明治43年着工、10年がかりで完成。島内の石を積み重ねた珍しい石造りの外観は異彩。内部はぐっとカラフルなつくりで、心が安まる。信徒が教会建設に捧げた努力の結晶。
入江の上の赤レンガ造り。正当派の造り。当初は集会所であったが、現在のような教会には明治43年に完成。鮮やかなステンドグラスの輝きに、離島でこれだけの建築物があるとは信じられない。
江戸時代から隠れキリシタンが組織的に潜伏していた浦上地区。明治時代には最後の弾圧ともいえる浦上四番崩れの舞台ともなった。そのあとに建てられた赤レンガの教会は多くの信者もろとも原爆で破壊された。現教会の前にその遺構とともに黒く焼けた天使の像などが僅かに残る。
●祈りの島では巡礼の旅なれば豪華な宿を期待しないで行こう。
純朴、質素の島民は乏しい懐からお金を出しあって教会を建てた。その心になりきろう。
●佐世保には温泉は湧かないが、海の中から湧いたような九十九島の眺めが心をいやす。そのイメージを曲にしたのが名曲「美しき天然」。かつて海軍軍楽長だった人が作った。オールドファンには懐かしい忘れえぬ名曲に抱かれよう。
●贅沢なと思うほど生きのいい魚介類に箸が迷うほど。日本海流に乗って魚がやってくる。すべて「天然ものばかり」と表現するのもなんだか変だが、獲れたての魚の刺身、平素なれていない人が食べるとお腹の調子が悪くなる人もいる。ご用心あれ、平素私たちが「鮮魚」を食べつけていないことが判る。
●西欧との窓口であり、海軍基地の街でもある佐世保は万事ハイカラ。食も西洋料理が自慢。ステーキの旨い店が多い。特選の平戸、五島の牛は柔らかく、腰がある。生ガキも名物。朝の市場を覗くのも勉強になる。