自然

湧水


九州北部


清水湧水

 清水(きよみず)湧水は、飲料水の全てを地下水でまかなっている福岡県うきは市浮羽町の清水(きよみず)寺の境内から涌き出ている湧水で、霊水と崇められています。建長元年(1249年)、諸国巡歴で立ち寄った僧が耳納山麓の木立の中に湧き出る水を発見し、その清澄さから清水寺を開いたとされています。
 湧水は水温17℃、無色透明です。

清水湧水

  • 不老水不老水

     福岡市東区にある不老水は、香椎宮の境内に湧く水で、主に飲み水として利用されています。長寿の水としての逸話が残っており、古くは伝説の人物、武内宿祢(たけのうちのすくね)が天皇皇后に献上するご飯に使用し、自らも三百歳の長寿を保ったという伝説があります。

  • 清水川清水川

     清水の滝は佐賀県小城市に流れる清水川上流にある滝で、西日本随一と言われる落差75m、幅13mの規模を誇ります。その滝から流れ落ちる水が全て日本名水百選に指定されています。
     5月下旬から6月上旬にかけては、数十万匹の源氏ボタルの乱舞が見られます。

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九州西部


竜門の清水

 竜門の清水(せいすい)は佐賀県西松浦郡有田町にある竜門峡から名付けられています。日本名水百選に選ばれ、周辺一帯の「竜門水源・黒髪の森」も水源の森百選に選ばれています。県立自然公園内にある黒髪山系からの湧水で、洞窟やうっそうとした原生林、奇岩をぬって流れ、竜門ダムに注ぐ清水です。まさに山紫水明の景勝地にある湧水です。

竜門の清水

  • 島原湧水群島原湧水群

     島原市は古くから「水の都」と呼ばれ、雲仙水系に育まれた豊富な水が市内随所から湧き出しています。市内50ヶ所以上に湧水地が点在し、町中に流れる水路では鯉が泳ぐ姿が見られます。寛政4年(1792年)の雲仙岳の噴火に伴う群発地震による地殻変動で良好な帯水層ができた事と透水性に富む山体(眉山)が直前に迫っていることから、地下水に圧力が加わり自噴しやすい状態となって湧出していると言われています。

  • 轟渓流轟渓流

     轟渓流は、多良岳山系(佐賀県・長崎県)に源を発する渓谷の1つで、多良岳県立公園(佐賀県)の南東部の諫早市(長崎県)に位置しており、有明海に注いでいます。大小30の滝があり、轟渓流を形成する境川は下流において灌漑用水や生活用水の水源になっています。

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九州中部


轟水源

 江戸時代に、細川支藩二代細川行孝公(1637~1697年)が、ここを水源として約4.8km離れた市街地までの上水道を作ったのが始まりです。現存する日本最古の上水道と言われており、水源周辺は轟自然公園となっています。

轟水源
  • 白川水源白川水源

     白川水源は、阿蘇高岳の南麓にある熊本県阿蘇郡南阿蘇村から熊本市を通り、有明海に流れる白川の水源のひとつです。この水源からは常温14℃の湧水が毎分60t湧き出ています。

  • 菊池水源菊池水源

     熊本県北最大の河川、菊池川の水源で、オオサンショウウオが生息するなど、豊かな自然を残し、「くまもと自然休養村」に指定されています。また、多くの人々に森林浴の場として利用されています。
     昭和初期(9年ごろ)阿蘇くじゅう国立公園に指定され、その当時地元紙が実施した景勝地募集で、43万票を獲得し第1位になりました。

  • 池山水源池山水源

     池山水源は熊本県阿蘇郡産山村の標高780mの場所にあり、水源一帯は樹齢200年の杉などの木々が濃く茂り、湧水池の中央には水神様が祀られています。
     昔から地域の貴重な飲料水、農業用水として利用されており、その豊富な湧水は玉来川となって大野川に流れ込み、遠く別府湾へと注ぎます。近くにはヒゴタイ公園があり、8月頃から9月中旬にかけてヒゴタイを観ることができます。

