日本に残っている一番古い「和紙」は、正倉院に収められている。大宝2(702)年に書かれた筑前の国の戸籍の一部だそうだ。1300年以上のときを経ても、その墨の字はかすかに読める。
ましてや、世界最古の紙となれば、紀元前150年にもさかのぼる。中国の放馬灘で出土した前漢時代の地図だとか。紙とはそれほどに長く保存ができるものなのだ。
江戸時代まで、日本の文化を支えてきた和紙も、明治時代にアメリカから「洋紙」の技術が入ってくると、需要は次第に衰えてくる。均一で大量生産が可能な洋紙に切り替わってきたからだ。しかも最近では、和紙でさえ木材パルプも使って量産ができる機械漉きが増えている。昔ながらの手漉き和紙は、貴重な日本文化の財産といえるだろう。
九州でもまだ、各地にこの手漉きの伝統が守り伝えられている。福岡県の八女市や佐賀市の富士町や嬉野市、伊万里市、宮崎県の美々津や鹿児島県の蒲生町、さつま町など、それぞれに原料や漉き方、風合いなどに特長をこらし、また和紙を使ったさまざまなクラフト類もデザインされている。結合材、サイズ材、填料、紙力増強材などの化学薬品を使わない和紙は、環境にやさしい壁紙などインテリアとしても好評だとか。
千年以上の伝統に立脚しながら、現代の暮らしに生かされる「和紙」。その産地を歩きながら、手仕事のぬくもりを再発見してほしい。
熊本~(210分・バス)高千穂~(70分・バス)延岡~(18分・JR)日向市~(55分・JR)宮崎
宮崎~(170分・JR)帖佐~(20分・バス)姶良市~(50分・バス)宮之城~ (50分・バス)出水~(90分JR・九州新幹線)羽犬塚~(60分・バス)八女~(60分・バス)羽犬塚~(40分・JR特急)佐賀~(30分・バス)川上峡温泉
川上峡温泉~(30分・バス)佐賀~(30分・JR)武雄~(40分・バス)嬉野~(5分・タクシー)嬉野IC~(60分・バス)長崎空港又は長崎駅