春は、日本列島の中でどこよりも早く九州に訪れます。
お正月前には指宿ではグリーンピースやそら豆の収穫に大忙しです。菜の花の黄色い世界、阿蘇の野焼きが赤い世界をつくります。
焼酎の蔵元が仕込みに精を出す頃、早くも2月には九州各地で「ひな祭り」が始まります。あち、こちのまちが、緋の色に染まります。
代表的なのは上記の十二のまちです。いずれも旧街道沿いの由緒深いまちや歴史ある城下町ばかりです。
皆さんに楽しんで頂こうと町並みや店先に飾られたおヒマサマ・中には名家、旧家の江戸時代から伝わる貴重な家宝もあります。
長い歴史の襞や時代の営みをまとった文化遺産です。お国ぶりが、おヒナぶりに現れています。
店先で甘酒を頂きながら、土地の人とのおしゃべりも弾みます。
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ひな祭りの起源はいろいろありますが、平安時代宮廷の子どもや女性たちが紙でつくった人形(ひいな)で遊んでいたのが発展した、或いは魔除け厄払いの人形が、今のようにきらびやかになっていったなど定かではありませんが、女の子の誕生を祝い、健やかな成長を祈る祭りであることに変りはありません。
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心ウキウキとおこし下さい。
そして華やいだ気持ちをお持ち帰り下さい。
出水(いずみ)の鶴がすっかり姿を消す頃、「ヒナ祭り」も終ります。
もうサクラ前線が、そこまで来ています。桜の便りが待たれます。