由布院温泉を訪れる場合、多くの人が利用することになるのは列車でしょう。日本の有名な建築家、磯崎新氏によってデザインされた由布院駅を目で楽しみ、外に出て真っ先に目に飛び込んでくるのが、町のシンボル、由布岳です。その雄大な姿同様、町全体もゆったりした雰囲気。これは昭和40年代・1965年頃から町全体でまちづくりに熱心に取り組んできたからだそう。
　駅前から続く由布見通りや湯の坪街道の両脇には小さいお店やカフェが並び、お土産の買い物はもちろん、歩くだけでも十分楽しむことができます。また大小のギャラリーや美術館が点在しているのも由布院温泉の特徴と言えるでしょう。アート同様多くの観光客が必ずと言っていいほど足を運ぶのが金鱗湖。金鱗湖は清らかな水が湧き、温泉が流れ込むため一年を通し水温が高い湖。とくに秋から冬にかけては湖面から湯気が立ちのぼる幻想的な光景が見られ目を奪われるはず。由布院温泉には贅沢な時間を味わわせてくれる高級旅館が多いことでも有名ですが、宿泊なしの立ち寄り湯も約30件以上あり、数百円から温泉を楽しむことができます。

• 由布院温泉観光協会

由布院の魅力は自然

　由布院というと、駅前の由布見通りや湯の坪街道でのお土産ショッピングという人も多いかもしれませんが、それだけじゃもったいない。由布院といえば、雄大な大自然です。賑やかな通りから歩いて少し離れてみるだけで、広大な田畑とその向こうに壮大に構える由布岳が目に飛び込んできます。新鮮な空気を吸いながらの早朝散歩やランニングもいいですし、思い切って由布岳登山はいかがでしょう。牧歌的な景色からスタートし、後半やってくるちょっとハードな岩登りを満喫した後の山頂からは、別府湾や瀬戸内海まで見渡せる絶景が広がっています。熊本地震の影響で地割れや浮石が見られる箇所がありますが、今後、登山道も整理されていくそう。登山の前には案内所などで事前に状況確認してから登るようにしましょう。自然の中で汗を流した後に浸かる温泉はきっと格別ですよ。

ほっこり懐かしい味、夢想園のプリン

　地元の人にも人気なのが、1日限定40個だけ販売されている、夢想園の自家製プリンです。昭和51年から作り始められたというから、歴史の長さを感じます。添加物は一切使わず、地元の食材だけを使い丁寧に時間をかけて作られているので、限定40個というのも納得です。最近多くみられるなめらかなタイプとは異なり、少し固さを感じる弾力が特徴。昔お母さんにおやつで作ってもらったプリンの味を思い出す人も多いかもしれません。カラメルソースは甘すぎず、ちょっとほろ苦い大人の味。少し大きめサイズなので、プリン好きにはたまらないおやつとなるでしょう。

のどかな町を巡る、観光辻馬車

　由布院の町を見て回る乗り物は、レンタサイクルや人力車、スカーボロ（観光乗り合いタクシー）などいくつかありますが、ぜひ試してみてほしいのが辻馬車です。人通りの多い賑やかな通りではなく、田園風景が見られるのどかな道を走ります。JR由布院駅をスタートし、佛山寺や宇奈岐日女神社などを巡り、駅まで帰ってくるというルートで、所要時間はだいたい50分ほど。パッカパッカとゆったり歩く馬のペースに委ねてみましょう。運行時間は、3月〜11月は9:00〜16:00、12月〜1月上旬は9:30〜15:00まで。30分おきに出発しています。1月上旬〜2月、雨天やお馬さんの体調不良の時はお休みです。予約はお電話でどうぞ。由布院温泉観光案内所（Tel: 0977-84-2446）

外国の方へのウェルカムメッセージ

賑やかな通りから一本脇道に入ると、昔ながらの石垣や田んぼがあり、その土地に住む人の生業が見えます。由布院には、盆地のどこからでも由布岳が見えるようにと景観を守る条例があります。
ショッピングも良いですが、目の前の自然を味わってゆっくり温泉に浸ってのんびりと由布院をお楽しみください。

• トリップアドバイザー