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日本酒好きにはたまらない!九州の蔵開きデータファイル

豊かな自然に恵まれ、全国的にも有名な酒処が点在する九州。
毎年冬から初春にかけて蔵開きが開催され、各酒蔵自慢の日本酒が味わえます。
しぼりたての新酒を堪能したり、普段目にすることのできない蔵を見学したり、酒蔵によってはイベント当日しか飲めない酒通垂涎の1本に出会えるかも!
各酒蔵の特徴を交えながら、蔵開きの見どころをご紹介します。

花酵母で仕込む、香り豊かな日本酒に酔いしれる:天吹酒造/佐賀県

元禄年間創業、佐賀平野で育った酒米と背振天山の伏流水で仕込む日本酒が自慢の「天吹酒蔵」。酒造りに欠かせない酵母は、清酒酵母を使う酒蔵が多いなか、天吹酒蔵では花の蜜から酵母を分離させた「花酵母」を使用しています。「アベリア」や「マリーゴールド」「ヒマワリ」など花によって味わいや香りも個性豊か。なかでも、華やかな芳香を放つ「天吹 純米吟醸 壽限無」は、女性にも人気の一本です。
1月下旬から2月初旬は、新春恒例の蔵開きが開催されます。目玉は、1回500円で3種類の日本酒が飲み比べできる「プレミアム試飲」(予約制)。大吟醸など、天山酒造選りすぐりの酒を味わうことができます。また、当日は普段開放されていない酒蔵を見学できるチャンス。スタッフがツアー形式で酒造りの工程を説明してくれます。酒蔵の見学は1時間おきに実施されるので、予約は不要です。そのほか、「酒粕ジェラート」や「酒粕クロワッサン」など日本酒を使った食品なども購入することができます。
天吹酒造

佐賀県三養基郡みやき町東尾2894

https://www.amabuki.co.jp

国際的なコンクールで高評を得た、小城を代表する酒蔵:天山酒造/佐賀県

天山の麓で約140年にわたり酒造りを営んできた老舗です。創業時から原料にこだわり続け、地元農家と協力し合い「天山酒米研究会」を発足。同研究会で栽培した「山田錦」で仕込んだ純米吟醸を販売するなど、新たなプロジェクトにも力を入れています。
また、仕込みには、酒蔵の前を流れる祇園川の源流である名水を使用。カルシウムやマグネシウムなどミネラル分を含む硬水で造られた酒は、力強く、しっかりとした味わいです。
2017年には、フランス発の日本酒コンクール「Kura Master」にて「七田 純米吟醸 雄町50」が最優秀賞を受賞。海外でも高く評価されています。
毎年3月には「天山春の蔵開き」が行われ、おすすめの日本酒が飲み比べできる「Kensukys Sake Bar」が登場。利き酒コンテストや樽酒・粕汁の振る舞いなど催しも盛りだくさん。当日だけの限定商品の販売もあります。国の有形文化財に登録されている酒蔵を見学しながら、新酒を味わいましょう。
天山酒造

佐賀県小城市小城町岩蔵1520

http://www.tenzan.co.jp/

九重の豊かな風土によって守られてきた、八鹿の酒造り:八鹿酒造/大分県

自然豊かな大分県九重町に佇む「八鹿酒造」は、150年の歴史を誇る酒蔵です。
地下250mから引き上げた九重連山の伏流水を仕込み水や割り水として使い、歴代の杜氏達が研鑽を重ね、培った技術と執念で数多くの日本酒を生み出しています。
焼酎やリキュールなども製造しており、八鹿酒造の名を全国に広めたのは焼酎「銀座のすずめ」。バーボンウイスキーの空き樽に貯蔵した麦焼酎で、なめらかな舌触りとスモーキーな風味が特徴の「新タイプ焼酎」として、酒通に愛され続けています。
毎年1月は、きき酒会や新酒即売会、甘酒の振る舞いなどさまざまな催しが行われる「極寒蔵開き」を実施。純米新酒生原酒の詰め作業見学など貴重な風景も見られます。
また、4月には、できたての酒やオリジナルカクテルなどを味わえる「なしか!祭」が開催され、多くの人で賑わいます。
八鹿酒造

