この種の旅の目的は、今も残っている「偉人」の生家や、ゆかりを訪ね、伝え聞く偉人の生前の暮らしぶり、環境を視察し、訪ねる人の己に投影し感動を得ることである——と思う。
一方では異なる県土を訪ねることによって、藩風の違いを肌に感じる旅でもある。
藩政時代、藩校の校風などによって培われた思想風土は遺伝子のように続いていくものだ。藩主が移封(異動)していない地には藩風が濃く残り、藩主が頻繁に移り変わった藩にはその特色は薄いとされている。
佐賀ではこの旅をきっかけに江藤新平と三つ下の大隈重信の二人を改めて考えてみるのも。(隆盛と大久保利通のように似通っている。)
それぞれのゆかりの地で、しっかりと学ぶ意義は深い。
波静かな千々岩湾は、今も(軍神)橘中佐とローマ使節団の千々岩清左衛門を優しく抱いている。
長崎は、港であっただけにゲスト文化に支えられていると言える。シーボルトはその代表格。お滝さんがいなかったら、今ほど人気はなかっただろう——。
ともあれ、大都市圏以外の地に「生家跡」が保存され顕彰されていることに気づく。
戦災、都市計画、もろもろの条件によるだろうが、無関心層の都市圏にくらべて、郷土出身者を大切にしている地方には奥ゆかしい暖かさを感じる。
佐賀空港~(約35分・バス)佐賀市~(約30分・JR)武雄温泉
武雄温泉~(約25分・JR)諫早市~(40分・バス)千々石町~(40分・バス)諫早市~(約25分・JR)長崎市
長崎市~(50分・バス)長崎空港