旧正月に門司の和布刈神社で行われる和布刈神事は多くの参拝客でにぎわう。その神事見物をアリバイ工作に用いた「時間の習俗」は、正統派推理小説の醍醐味ともいえるプロットで私たちを楽しませてくれる。
朝鮮戦争中の小倉・ジョウノキャンプ。黒人兵士のなかにあるアフリカの血が、小倉祇園太鼓のリズムに触発されてひいては暴動を起こすという「黒地の絵」。当時の小倉の町のようすも克明に描かれている。
空白となっていた森鴎外の小倉時代の記録。身体のハンディのため世間に疎外される主人公が、その調査に心血を傾ける…。意外な結末に、だれもがきっと感嘆の声をあげるはず。
本作は松本清張の処女長編にあたり、’57年から翌年にかけて『旅』に連載された作品。本書と同時期に「眼の壁」「ゼロの焦点」なども執筆されている。時刻表のトリックを使った点と線は、爆発的な売れ行きを示し、「清張ブーム」と呼ばれる現象にまでなった。この作品の冒頭にある男女の死体発見場所が香椎である。
過去を隠し旗本となった主人公が、やがて郡代手付として西国九州の日田に赴任してくる。前任者の殺害事件や九州山脈の隠し金山をめぐり、物語はつぎつぎと意外な展開を見せながら進んでいく…。エンターテナーとしての清張の面目躍如たる作品だ。
鯛生金山、杖立温泉が登場する。
2人の刑事が東京から佐賀へ向かった、強盗殺人犯を追って。かつて恋仲の女が佐賀にいる犯人は、そこへ向かうに違いない——刑事は今は結婚している女の家の前の宿に逗留し張込んだ。四日が過ぎる。女はS温泉行きのバスに乗った‥‥。映画化されロケが行なわれた
伝統文化No.1、2、歴史文化No.21、22参照