大分県玖珠郡九重町右田3364

http://www.yatsushika.com

天領日田の良質な水で仕込んだ、こだわりの日本酒:薫長酒造/大分県

江戸時代の元禄15年に建てられた酒蔵を含め、5棟の蔵すべてが建築当時の姿を残す日本でも珍しい酒蔵群をもつ「薫長(くんちょう)酒造」。
日本酒の歴史や製法を学べる「薫長酒造酒蔵資料館」、カフェ&ギャラリーなどがあり、さまざまな角度から酒蔵の魅力を感じることができます。加熱処理を一切行わずに原酒のままボトリングした「生にごり酒」や日本酒、焼酎、甘酒に加え、最高級の大吟醸酒が染み込む「酒蔵の吟醸ケーキ」など商品展開もバラエティ豊か。蔵前にある「KOGURA」では大吟醸の酒粕を贅沢に練りこんだ天然酵母パンなども食べられます。
毎年人気の蔵開きは2月。角打ちBARや露店が出店するほか、蔵開き限定酒の直詰め、袋搾りプレミアム限定酒が販売されます。子どもが喜ぶ積木コーナーもあり、ファミリーでも酒蔵開きを楽しめます。
薫長酒造

大分県日田市豆田町6-31

http://www.kuncho.com

8つの酒蔵が集結する、九州最大規模の日本酒祭り:城島酒蔵びらき/福岡県

兵庫の灘、京都の伏見、広島の西条と名を連ねる酒処として有名な久留米市城島町。筑後川の豊かな水、美しい大粒の筑後米、豊満な香りの日田杉で仕込む日本酒は多くの酒通を魅了しています。
2月に開催される「城島酒蔵びらき」は、旭菊、池亀、筑紫の誉、花の露、比翼鶴、萬年亀、瑞穂錦、杜の蔵の8つの酒蔵が一堂に会する九州最大の早春酒蔵びらきです。
メイン会場は、城島のランドマークである「町民の森」。行列必至の「城島の酒飲みくらべ」や「角打ちコーナー」で各酒蔵の個性豊かな日本酒を味わいましょう。地元の野菜と城島の酒で作った「元気鍋」も酒のお供に最適。会場のステージでは各種イベントも開催されます。
期間中は、比翼鶴を除く7つの酒蔵が開放。各酒蔵へは無料シャトルバスが運行されています。
城島町民の森

久留米市城島町楢津764

http://nanbu-shoko.jp/sakagura/

創業100余年、博多唯一の造り酒屋:石蔵酒造 博多百年蔵/福岡県

博多駅からバスで約10分。博多の街に唯一現存する酒蔵として、博多っ子に愛され続ける「石蔵酒造 博多百年蔵」。
黒田家の播州播磨(現在の姫路)時代からの御用商人だった「石蔵屋」の第2酒造場として、明治3年に建造されました。白壁土蔵造りの酒蔵は、国の登録有形文化財に指定されています。平成27年には、4棟目となる新しい醸造場「白壁蔵」も竣工しました。蔵に併設する直売所では、試飲・商品の購入も可能です。
2月の酒蔵開きでは、300円で日本酒の飲み比べが楽しめます。しぼりたての新酒や、看板商品の「純米大吟醸 百年蔵」、女性に好評の食前酒「スパークリング清酒あわゆら」など8種類がお目見え。会場では、寒い季節に嬉しいおでん、牛すじ煮込み、から揚げ、天ぷら蒲鉾などあったかグルメも味わえます。500個限定販売される「博多百年蔵オリジナル枡」もお見逃しなく。
石蔵酒造 博多百年蔵

福岡県福岡市博多区堅粕1-30-1

https://www.ishikura-shuzou.co.jp/news/event/

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