レトロ地区を、建築学の切り口で、充分に学ぼう。細かい建築学問の解説者は望めないにしても「建物を見る」ことに腰を据えて廻ると自分なりに納得できる。日本の窓口として門司港が如何に進歩していたか。三井倶楽部のホールに中野金次郎の名著「海峡大観」の一文が大きくある。「海峡は文明の窓である、海峡を訪れん人は、すべからく一流の人たれ…」と。
戦火を免れて生き残った当時の建築物は、その外観のモダニズムと物語る由緒の歴史から、当時の門司(港)の新進の活気ぶりを物語ってくれる。
レトロとは郷愁でなく、温故知新である。古きを学び新しい刺激にすること。
この精神で、このツアーをしてみよう。筑豊の贅の限りが残る建物はじめ、別府の、まちの創建当時の意気込み、当時のお金持が、単なる成金だけでなかった、ハイブローの文化性がうかがえる。
町の景観が、歓楽街として変っていく中にあって、現在も保存されているのは、個人の所有であったからか。自分のものはいつくしむ、公共のものはいざ知らず…をまの当りに。
同時に、多くの意義深い歴史的建造物が壊されてきたことに気づく。
「惜しかった」今となっては手遅れの感で「勿体ない」思いだ。
その一方では、大切に保存し続けている町もある。住む人の心根だ。
この旅は、そんなことを考える旅にもなる。
その中で、ジャンルは違うが途中時間を捻出して訪問する国宝の宇佐神宮、富貴寺はまた新たな感動を呼び醒ます。
北九州空港~(40分・バス)小倉
小倉~(約30分・JR)折尾駅~(約20分・JR)直方~(約15分・JR)飯塚~ (約47分・JR)博多駅~(約120分・特急)由布院温泉
湯布院温泉~(約70分・JR)別府駅~(50分・バス)吉松~(35分・JR)大分空港