霧島六社権現の一つで、ニニギノミコトを主神とし、相殿にコノハナサクヤヒメ、ヒコホホデミノミコト、トヨタマヒメ、ウガヤフキアエズノミコトほかを祀っている。霧島のたび重なる噴火で炎上、再建を繰り返した後、現在の場所に1715(正徳五年)第21代藩主島津吉貴公により造営寄進された。社内には樹齢七百年の老杉が生い茂り、神代の気高さを今に伝えている。朱塗りのあでやかな社殿、美しい神社は西の日光とも称せられる。
高千穂峰の麓にある御池を一望できる高台にある神社。ニニギノミコトが地上に降りた際に初めて祖先の神々を祀った所と伝えられ、高千穂峰山頂にある「天の逆鉾」はご神宝として崇められている。毎年12月には不浄を祓うため、真剣を使って舞う祓川(はらいがわ)神楽が奉納される。
ウガヤフキアエズノミコトの誕生地と伝えられ縁結びや安産の神としても知られている。トヨタマヒメが我が子ウガヤフキアエズを思って残したとされるお乳岩や、海から乗ってきた亀がそのまま岩になったとされる亀石がある。
ニニギノミコトの妃のコノハナサクヤヒメを祀る縁結び安産の神として知られる神社。続日本後記に「承和4年(837年)日向国子湯郡妻預官社」と記されており古い歴史を持つ。かつては国府が置かれ、鎌倉時代に入ると、日向国四式内社の中では最も多く社領を持つようになった。近くには西都原古墳群がある。
国産みで知られるイザナキ・イザナミの両神を祀る神社。付近には黄泉の国に行って汚れたイザナキが身を清めたとされる「みそぎ池」(御池)がある。イザナキはここでみそぎをし、天照大神(アマテラスオオミカミ)、月読命(ツクヨミノミコト)、須佐之男命(スサノヲノミコト)ほか30柱もの神々を生んだとされる。夏はスイレンの花が咲き、市民の憩いの場となっている。
川を隔てて祭壇の正面が御神体の石窟であると神主は教えてくれる。恭しく拝礼の後、石窟のあるらしい場所をうかがうが、樹木に覆われて何も見えない。西本宮から岩戸川沿いに少し歩くと「天安河原」があり、西本宮参道脇には勾玉など古代高千穂地方の貴重な資料を展示した「徴古館」がある。