自然

トレッキング

くじゅう連山

 くじゅう連山は、大分県南西部にあり、阿蘇とともに「九州の屋根」と言われる九州を代表する山です。標高1,791mの中岳を最高峰に、1,700m以上の山8座を有しています。森の山、草原の山そして岩山と変化に富み、眺望は素晴らしく、登山道も良く整備されています。ミヤマキリシマの開花期には、日に数万人の登山者が訪れることも珍しくありません。山麓には、高原のドライブウェー「やまなみハイウェイ」が走り、周辺は筋湯温泉、星生(ほっしょう)温泉、赤川温泉など、数多くの温泉地に恵まれています。

くじゅう連山
  • 牧ノ戸峠~沓掛山牧ノ戸峠~沓掛山

     標高1,333mの牧ノ戸(まきのと)峠は、くじゅうの最もポピュラーな登山口です。駐車場や売店が設置され、シーズン中はやまなみハイウェイの通行客で大変賑わいます。登山口からは、いきなり息つく急坂が続きますが、ぐんぐんと高度を稼ぎ、一気に眺望が開けてきます。約30分で第一のピーク、1,503mの沓掛(くつかけ)山に到着。ここからは、三俣山(みまたやま)や星生山(ほっしょうざん)が眼前に迫り、南には、雄大な阿蘇五岳が広がります。

  • 星生山星生山

     沓掛山から尾根伝いに2kmほど東進し、ドウダンツツジの群落と湿地帯のある西千里を横切ると、星生山(ほっしょうざん)はすぐそこです。標高1,762m、ロマンチックな名前の峰はミヤマキリシマの群落に覆われ、5月下旬から6月中旬までのシーズン中は山全体がピンク色に染まります。北東斜面では硫黄山が噴煙をあげ、その先には三俣山、奥には平治岳(ひじだけ)がこんもりとした姿を見せています。東を向くと、縦横に走るトレイルや、久住山や中岳を目指す登山客の姿が目に映ります。
    ●牧ノ戸峠~星生山/登り1時間40分

  • 久住山久住山

     星生山のゴツゴツした岩稜を下り、避難小屋を経てゆるやかな傾斜を登ること約45分。1,787mのくじゅう連山の主峰、「日本百名山」に数えられる久住山に到着します。大岩がゴロゴロとした山頂で、周囲の山々をはじめ、遠くは祖母山、阿蘇、由布岳など360度の大パノラマが一望できます。帰路は、山頂から赤川温泉のある南登山口に下りる最短ルートもありますが、傾斜が厳しく上級者向けのため、往路を戻ります。
    ●星生山~久住山~牧ノ戸峠/登り35分/下り1時間45分

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阿蘇五岳

 阿蘇は、世界有数のカルデラで、その中に高岳・中岳・根子岳・烏帽子岳・杵島岳の阿蘇五岳が鎮座し、さらに標高1,000m、直径25kmにも及ぶ外輪山で囲まれています。1,592mの主峰、高岳が中央にそびえ、その隣には中岳が巨大な火口を開け噴煙を上げています。阿蘇は、登山の初心者でも楽しめる山ですが、礫や岩まじりの「ガレ場」や浮石が多いため、ソールの厚い登山靴などしっかりとした装備が必要です。

阿蘇五岳

  • 根子岳根子岳

     阿蘇五岳は、観音様が横になっているように見える様から「寝観音」と呼ばれていますが、その顔にあたる根子岳は観音様の優しさとはうらはらに、山頂部の岩がノコギリ状にそそり立ち、険しい山容を呈しています。登山口から奇岩が立ち並ぶ谷を登ると、1時間40分ほどで視界が開け、最高峰「天狗峰」の左肩に出ます。天狗峰は危険で一般には立ち入りができず、ここから反対方向に痩せ尾根を進みます。目的地の1,408mの東峰までは1時間。振り返ると天狗峰が堂々と構え、東には祖母山が見えています。
    ●登山口~東峰/登り2時間40分/下り2時間10分

  • 高岳高岳

     阿蘇五岳の主峰1,592mの高岳から中岳までの縦走は、阿蘇登山の中で最も人気のコースです。火山性ガスの影響により、中岳や火口東展望所周辺が立ち入り禁止となることもあるので、縦走の際は、火山情報の事前確認が必要です。仙酔峡(せんすいきょう)登山口を出発し、長く単調な仙酔尾根を白ペンキマークを頼りに登っていきます。1時間40分ほどで高岳の火口壁にたどり着き、山頂まではここから約10分です。阿蘇は九州の中心。九州本土の名だたる名峰を一望できます。
    ●登山口~高岳/登り1時間50分/下り1時間20分

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英彦山

 英彦山(ひこさん)は福岡県と大分県に跨る標高約1,200mの山で、耶馬日田英彦山国定公園の一部です。羽黒山(山形県)・熊野大峰山(奈良県)とともに「日本三大修験山」のひとつに数えられ、古来より神聖な山として信仰を集めています。深い森林に囲まれた豊かな自然を持つ山で、樹齢1,000年以上の鬼杉をはじめ見事な杉林が広がっています。
 英彦山は奇岩の多い独特の山容を誇っており、望雲台と呼ばれる切り立った岩壁はロッククライミングの名所となっています。
●正面登山道~中岳~北岳~豊前坊/登り2時間25分(北岳まで)/下り1時間40分

英彦山
  • 奉幣殿奉幣殿

     英彦山への登山口となる「銅の鳥居(かねのとりい)」から正面の参道を抜け、長い石段を登ること約30分、国指定重要文化財の「奉幣殿(ほうへいでん)」が見えてきます。ここからが本格的な登山の始まりです。一ノ岳展望所とクサリ場を経て、約45分で中宮に出ます。ここは英彦山表参道の5合目にあたり、周囲に杉が多く生えているため一帯は千本杉と呼ばれています。奉幣殿から山頂までは約1時間半。うっそうとした杉林の中を石段は続いていきます。

  • 上宮上宮

     千本杉から稚児落し(ちごおとし)と呼ばれる断崖を過ぎると、最後の水場となる産霊神社(むすびじんじゃ)があります。社の前は広場のようになっていて休憩することができます。体調が整ったら広場の左手から一直線に500mほどの急坂を登ると英彦山神宮上宮のある中岳の山頂へ着きます。神社の裏手にはシーズン中には売店も出る広場があり、登山者の休憩所となっています。

  • 望雲台望雲台

     中岳山頂広場の北東から急斜面を下り広い鞍部(あんぶ)へ。吊尾根をしばらく登ると北岳の山頂へ着きます。そこからさらに急斜面のクサリ場を抜けると、右手に望雲台へ向かう道が見えてきます。分岐から50mほどにクサリ場があり、岩の急斜面を一歩一歩登っていきます。望雲台からは直下の美林や鷹ノ巣山の山容が一望でき、人気の展望スポットとなっています。

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