分なりのイメージを膨らませて現地に行こう。 夏、したたる緑の円い高原に、或いは、セピア色の優しい山肌に囲まれて、秋のくじゅう、坊ガツルの中に身を置いて、「千羽鶴」の女主人公・太田夫人の愛に揺らぐ心を、薄の揺らぎに重ねるのもよい。 山深い阿蘇・小国、この地まで恋人を追ってきた足弱の女官の意志の強さと、失意‥‥。 70台後半の女性なら、若き日に口ずさんだ「阿蘇の山里秋ふけて‥‥」の長編詩を思い出しながら旅をする。 心が、すっかり若くなる。もともと若い心が、さらに若やぐ効果もある。 平家落人伝説の「京の女臈」の岩肌をいとおしみ、椎葉の静かな夜、サンショウの木の葉ずれの音をじっと待つ娘心のいじらしさに、かつての若い日の己を偲ぶ‥‥。 こんな昔の自分を取り戻す旅がここにある。
大分空港~(25分・ホーバークラフト(2023年度中に運航開始))大分港~(20分・タクシー)大分~(83分・JR)豊後中村~(50分・バス)九重町~(30分・タクシー)小国町~(20分・バス)杖立温泉
杖立温泉~(30分・JR+90分・バス)南阿蘇村~(約80分・特急)熊本~(90分・バス)山都町
山都町~(60分・タクシー)椎葉村~(120分・タクシー)阿蘇くまもと空港
※一日貸切観光タクシー又は、レンタカー