清張が九州で舞台に選んだ地は多い。その地を効率良く巡り、清張が描いた風景を目に当たりにしたい!とコースをあれこれ組んでみた。(スポットごとに、気ままに訪ねることは易しいが、二泊三日のコースとして組みたてるのは推理小説のプロットを考える以上に苦労した。)
小説の上では自由な移動はたやすいが、現実はそうはいかない。
少々無理を承知でのコース。「短編、青春の彷徨」と長編「屈折回路」、それと「点と線」をとりあげて、阿蘇、日奈久、山鹿、香椎を巡るようにした。「屈折回路」の宇佐も入れたかったが……。
いまどき清張を知らない若い人もいるらしいが清張のあれこれの作品に、若き日の自分を重ねて、「この小説を読んだ頃は……」。「その時代の自分はこうだった……」と思い返しながら、かつて清張が取材に歩き回ったように旅をする。清張と共に育った人にとって懐かしさが蘇るだろう。
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改めて、二つの香椎駅の間を行き来しながら思った。
当時(1957)から半世紀経っていることに気づいた。香椎の海岸も趣が一変してしまった。駅頭に「清張の碑」が建ったらいいな——と。
熊本空港~(20分・バス+60分・JR)阿蘇市~(10分・バス)内牧温泉
内牧温泉~(10分・バス)阿蘇駅~(約130分・JR)八代駅~(11分・肥薩おれんじ鉄道)日奈久温泉~(11分・肥薩おれんじ鉄道)八代駅~(約40分・JR)熊本駅~(70分・バス)山鹿温泉
山鹿温泉~(10分・タクシー)装飾古墳群~(40分・タクシー)玉名駅~(約60分・JR+17分・九州新幹線)博多駅~ (約10分・JR)香椎駅~(約10分・JR)博多駅~(6分・地下鉄)福岡空港