室町時代。絵が上手な小僧がいた。柱に縛られ、足でネズミの絵を描いた、といわれる雪舟は、長じて中国留学。一時期、九州へ旅し、10年間ほど滞在したという。その足跡と由緒が残る物語の地を訪ねる。幽玄な趣きの英彦山、広々として紺青の別府湾、大野川を遡り沈堕(鎮田)の滝のしぶきを浴びながら、遥かなる雪舟と心を通わす日本美探求ツアー。 また、田能村竹田、直入の故郷である竹田市では、その山水の景に南画の趣も味わうことができる。 ところで、雪舟が辿った九州での足跡は、さだかでない。彼が築いた庭園や描き残した「絵」が現存する地を、つまみ食いする旅でしかないが、改めて、現存の、ゆかりの地を結び付けると、雪舟の好みが浮かび上がってくる。彼は画材(絵のテーマ)を求めて九州に杖を曳いた(と想像できる)。 南画の趣を残し、そこに、さらなる禅の精神的領域の美を加えた雪舟にとって、英彦山は心やすらぐ滞在の地であっただろう。一転、大海原を臨む別府湾では活然の気を、沈堕の滝では激しい水しぶきに、心をさらに洗い鍛えたかったのであろう。 いま、あなたが目にする山里の景観から、彼の時代にはなかった景を取り除いて考えてみる。景色だけがそのまま残ってくる。 旅に出て、心の翼を広げて、遊ぶこと。
北九州空港~(40分・バス)小倉~(約70分・JR)豊前川崎~(10分・タクシー)川崎~(10分・タクシー)豊前川崎~(20分・JR)彦山~(60分・JR)日田~(60分・JR+20分・バス)別府
別府~(14分・JR)大分~(46分・JR)三重町~(26分・JR)竹田
・竹田~(120分・JR)肥後大津~(15分・バス)阿蘇くまもと空港
・竹田~(約140分・バス)熊本