新幹線は九州の脊骨。新幹線の結節点から分岐しているローカルの在来線は肋骨となって九州をしっかり支えている。よくいわれる横軸。これが素晴らしい。明治─大正─昭和にかけてモッコやツルハシの作業、それだけに土地の襞により添うように細やかな路線が残っている。そのなかに土地のランドマークの古い駅舎がしっかりと在る。ループやスイッチバックが体感できる。駅名の由来にも興味が湧く。土地の匂いが嗅げる。
人気の「いぶたま」の終着、枕崎の地名に、どうして「枕」がつくの?「旅行」とは一味違うこんなうんちくのある「旅」がじっくりと味わえる。各路線、特徴がある。
日本一の車窓風景の霧島連峰のワイドロケーション(肥薩線)。かって湖の底の世界一のカルデラをよじ登ると阿蘇の噴煙が見える。(豊肥本線)。日本三大急流をかきわけて進むSL、川下りの人との交歓(肥薩線)。海のしぶきを車窓に浴び神話の主人公と一体となる(日南線)。沖の白帆に万葉時代を偲ぶ(肥薩おれんじ鉄道)。古代隼人族の哀しみの石像群も車窓スレスレ(肥薩線)。かと思うとスタンダードのジャズが流れる(三角線)。伝説の滝物語が聞ける(久大本線)。
この項では参考ルートはあげなかった。
新幹線を乗り換えて、お好みを、つまみぐいの旅を。