「日本茶ブーム」といわれているが、ペットボトルの日本茶ではやはり寂しい。きちんと沸かしたお湯を、静かに急須に注ぎ、茶碗に広がる鮮やかな緑の色や香りをゆっくりと味わってこそ、真の“茶ごころ”だ。
日本茶の普及とPRに務めてもらおうと、7年前から全国で発足したのが「日本茶インストラクター」、愛称「茶ムリエ」。現在全国で1800名余りが各地の講座や雑誌、店頭などで、おいしいお茶の入れ方や歴史、文化などを伝道している。
お茶は、九州7県の全生産量を合わせると全国の約4割を占め、各県に銘茶がある。日本でも有数の茶どころ九州を、各地の日本茶インストラクターのおすすめに従って、「お茶」のキーワードで巡ってみたい。お茶は奥が深い。日本茶インストラクター(茶ムリエ)の説明・うんちくを聞きながら、飲み味わうことで、各地の銘茶の真価がわかる。
九州の中でもとくに佐賀、長崎、福岡などの北部は、800年前に中国から渡来したり帰国した僧侶たちがお茶を伝えたゆかりのエリア。歴史的にも自然風土にも、その文化が色濃く残っている。600年も昔の室町時代に栄林周瑞がお茶を伝えた黒木町や、玉露の品質が今や日本一の星野村、お茶を飲むだけでなく温泉や料理にも活用している嬉野、「今年始めて茶山に来たらお茶の摘み道ゃ未だ知らぬ」と茶山唄にも歌われた八女、そして城下町の杵築のお茶に、霧深い世知原のお茶と、どれもゆかしい香りと連れ立った旅路である。
長崎駅~(50分・バス)長崎空港( 20分・バス)大村~(70分・JR)佐世保~(50分・JR特急)武雄~(30分・バス)嬉野
嬉野~(30分・バス)武雄~(50分・JR特急)鳥栖~( 20分・JR )羽犬塚~( 50分・タクシー)黒木~ (50分・タクシー)星野~(60分・タクシー)羽犬塚~(20分・JR+60分・バス)筑後吉井~(10分・タクシー)原鶴
原鶴~(10分・タクシー)筑後吉井~(140分・JR)大分~(70分・バス)大分空港