日本酒には「注ぎ手」と「受け手」それぞれに美しく見える所作があります。
これをマスターしていれば、お酒の場でキラリと光る日本酒美男子・美女になれますよ。
酒を注いでもらう前に、杯に残っている酒をひと口飲んでから、杯を差し出す右手に持ち左手を盃の下に添える状態が美しく見えます。
注がれる際は盃を机に置いたままにせず、必ず手に持ちます。右手に杯を持ち、左手を盃の下に添えます。盃の底にある高台を左手の中指と薬指で挟むツウな持ち方もあります。
注いでもらったら、まずその場でひと口飲んでから卓上に杯を置くのがマナーです。
徳利を右手でしっかりと持ち、左手は注ぎ口の近くに添えましょう。この際、徳利が盃に触れないように静かに注ぎます。
注ぎ始めから 細く⇒太く⇒細くなるよう強弱とつけて注ぎ、注ぎ終わりは徳利の口先を手前に軽く回してお酒が垂れないようにします。
徳利の注ぎ口には絞ってある部分がありますが、注ぐ際は上を向けた状態にするのがマナーです。
細く絞った方を上にすると宝珠の形になり相手にきれいに見えるから、絞った部分は「円の切れ目」=「縁の切れ目」となり縁を切りたいという意味になってしまうから、などの諸説があるようです。
ガラス、陶磁器、陶器…気分やシチュエーションに合わせて、様々な酒器で楽しめるのも日本酒の魅力です。
酒器の素材によってお酒の口当たりも変わります。酒器は伝統工芸とも縁が深く、お気に入りの酒器を集めるのも楽しいですよ。
せっかく日本酒を楽しむなら、ちょっとした日本酒マナーをたしなんでおくと、日本酒マナーで恥ずかしい思いをすることはありません。
知っていると、役に立つ「日本酒NGマナー集」をご紹介します。
徳利の中をのぞいて酒が残っているか確認すること。
徳利を振って酒が残っているか確認すること。燗の場合は、中身が冷めてしまう原因にもなる。
少しずつ残っている酒を集めて、1本の徳利にまとめる行為は、日本酒の温度や味に影響してしまいます。
手のひらを上にして注ぐ動作は不祝儀にあたります。右手で徳利を持ち、左手を徳利の下に添えた状態で、自身の右にいる人に手首を逆にひっくり返して注ぐ状態のことです。
杯を裏返してテーブルに置くこと、衛生的でないうえ、テーブルも汚してしまいます。
良かれと思ってグラスやお猪口になみなみお酒を注ぐのは、飲みにくく、こぼす原因にもなり、受け手にとってはいささか迷惑となります。 一方、枡の中にグラスを置いて一升瓶からグラスにあふれるほど注いでくれる「盛りこぼし」は、一つの日本酒スタイルで、注ぎ手がたくさん飲んでほしい!というサービスの表れでもあります。
様々な温度で楽しめるのも日本酒の特徴です。また、それぞれの温度によって呼び名があります。
自分好みの温度と味わいを見つけてみましょう。
温度 | 呼び名 | 特徴や注意点など | 相性のよいお酒 |
---|---|---|---|
55℃前後 | 飛切燗とびきりかん | 徳利を持つとかなり熱く感じるこの温度は「ひれ酒(焼いた魚のヒレをコップに入れ飛切燗を注ぐ)」に適しています。 | 純米酒、本醸造酒 |
50℃前後 | 熱燗あつかん | 徳利を持つと熱く感じ、湯気が立ちます。切れ味のよい辛口になります。 | 本醸造酒 |
45℃前後 | 上燗じょうかん | 熱燗よりややぬるめの状態です。徳利からお猪口に注ぐときに湯気が立ちます。酒の香りも味も引き締まるでしょう。 | 純米酒 |
40℃前後 | ぬる燗 | 飲んだ時に温かいと感じる程度です。甘みやコクが増します。 | 吟醸酒、純米酒、本醸造酒 |
35℃前後 | 人肌燗ひとはだかん | 飲んだ時にぬるいと感じる程度です。旨みが増し、口あたりがまろやかになります。 | 吟醸酒、純米酒、本醸造酒 |
30℃前後 | 日向燗ひなたかん | 常温よりやや高めです。常温で香りが足りないときにふわっと温めると香りが引き立ちなめらかな味わいになります。 | 吟醸酒、純米酒、本醸造酒 |
20〜25℃前後 | 冷や | ほぼ常温の状態です。"冷や"は"冷酒"と混同されやすいので注意しましょう。酒本来の味わいが最も現れる温度です。 | 吟醸酒、純米酒、本醸造酒 |
15℃前後 | 涼冷えすずひえ | 冷蔵庫から出してしばらく常温にもどしておいた状態です。飲んだ時に少し冷たさを感じます。 | 吟醸酒、純米酒、本醸造酒 |
10℃前後 | 花冷えはなひえ | 夏場は冷蔵庫から出してまもない温度、冬場は常温がこの温度となります。飲むうちに徐々に香りが広がります。 | 吟醸酒、純米酒、本醸造酒 |
5℃前後 | 雪冷えゆきひえ | 酒瓶を冷蔵庫から出し結露が生じる程度です。華やかな香りとフルーティーなタイプの吟醸酒などが合います。 | 生貯蔵酒、樽酒、吟醸酒 |
語源は漢語で「杯の酒を飲み干す」という意味の「乾杯」からきています。使われるようになったきっかけは、日英和親条約の協定後の晩餐会でのことで、その席上でイギリス代表のエルギン伯が「イギリスでは国王の健康を祝して杯を交わす習慣がある」と紹介し、それを幕府の侍たちが真似たことが日本で最初の「乾杯」だといわれています。
日本人にとっては古くから馴染みのある、お正月にいただく「お屠蘇」は、1年間の無行息災と長寿を願うものとされ年始めの元旦に飲まれます。
御神酒とは本来神様にお供えしたお下がりのお酒のことです。多くは日本酒であるが、九州では焼酎をお神酒にすることもあります。お酒を神様にお供えしてお参りや祭祀を行えば、お酒に神様の霊力が宿り、これを口にすることで、神様の霊力を体内にとりいれられると考えられています。
桜は昔から「神の居座る木」と言われていて縁起ものであることから、桜の季節には木の下で神聖な飲み物として誕生した日本酒を飲むようになったといわれています。その他にも菖蒲酒(5月の端午の節句)、涼み酒(夏)、月見酒(秋)や、雪見酒(冬)などがあります。
桜の枝を折ったり、揺らしたり、木に傷をつけたりしないでください。
木に登らないでください。
レジャーシートは桜の根元から少し離れて敷くようにしましょう。根元を踏んだ状態だと、桜は呼吸ができず枯れる原因になります。
飲み残しの飲料は木にかけたり、土の上に捨てたりせず、トイレや所定の場所に流して捨ててください。桜の根がダメージを受け、枯れる原因になります。
ゴミは持ち帰りましょう。ゴミ捨て場がある場合は、きちんとゴミの分別をして利用しましょう。