記事 ARTICLE

「タコ」じゃなくて「ハタ」と読む!長崎の春と秋の風物詩「長崎凧」とは?

長崎では「凧(タコ)」のことを「ハタ」と呼び、春と秋の行事として、風頭公園や唐八景、稲佐山などで「はた合戦」が行われてきました。長崎凧の歴史と魅力に触れようと、長崎市の風頭公園そばにある「小川凧店」に行ってきました!

どうして「タコ」じゃなくて「ハタ」?

場所は風頭公園のすぐそば。近くには有料駐車場もあります。

明治40年(1907年)創業の小川凧店。3代続く長崎凧の専門店です。中には様々な大きさや柄の凧がいっぱい。ここは長崎凧資料館にもなっていて、長崎凧だけでなく、全国の珍しい凧が所狭しと飾ってあります。「ハタ作り&ハタ揚げ体験(材料費、消費税込み1,760円)もできるんですよ。

小川凧店の店内。販売だけでなく、全国各地の珍しい凧も展示
三代目の小川暁博さん

話を伺ったのは、小川凧店三代目の小川暁博さん。まずは長崎凧の歴史を教えてもらいました。
長崎凧は西暦1600年前半にオランダ船によって伝えられました。出島の屋敷や橋の上で不思議な凧を揚げている異国の船員を見た当時の日本人がそれが何か訊ねると、「パタン(インドの凧)」と教えられたそう。それが訛って「ハタ」になったのだとか。また、「旗印」の意味で「ハタ」と呼ばれるようになったという説もあります。

華やかな長崎凧。左から亀の甲、一文銭、結び千鳥の柄

長崎凧はオランダの国旗と同じく、赤・青・白が伝統色。図柄は数百種類あるようですが、小川凧店では通常、人気のある4、50種類を製作し、希望に応じてオーダーも受け付けています。図柄にはそれぞれ意味あり、人々の願いや想いが込められているそう。贈り物として購入される人も多いのだとか。例えば、「亀の甲」は長生きへの願いが、「一文銭」は商売繁盛、「結び千鳥」は良縁など…。
今回挑戦した「長崎凧作り体験」では、「波千鳥」の図柄を選びました。荒波を乗り越えていく千鳥には目的達成や家内安全などの意味があるそうですよ。

「長崎凧」を作ってみよう!

小川さんの教えに従って、ハタの骨組みを印に合わせます

長崎凧を作るには、採ってきた竹を1年寝かせてさらに天日で干したり、和紙に刷毛で1枚1枚色を付けたりと、いくつもの細かい工程があります。小川凧店ではハタ作りの最終工程、骨組みにハタ紙を貼り付け、「ひゅう」と呼ばれる左右のバランスを取るための房飾りを取り付ける作業が体験できます。作業時間は30分ほど。ややこしい工程はありませんが、綺麗に仕上げるためには丁寧な作業が大切。糸や竹に沿ってハタ紙を糊付けし、最後に「ひゅう」を結びます。

ハタを表に返して、手のひらでタテ骨をなぞって整えています

最後にハタ紙に凧糸を取り付ける作業は小川さんにお任せしましょう。長年の「凧作り」、「凧揚げ」経験がないと調節が難しい作業です。
「長崎凧作り体験」の予約の際に凧揚げの希望を伝えておけば、小川さんが凧揚げのやり方まで教えてくれますよ。

小川凧店

長崎市風頭町11-2

https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/166

自分で作った凧を揚げたり、飾ったり!

風頭公園は360度長崎市街が見渡せるビュースポット

凧を揚げるのは、「小川凧店」すぐ横の風頭公園。亀山社中からも近く、坂本龍馬ゆかりの場所だと言われています。ここは凧揚げの名所なのです。この日は風もほどほど強く、凧揚げ日和。風が強すぎたり、雨天の場合は凧揚げ体験はできないのでご注意を。

凧を操る指先の糸から風の動きを感じます

小川さんは製作だけでなく、凧揚げの腕もピカイチ!うまく風を掴み、右にクルクル、左にクルクルと、まるで生きているかのように凧を動かします。長崎のハタは別名「けんか凧」と呼ばれ、ビードロ(ガラス)の粉末を揚げ糸に塗り、空高くあげた凧を絡ませあって、相手の凧糸を切って遊ぶ大人のレジャーでもあります。

自由自在に凧を操る小川さん
飾っても可愛い長崎凧

製作した凧はもちろん持ち帰ることができます。部屋のインテリアにもぴったり。凧の上部に小さなフックが付いているので、簡単に飾れますよ。

風頭公園

長崎県長崎市伊良林3-4

https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/100

「長崎凧」のデザイン性を生かした、こんなお土産はいかが?

フタを開けると小さな幸せがぎっしり!

パッと目を引く長崎凧。凧をお土産として配るのは大変だけど、こんなお土産だったら喜ばれそう!行ってきたのは「加加阿伝来所(かかおでんらいしょ)」。観光スポット「眼鏡橋」から程近い場所にあります。
「長崎凧」をデザインしたピュアチョコレートは全5種類。味はミルク、スイート、ピター、ホワイト、抹茶があります(各650円、税込)。シンプルで素直な美味しさが楽しめますよ。食べ終わった後の缶はちょっとした文具やアクセサリー入れとして使えるのも嬉しい♪
長崎は日本で最初にチョコレートが渡ってきた場所であることをご存知でしたか?長崎ゆかりのチョコレート…お土産にお一ついかがでしょう。長崎凧のピュアチョコレートは「加加阿伝来所」だけでなく、「チョコレートハウス」ハウステンボス店、長崎空港ウイング店でも購入できますよ。

季節限定商品も含めると常時25、26種類並ぶ「和のボンボンショコラ(税込270円)」
「加加阿伝来所」ではこのほかにも、味にもデザインにもこだわったチョコレート商品が揃います。人気はチョコレートと「和」を組み合わせた「和のボンボンショコラ」。諫早産の生姜や五島産の塩など、長崎県産の素材を使ったフレーバーもたくさん。店内にはカフェスペースもあるので、チョコレートドリンクやコーヒー(各400円、税込)などの飲み物と一緒におひとついかがでしょうか。
「長崎の夜景シリーズ」や「世界遺産の教会シリーズ」など、随所に長崎らしさを感じるパッケージデザインの商品も
加加阿伝来所

長崎市諏訪町7-6

http://chocolate-house.jp/cacao.php

地図を見る

Google Mapの読み込みが上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください。

関連するタグ

タグ一覧を見る

関連記事

週間記事ランキング

この記事を書いたフォトライター

PAGETOP