西洋の大航海時代、羅針盤は天草に向けられていた。海流がそうさせた。南蛮文化が華開いた地・天草〜島原一帯の光と影がこの旅から浮かび上がる。
南蛮文化の一つとして花開いたキリシタン信仰とその弾圧の歴史の中でも最大の「島原・天草の乱」の“主人公”とされる天草四郎の生い立ち、戦い、討ち死にまでを、伝説と史実のルートに従って辿る。
四郎が育ったとされる天草大矢野島、沖に浮かぶ談合島は天草と島原の信者が集まって“談合”したところから湯島の別名となっている。四郎軍が旗上げして本渡へ向かった道、行く手を遮る本渡城。城跡に残る関連の史蹟や資料館。十字の墓標のあるキリシタンの墓‥‥波静かな天草の海に囲まれた島の中での戦いは想像を超える異次元の世界。
舞台は、本渡市から富岡城、さらに島原半島・原城へ移り、クライマックスを迎える。(道中、通してのベテランの案内人が欲しいところだが)行く先々でのガイド役には事欠かない。
歴史は遠くなったというが、近世のことである。重税による当時の島民の生活苦。殉教戦というよりも農民一揆という説も肯定できる。後の物語「鈴木代官」の一連の善政にもつながる。
旅の最後のしめくくりは長崎で。心のほてりを鎮めるのによい。
熊本空港~(140分・バス)又は熊本駅~(90分・バス)上天草市~(80分・バス)天草市~(50分・バス)下田温泉
下田温泉~(20分・タクシー)苓北町~(タクシー30分)鬼池~(30分・フェリー)口之津~(30分・バス)南島原市~(45分・バス)島原市~(50分・バス)雲仙温泉
雲仙温泉~(110分・バス)長崎駅~(90分・バス)外海~(90分・バス)長崎駅~(50分・バス)長崎空港