西海巡礼の旅も五島まで行かなければ正統派とはいえない。思いきって五島へ行ってみよう。このような旅は一人で行くか、ツアーに便乗していくか2通りだろう。中途半端では仲々行けないものだ。
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今でも島民の多くが敬虔なカトリック信者である五島列島へ。大別して福江島と上五島の島からなっているが、今回の旅は29も教会がある上五島に限定した。その理由は天主堂巡りのアクセスの便と、日本の教会堂建築史上に大きな足跡を残した鉄川与助氏の出身地でもあるから。彼が手がけた頭ケ島教会や青砂ケ浦教会は国指定の重要文化財で、構造の美しさは目を見張るものがある。地方に住む信者の労働奉仕によって建てられた、聖なる祈りの場だ。
かけ足の旅は、蘊蓄の志とかけ離れるという向きもあるだろうが、キリシタン文化がもたらした天主堂巡礼を広域圏として、とらえる旅なればお許し頂きたい。
頭ヶ島教会、地元の人が切り出した石で造った。経費負担がかからぬようにとの鉄川与助の心配りだ。また、赤レンガ造り青砂ヶ浦教会の素晴らしさと青い海、おだやかな岬の景を心に焼きつけてほしい。
お昼には、名物のうどんがおすすめ。宿ではトビウオなどの海の幸をじっくり味わいたい。二度も三度も行きたくなる。お寺めぐりでなくても心を癒す旅があることを知る。
長崎空港~(100分・バス)佐世保市
佐世保市~(90分・高速船)新上五島町・有川
新上五島町・有川~(90分・高速船)佐世保市
佐世保市~(90分・JR+10分・西九州新幹線)長崎市~(50分・バス)長崎空港