それは九州に始まった。
石炭産業こそ九州に始まった資源産業であり、20世紀の間、日本近代化の花形産業であった。
各地に眠る地下資源、発掘のマイン産業、運搬に伴う鉄道産業、石炭をエネルギー源とした鉄鋼業の発生にも大きく寄与し、新しい工業地帯が出現した。一方では、「炭坑節」や「花と龍」「青春の門」に代表される歌や文学にまで影響を及し、エネルギー源のお菓子産業の発展など、その副次的な影響は測り知れない。
特異なものとして長崎の「軍艦島」がある。長崎沖合いの角力灘の海底の西彼炭田から石炭を掘り出した。小さな端島が陸上基地になった。鉱夫と家族の「まち」が出来た。遠くから見た形が高層ビルで軍艦のように見える。いつしか軍艦島と呼ばれ、今では見学クルーズが人気。
幅広い炭坑産業から生まれた文化風土にも眼線をあてて主要地を訪れることをおすすめする。石炭産業の富は建造物としても遺る。
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その事業主たちの志は明治工業専門学校(現・北九州工業大学)はじめ迎賓館として松本邸(現・北九州工業倶楽部)はじめ門司港・三井倶楽部、大牟田・三井港倶楽部などに異彩の文化遺産として残る。
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網の目のように拡がっているのでコースの選定には苦労した。一部割愛してもよいし、お好みを加えてもよい。
長崎空港~(60分・バス)長崎駅
長崎~(30分・西九州新幹線+90分・JR)唐津~(115分・JR)福岡空港~(40分・バス)志免町~(30分・バス)博多~(60分・JR)飯塚~(16分・JR)直方~(5分・徒歩)石炭記念館~(5分・徒歩)直方~(40分・平成筑豊鉄道)田川伊田~(40分・平成筑豊鉄道)直方~(50分・JR+30分・バス)脇田温泉
脇田温泉~(50分・バス+70分・JR)博多~(90分・JR)荒尾~(5分・JR)大牟田~(70分・JR)博多~(10分・地下鉄)福岡空港