仁聞菩薩の伝説につつまれた国東半島はみ仏の里で、いまもなお庶民信仰の香りと土俗ゆたかな仏教の歴史を伝えてくれる。歴史への郷愁を十二分に満たしたいと思っている人は、ここ国東半島へ来るのが最もよい方法であろう。
国東半島にはもちろんトレッキングルート以外でも数えきれない程の人と歴史が作った芸術品(磨崖仏、仏像)が数多く存在する。その素朴な芸術品にひとつでも触れることができたら、またここに来たくなるはずである。
求菩提(くぼて)とは菩提を求める山の意で、山岳信仰の峰。英彦山と並ぶ修験道の山として知られる。
山麓には、如法寺や彩色壁画・薬師堂のある岩洞窟があり、麓から霊地の趣を示している。
山中には坊跡などが残る。全体として、昔のままの聖地といえる。麓の資料館でじっくり雰囲気が味わえる。
羽黒山と並ぶ日本三大修験道の山。修験道のメッカ。今も山中では行者たちの荒行が行われ、山伏姿の行者が通う。麓の英彦山神社は女子や老人でも楽に参詣できる。佐賀藩主寄進の青銅の大鳥居、細川忠興公寄進の奉幣殿や雪舟が築いた庭園がある。
中津宮(大島)、沖津宮(玄界灘の沖ノ島)、辺津宮の三社からなる。沖ノ島からは古代祭祀神宝が多数出土し、すべて国宝・重要文化財に指定されている。中津宮は海運漁業者の信仰が高く、辺津宮には宗像大神ご降臨の地と伝えられる「高宮祭場」がある。
高良山の中腹に鎮まる。主神は高良玉垂命(こうらたまたれのみこと)と八幡大神(はちまんおおかみ)、住吉大神(すみよしおおかみ)の三座。今の神殿は万治3年(1660)の再建。高良山をとり囲む神籠石と呼ばれる石垣は磐井の乱(527)と関係があるといわれるが謎である。