川を隔てて祭壇の正面が御神体の石窟であると神主は教えてくれる。恭しく拝礼の後、石窟のあるらしい場所をうかがうが、樹木に覆われて何も見えない。西本宮から岩戸川沿いに少し歩くと「天安河原」があり、西本宮参道脇には勾玉など古代高千穂地方の貴重な資料を展示した「徴古館」がある。
天岩戸神社の御神体は「天岩戸」そのものである。聖地の中の聖地である。西本宮の遥拝所から岩戸川の流れごしに遥かに拝むことができる。高千穂町一帯は、高千穂神社、天岩戸神社、その奥にある「天岩戸」天安河原、神楽‥‥すべての神話の舞台装置が揃っている。
霧島の高千穂峰の秀麗な姿は、いかにも天孫降臨の地にふさわしい。山を囲むようにしてニニギノミコトを祀る霧島神宮はじめとする霧島六社権現が祀られている。神話時代、神々が天上界から下を覗くと霧にけむる海の中に島のように見えるものが。鉾をとり出してその島に印をつけた。神が逆さに落とした鉾は山の頂きに突き刺さった。霧島の名と天の逆鉾の由来。
ヒコホホデミノミコトとトヨタマヒメを主祭神とする。神武天皇創建といわれる古い社歴を有し、大隅一ノ宮として知られている。権現造り、丹塗りの社殿は1756年(宝暦6年)に建てられたもの。色々威胴丸兜大袖付と2口の刀は国の重要文化財に指定されている。ここの神事、鈴懸馬踊りは、全国にも例をみないユニークなものとして有名、また、鯛車、香箱、鳩笛、弾き猿などの信仰玩具が全国に知られている。
●観光神楽は、高千穂町夜神楽保存会の人がやっている。高千穂の村里の家で秋から冬にかけて行われているものを観光客のために特別に、毎日。
●韓国岳、新燃岳、高千穂峰など霧島連峰に湯煙を上げる温泉群。えびの高原温泉郷、霧島温泉郷、霧島神宮温泉郷などに多くの温泉がひしめく。その中の塩浸温泉は、坂本龍馬が新婚旅行に妻のお竜と訪れた温泉として知られる。
●「かっぽ酒」に猪、鹿の山幸の味が加わると最高。保存用の猪肉の味噌漬、分厚い椎茸の焼物、揚げ物はじめ、シソ、山椒、ワサビなどの地元産の佃煮、漬物。
●ヤマメはじめ川魚料理に山菜のメニューが地元の昔からの味だが、最近は開発研究され各ホテルでは「自慢の味」を持っている。