日本で最初に開けた九州、その永い営みの中で築きあげてきた多くの遺産を、このように旅をしながら学んでいる。
古代アートの遺産(装飾古墳)、中世仏教文化の遺産(富貴寺や岩窟仏)、石橋に代表される近世農業開拓遺産(通潤橋)など九州に眠る多くの遺産はこのルートの中でとりあげてきた。
もう一つ、忘れてならない大切なものに近現代産業遺構がある。幕末から明治にかけて日本の近代化を大きく前に進めた、先進的取り組みの夢、努力、知恵が創りあげた近代産業、その遺構である。
北九州、福岡は炭坑と鉄づくりの遺構、それと石炭産業の遺構が残る。佐賀には反射炉遺構など、長崎は造船、港づくり、一方農のくに熊本、大分では干拓、水路づくりなど農業土木技術が谷間や海岸沿いに眠っている。どれも先人の汗のとりくみだ。
このルートは、鹿児島の近代産業遺産、はじめ熊本、福岡にまたがるかつての黒いダイヤ‥‥加えて長崎に今も残る往時の石炭産業の偉光の跡をたどる。農業土木産業は次回に譲ることにした。
幕末、とりわけ「さつま」は凄かった。維新をリードし、原動力となった薩摩の富国強兵、殖産興業の理念のあらわれを、いま「集成館」に見ることができる。たっぷり時間をとって学ぶに値する。
鹿児島空港~(60分・バス)鹿児島市又は(約90分・バス)大口市~(約50分・バス)水俣・湯の児温泉
鹿児島市~水俣・湯の児温泉~(約10分・タクシー)水俣~(約10分・九州新幹線)八代市~ 大牟田市~(約5分・JR)荒尾市~(約70分・JR)神埼駅~(約20分・タクシー)脊振村~ (約20分・タクシー)神埼駅~(約40分・JR)武雄~(30分・バス)嬉野温泉
嬉野温泉~(30分・バス)武雄~(30分・西九州新幹線)長崎市~(50分・バス)長崎空港