新酒歴史の旅:祐徳稲荷神社、幸姫酒造、肥前浜宿/佐賀県
佐賀県
2019年4月9日
九州の中でも一番日本酒が飲まれているのが佐賀県!佐賀藩の鍋島直正公が、藩の財政再建のために酒造りを奨励したのがきっかけと言われています。。現在でも肥前浜宿には酒蔵通りと呼ばれる通りが残っており、漆喰が塗られた古い家々が立ち並ぶ美しい通りです。中には現役の酒蔵もあり、伝統を感じさせてくれます。今回は、祐徳稲荷神社、幸姫酒造、肥前浜宿を巡るコースをご案内いたします。
《1》祐徳稲荷神社
◆稲荷神社って?!
祐徳稲荷神社は伏見稲荷神社、笠間稲荷大社とともに日本三大稲荷に数えられる神社です。タイのテレビドラマや映画の舞台となり、外国人観光客をも魅了しています。極彩色の楼門や、京都・清水寺の本殿よりも高さのある懸(かけ)造りの本殿はフォトジェニックな1枚が狙えるスポットです。九州を代表する祐徳稲荷神社へ是非とも足を運んでみてみませんか!
◆稲荷神社の神さまって?!
稲荷神社では稲荷神と呼ばれる宇迦之御魂神(うかのみたまのおおかみ)を主にお祀りしています。稲荷神はと言うと、農業の神様で、豊かさの象徴とされています。(現在では、商売繁盛の神様とも)稲荷神社は全国各地に3万ほどあると言われています。驚きですね。
その総本社になるのが、京都の『伏見稲荷大社』なのです。全国にある稲荷神社の多くは、伏見稲荷退社からの分身を移して祀っているんですね。
◆キツネが多いわけって?!
本来、農業の神さま(五穀豊穣)として農民に信仰されていましたんですよ。それが、江戸時代になり「商売繁盛の神さま」として祀られ、大人気になりました。町人や大名にも親しまれるようになり、その信仰が浸透していったんですね。今も昔も商売繁盛の為に、お祈りをしていたなんて、なんとも感慨深い。
狐がいる理由には、いくつかの説があるようです。イネの豊穣を守る神様である稲荷大明神のような「食物に関する神様」を、昔は古くは「御饌津神(みけつがみ)」と呼んでいました。そこに「三狐神(みけつがみ)」という漢字をあてたことから、「狐=稲荷大明神の使い」ということになり、そのまま現代に至っている、という説、なるほど。また、狐は稲などの作物を荒らす野ネズミを襲うため、いつしか「狐=稲の守り神」とされ、稲を守る稲荷神社の守り神とされたという説、ふむふむ。稲荷神社の狐が「白狐(びゃっこ)」と呼ばれる白い狐の姿をしているのは、動物園などで見られる普通の狐ではなく私達の目に見えない神様の使い=透明の狐であることを、白で表現しているからと言われています。知れば知るほど奥が深い「稲荷神社」。祐徳稲荷神社を訪れた際は、様々な説に想いを巡らせながら、手を合わせてみてはいかがでしょうか?
◆鳥居がいっぱいなのは、なぜ?
願い事が「通る」或いは「通った」御礼の意味から、鳥居を奉納する習慣が江戸時代以降に広がった結果だと言われています。なるほど!
◆祐徳稲荷神社とお酒の関係は?
日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社は、商売繁盛、五穀豊穣の神と仰がれ、年間280万人の参拝者が訪れます。幸姫酒造は、祐徳稲荷神社御神酒つくっている酒蔵なのです。
《2》幸姫酒造
幸姫酒造は、日本三大稲荷のひとつ祐徳稲荷神社にほど近い場所にあります。1980年代、日本酒消費を盛り上げようと観光酒蔵として蔵を開放されました。お酒好きだけでなく、飲まない人でも楽しめる地酒ソフトクリームやどぶろくアイスなど開発し、人気の観光スポットです!代表銘柄「幸姫」は、初代の一人娘が幸せになるようにと願いを込めて命名されました。心地よい吟醸香とキレすぎない後味が食中の杯を進めてくれます。
『純米大吟醸 幸姫 雫しぼり』は、フランスで開催されている日本酒のコンクール(品評会)Kura Masterで、2017年純米大吟醸部門 金賞を受賞されました。これまで様々な日本酒のコンクールが存在しますが、これはフランス人によるフランス人のためのフランスの地で行う、日本酒のコンクールです。九州から銘酒が誕生、実に誇らしいですね。この機会にぜひ、杜氏が想いを込めて創り上げる、銘酒に酔いしれてみまませんか。
幸姫酒造株式会社
〒849-1321
佐賀県鹿島市古枝甲599番地
(祐徳稲荷神社より車で約2分 肥前鹿島駅より車で約10分)
TEL. 0954-63-3708 FAX. 0954-63-3709
http://www.sachihime.co.jp/index.html
《3》肥前浜宿
肥前浜宿は中世(鎌倉・室町時代)にさかのぼる古い歴史を持った町で、港町・宿場町として近世(江戸時代)から近代(明治・大正・昭和)を通じて栄えてきました。経済力と豊かな地下水、おいしいお米によって酒造りが盛んとなり、現在でも大きな酒蔵が建ち並んでいます!これらの歴史の中で、肥前浜宿には多くの白壁土蔵や茅葺町家などの伝統的な建物が残り、タイムスリップした景観を楽しめるのも旅の醍醐味の一つですね。大村方・八宿・中町のいわゆる『酒蔵通り』には白壁土蔵造りの町家や蔵があり、南側の庄金や舟津には茅葺町家があります。景観が大きく変化する、町並みを散策してみませんか。