記事 ARTICLE

マンゴーに次ぐ宮崎の新名物「生ライチ」とは?貴重な生ライチの農場に行ってみました!

皆さんは生ライチを食べたことがありますか? 日本国内で流通しているライチのほとんどは輸入物で、加熱・冷凍処理されているため、生ライチを食べたことがある人は少ないかもしれません。しかし、冷凍と生では香りや味わいに大きな違いがあるのです。そこで、宮崎県都城市でライチ栽培に取り組む株式会社BONNOUで、生ライチについてお話を聞いてきました。

台湾で食べた生ライチの味に感激

約1,500ヘクタールのビニールハウス農場でライチを育てています

株式会社BONNOUの代表、重信光彦さんにお話を伺いました。重信さんが宮崎でライチの栽培を始めたのは2014年のことでした。そもそも、どのようなきっかけでライチ栽培を始めたのでしょうか?
「数年前台湾を旅行した時に、人生で始めて生ライチを食べて、その味に非常に感動したのがきっかけです。生ライチは香り高く、ジューシーで、口の中で水分がはじけるような感じでした。これを日本でも、もっと食べられるようにしたくて始めました」
日本で流通しているライチは、中国や台湾、ベトナムからの輸入物がほとんどで、さらに、防疫対策上収穫したライチを煮沸、冷凍してから日本へ出荷しています。工程上、どうしても生ライチのみずみずしさや香りは失われてしまいます。だから、日本で普段私たちが食べているライチは、生ライチとは全然違う味のものなのです。生ライチを日本でもっと味わえるようにするには、国内で栽培に取り組む必要がありました。

取材時は3月上旬。この後、ライチは実を付けて、5月下旬から7月ごろにかけて収穫時期を迎えます

温暖な気候と日照時間に恵まれた宮崎県は、日本の中でもライチ栽培に適した土地でした。亜熱帯果樹のマンゴーやパパイヤなどの栽培も行われてきた土地柄です。重信さんは、マンゴー農家の協力や、宮崎大学との共同研究など、さまざまな人の協力を得ながら宮崎市でライチ栽培に取り組みました。

盆地の寒暖差が、ライチをぐっと甘くする

ハウスの温度管理や水やり、手作業での剪定など、ライチ栽培には細やかな管理が必要です

「最初の頃は、管理が大変でうまく育ちませんでした。いろいろと試行錯誤をしながら苗を掛け合わせて適した品種を探っていきました」
果樹の栽培には時間がかかります。小さい苗を植えてからある程度の大きさの実が収穫できるようになるまで、5年くらいの歳月は必要でした。3年目頃から徐々に小さな実がなり始めて、4年目、5年目とだんだん実が大きくなっていきました。

「苗から育てて多少収穫ができるようになった2018年、宮崎市から都城市へ苗を全部移すことにしました。自分の地元の都城でやりたかったのが一番の理由でしたが、寒暖差があると果樹は甘くなるという知識があったので、盆地で朝晩の温度差がある都城は、ライチ栽培に適しているかもしれないという思いもありました」
重信さんの予想通り、都城はライチの栽培に適していました。宮崎市で栽培していた頃よりも、糖度が1~2度ぐっと上がり、甘いライチができました。

「夜になると冷え込んで木を守ろうと実に力を蓄える、昼間になるとあったかくなって木は元気を取り戻す。この繰り返しでぐっと甘味が増して、おいしいライチができました」
現在都城でライチ農家をしているのは株式会社BONNOUの一軒だけ。今年は全部ライチの苗もハウスも移動が終わって、現在ビニールハウスに600本ほどのライチの木があります。

まるで真珠のように美しい生ライチ

①太陽の真珠

現在、BONNOUでは3種類の生ライチの取り扱いがあります。それぞれの種類によって味や香り、大きさ、色などが微妙に違うのです。一つひとつ紹介しましょう。
「太陽の真珠」は、BONNOUを代表するライチです。完熟した状態でも皮に緑が残っているのが特徴的。糖度は18度以上で、甘味と酸味のバランスが絶妙です。香り高くジューシーで、口に入れた瞬間水分がはじけるような瑞々しさがあります。

②太陽の真珠-CORAL COLOR(コーラルカラー)

「太陽の真珠-CORAL COLOR(コーラルカラー)」は「太陽の真珠」の姉妹品で、「太陽の真珠」と味は似ていますが、鮮やかなコーラルカラーが印象的なライチです。

③月の真珠

「月の真珠」は、他の品種と比べて実がひとまわり大きいのが特徴です。大きいものだとゴルフボールより少し大きいくらいのサイズ感。酸味が少なく、大きい実は柔らかい噛み心地で満足度の高い生ライチです。贈答用としても喜ばれそう。
「太陽の真珠」「太陽の真珠-CORAL COLOR-」「月の真珠」のネーミングは、一緒にライチの製造・販売を行っている重信さんの娘さん発案です。
「宮崎の明るい太陽をいっぱい浴びて育ったイメージが伝わる名前にしたいと思って考えていました。あと、生ライチは皮を剥いたときに実が光り輝いて見えて、まるで真珠みたいと思っていたので、その2つの思いを込めて名前を付けました」

生ライチの実には真珠のような光沢があります。まさにぴったりの名前です

そのままでも、スイーツに加工してもOK

食後のデザートや、ワインのお供にも

おすすめの食べ方などはあるのでしょうか?
「一番は絶対生で食べて欲しいです。きんきんに冷やした方がおいしいですよ。通販では冷蔵便で送るので、そのまま食べて頂ければ。馴染みのある冷凍ライチとは全く違う味なので、びっくりされる方が多いです。ジューシーで香り豊かなので『ブドウみたい』とおっしゃる方もいますね」
ババロアやピザの具など、加工して食べてもおいしいとのこと。貴重な生ライチは、パティシエの方々からの問い合わせも多いそうです。賞味期限は、冷蔵庫に入れて一週間くらい。でも、なるべく早めに食べるのが良さそうです。
「太陽の真珠」「太陽の真珠-CORAL COLOR-」「月の真珠」は、2021年は5月頃より予約受付開始です。自社サイトのほか、都城市のふるさと納税で取り扱いがあります。また、宮崎県都城市の「スーパーPASIO」や「道の駅都城」などでも店頭販売される予定です。
南国の太陽をいっぱい浴びて育った生ライチは、今まで食べてきたライチとは違った味わいで驚くはず。ぜひ一度生ライチの味を堪能してみてはいかがでしょう?
※画像提供:株式会社BONNOU

南国の生ライチ「太陽の真珠」(株式会社BONNOU)

宮崎県都城市中町1街区7号 ITビル5F

https://raichi.jp/

地図を見る

Google Mapの読み込みが上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください。

関連するタグ

タグ一覧を見る

関連記事

週間記事ランキング

この記事を書いたフォトライター

PAGETOP