万葉集において北部九州地方は奈良・大和地方に次いで重要なウエイトを占めている。そこには東歌の成立とは異なる趣がある。遠の朝廷・大宰府の官人として都より下ってきた人を中心に、旅する人によって詠まれた。
九州北部地方の持つ自然の味わいと都への郷愁が盛りこまれている。筑紫万葉は中央の文化に強い刺激を与えたであろう。
北部九州は、ある時期、独特の文化圏を作っていた。別項の「防人」に加えて大宰府人の大友家持や山上憶良の歌人もいた。
前年度に提案の万葉のまほろばでは、全九州を俯瞰のカタチで、まんべんなくルートづくりをしたが、今回は北九州~福岡市~太宰府~唐津市の北部九州の、万葉の故地に杖を引こう。
門司ヶ関(門司港)~響灘~志賀島~香椎~博多湾~能古島~唐津~太宰府‥‥の万葉の旅は、さながら万葉スタンプラリーのように鎖のように続き興趣はつきることがない。
文学碑などの遺跡は限られている。
が、歌に詠みこまれた地で、歌を口ずさむと、心は遥か万葉人になってしまう。
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家に残してきた人に、ケイタイであなたの「万葉」をメールしてみるのも新しい文学か。
北九州空港~(60分・バス)小倉~(20分・JR)門司港~(15分・バス+50分・JR)東郷~(50分・JR)二日市
二日市~(20分・西日本鉄道)太宰府~(20分・西日本鉄道)二日市~(30分・西日本鉄道)天神~(20分・地下鉄・JR65分)唐津
唐津~(30分・タクシー)七ツ釜~(30分・タクシー)唐津~(80分・JR)佐賀~(35分・バス)佐賀空港