  • 男池湧水群男池湧水群

     男池(おいけ)湧水群は阿蘇くじゅう国立公園(熊本県・大分県)内の黒岳北麓(大分県由布市)に位置し、大分川支流の阿蘇野川の源流です。周辺にはブナやカエデの原生林が生繁り、散策・森林浴エリアとして人気があります。
     1日に約20,000t涌き出る湧水は、山の恩恵を受けカルシウムや炭酸水素イオンが豊富です。

  • 竹田湧水群竹田湧水群

     市内のいたる所で湧水が湧き、名水の里と呼ばれる竹田市(大分県)。名水の里で屈指の人気を誇る河宇田湧水、九州一の名水と評判の泉水(せんずい)湧水をはじめ、市内を通る県道8号周辺には数々の湧水が点在しています。
     湧水量が豊富で水質評価も高いことから日本名水百選に選ばれている湧水も多く、連日、県内外から多くの人々が水汲みに訪れます。

  • 白山川白山川

     白山川は傾山系の大白谷(大分県豊後大野市)を源とし、蛍が舞う清流として知られています。水汲みポイントは2ヶ所あり、ひとつは、ほげ岩のそばの「名水の石清水」、もうひとつは傾山の冷水登山口そばの「傾山原始の水」です。どちらも口当たりが良い水ですが、味わいは微妙に異なります。周辺には、石橋、稲積鍾乳洞、夫婦岩など景勝地があります。

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九州南部


  • 出の川湧水出の川湧水

     南九州の名峰・霧島山麓には40ヶ所以上の湧水があり、その代表格が出の山(いでのやま)湧水です。一日約80,000tの水が湧き出ており、昔から飲料水だけでなく、漁業、農業に使用され、地元の人々の命の水となってきました。また、悲恋の泉姫伝説が残されています。

  • 綾川湧水群綾川湧水群

     綾川湧水群は、九州中央山地国定公園(熊本県・宮崎県)の綾町(宮崎県東諸郡)一帯にある照葉樹林の深い森に育まれた湧水群で、照葉樹の森を源として流れ出す水が全て名水として指定されています。涌き出る湧水は綾北川、綾南川となり、本庄川を経て大淀川に流れ込み、生活用水、農業用水の他、綾町が産地の紬の染織にも利用されています。

  • 屋久島宮之浦岳湧水屋久島宮之浦岳湧水

     屋久島宮之浦岳流水は、霧島・屋久国立公園内に位置する屋久島の宮之浦岳(九州最高峰、標高1,936m)の河川を流れる湧水で、年間10,000mlを超えると言われている豊富な降雨によってもたらされています。島内には宮之浦岳(1,936m)をはじめとする標高1,000m級の山々が連座しており、世界自然遺産として登録された豊かな大自然の環境が汚染の無い清冽な水を育んでいます。

  • 霧島山麓丸池湧水霧島山麓丸池湧水

     霧島屋久国立公園(宮崎県・鹿児島県)の霧島山麓の湧水のひとつで、栗野岳の標高600m付近に降った雨が35年ほどかかって湧水することが科学的に証明されています。良質な地下水がいたるところで湧出しており、農業・生活用水等の貴重な水源となっています。現在は公園として整備され、湧水口には水神が祀られています。

  • 清水の湧水清水の湧水

     薩摩半島(鹿児島県)で最大の河川である万之瀬川の上流部に位置する川辺町には、鹿児島特有のシラス台地の崖下から1日約6,000tの湧水があり、昔から地域の生活用水、農業用水として利用されてきました。町の上水道の水源としても利用され、1日約3,000t、約3,800世帯に供給されています。近くに清水磨崖仏群、清水川があることなどから清水の湧水と呼ばれています。

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