2023年12月22日

軍港がある街ならではの文化が育んだ  佐世保の肉グルメを味わおう!

男の子「佐世保バーガーボーイ」 女の子「させぼのボコちゃん」『「佐世保バーガーボーイ」•「させぼのボコちゃん」/(C)やなせたかし•SASEBO』

 長崎県の北部に位置し、「ハウステンボス」や「九十九島パールシーリゾート」といった人気観光スポットがあることでも知られる佐世保市。古くは軍港の街として栄え、現在では自衛隊やアメリカ海軍基地があるこの地には「佐世保グルメ」と呼ばれる名物料理がいくつも存在する。中でも注目したいのは、海軍や自衛隊、アメリカの影響を色濃く受けた肉グルメ。誕生エピソードも佐世保ならではのハイカラメニューをご賞味あれ。

海に向かってすり鉢状に街が広がる佐世保市 画像提供:(株)チームふらっと
夜景も美しい佐世保港 ©️SASEBO

長崎和牛を使ったものなどいろんなカレーが味わえる! 「させぼ自衛隊グルメ」に注目!

海上自衛隊は金曜日にカレーを食べる。しかもそれがものすごく美味しいらしい!というのは有名な話。実はそのカレー、艦艇ごとにレシピが異なり、それぞれこだわりが詰まった特製なのだそう。佐世保市内では、そのカレーが食べられるイベント「させぼ自衛隊グルメ」を開催中。佐世保所属の艦艇と部隊でつくられているカレー (2024年は25種を予定)を市内の飲食店が忠実に再現し、提供している。「海上自衛隊」「陸上自衛隊」「海上保安部」の3つの部隊のカレーが味わえるのはここ佐世保だけ。軍港だからこそ味わえる新たな佐世保グルメとして要チェックだ。

「愛山亭」が長崎和牛を使って再現した「護衛艦いせ」のカレー
海上自衛隊 護衛艦いせ
道の駅させぼっくす99内「ミリタリー食堂」提供の海上自衛隊「護衛艦さわぎり」のカレー
海上自衛隊 護衛艦さわぎり

2024年は1月22日(カレーの日)からスタート! 「させぼ自衛隊グルメ」スタンプラリー

各店舗先着100名限定で貰えるオリジナルピンバッジ

対象メニュー全品制覇で「海上自衛隊・陸上自衛隊・海上保安部をめぐるミステリーツアー」にご招待! また、各店舗先着100名様限定でオリジナルピンバッジがもらえる「Instagramハッシュタグキャンペーン」も同時開催!いっぱい食べて、限定ツアーに参加しよう♪

※スタンプラリー台紙は各店舗及び佐世保観光情報センターで配布

住所/長崎県佐世保市内

開催期間/通年(市内飲食店20店舗が参加 2023/12/18現在)

時間/各店舗による

問い合わせ 佐世保商工会議所

︎0956-22-6121

道の駅「させぼっくす99」ではオリジナルレトルトカレー「佐世保自衛隊カレーセット」も販売
道の駅させぼっくす99 画像提供:(株)チームふらっと

道の駅させぼっくす99

長崎県佐世保市愛宕町11

︎0956-42-6077

営業時間 フード館7:00〜15:00、銘品館9:00〜18:00

定休日 不定休

海軍元帥・東郷平八郎ゆかりの佐世保グルメ 海軍さんのビーフチュー

牛肉がゴロッと入った「下町の洋食 時代屋」のビーフシチュー ©️SASEBO

明治期の日本は海の防衛力を備える必要があったため、国内の4つの港に鎮守府を置いた。その1つとして佐世保が選ばれたのは、中国大陸にも石炭の産地にも近い立地と、佐世保湾が軍艦の出入港がしやすい地形であるという理由から。佐世保グルメを代表する肉料理「海軍さんのビーフシチュー」は、明治時代に佐世保鎮守府の司令長官を務めた東郷平八郎がイギリス留学中に食べた味が忘れられず、帰国後に艦上食としてつくらせたのがはじまり。現在、佐世保市内の飲食店で提供されているのは、明治時代の海軍レシピ本「海軍割烹術参考書」に載っていたレシピをもとに、各店が再現・アレンジしたもの。それぞれに創意工夫がなされた個性的な味わいが楽しめる。

アメリカンステーキの佐世保アレンジが クセ強!ご飯もススむレモンステーキ

さっぱりとした味わいの「レモンステーキ」 ©️SASEBO

牛の薄切り肉を熱々の鉄板に盛り付けて火を通し、食べる直前にレモン風味の醤油ベースソースをかけて食す「レモンステーキ」。肉を食べ終わったら、肉汁とソースが残った鉄板にご飯を投入して食べるのが佐世保流だ。戦後間もなくアメリカ海軍基地ができた佐世保では、早くからアメリカのビーフステーキが大流行。その後、洋食レストランで働いていた兄弟が、すき焼きをヒントに日本人の口に合わせたさっぱり味のステーキを考案。それが市内の飲食店に広がり、「レモンステーキ」という佐世保名物に。市内では、考案者の1人が営む「下町の洋食 時代屋」をはじめ、十数店舗のレストランで提供。味の違いを食べ比べてみるのも楽しそうだ。

今や全国区の人気&知名度を誇る 佐世保ご当地肉グルメの決定版!

米軍基地が佐世保にもたらした食文化の中で、もっとも有名と言えるのが「佐世保バーガー」だろう。昭和25年頃、アメリカ海軍関係者から直接レシピをもらってつくったのがはじまりで、佐世保は日本ではじめてハンバーガーが伝来した地とされている。お店によってサイズも味も素材も違う「佐世保バーガー」だが、名乗るにはきちんとした定義がある。それは、「注文を受けてからつくること」「フレッシュな生野菜が使われていること」「オリジナルソースが入っていること」「本社が佐世保にあること」。平成19年には、この定義に則った「佐世保バーガー認定制度」を創設。現在、認定店は市内に25店舗ほど。店先の「佐世保バーガーボーイ」の看板が目印になっている。

現地必食の一品「佐世保バーガー」 ©️SASEBO