ハイヤの発祥の地はさだかでないが、民謡研究家・町田佳声の説によると、熊本、天草の牛深が発祥の地とされる。ハイヤ節ほど、全国に伝播したものはないと言われている。 牛深から、北前船で、平戸へ、呼子へ、そして佐渡おけさ、津軽アイヤ、さらに阿波踊りへと、熱狂のリズムと踊りが伝わった。ハイヤを辿って港、港を訪れ、ハイヤを愛でる旅は、民謡、民俗研究の旅でもある。強行軍の旅だが、ハイヤのあるところ素晴らしい人間との出会いと酒がある。 先に述べた全国ハイヤ地図の一つひとつを訪ねたいところだが、この旅では九州のハイヤの地をゆっくり訪ね、その雰囲気にひたる。 それぞれのハイヤが微妙に違っているのが判る。身ぶり、手ぶり、足ぶりが、少しずつ異なる。 だが、歌の調子のカン高さ、ビートの激しさの基本は同じだ。 どの地も、ルーツは自分のところと主張しているが勿論決め手はない。町田佳声氏のお墨付きも、牛深でのリップサービスかも知れない。 ハイヤを通じていえることは、対馬海流のおかげで海の交流、交通が入り乱れるほど激しかったということ。 泊地では、「ハイヤ特別出前」を頼むと実演が楽しめる。 今も、漁業の出船入船が多い漁港に立って、潮騒の音に、かつての華やぎを想像するとよい。 旅は、或る意味では心象風景の増幅である。
鹿児島空港~(60分・バス)鹿児島中央~(50分・JR)川内~(40分・おれんじ鉄道)阿久根~(約60分・バス)蔵之元~(30分・フェリー)牛深
牛深港~(88分・バス)本渡~(60分・バス)富岡~(45分・ジェットフォイル)長崎~(90分・JR+10分・西九州新幹線)佐世保~(80分・バス)平戸
平戸~(80分・松浦鉄道+15分・バス)伊万里~(50分・JR)唐津~(30分・バス)呼子~(30分・バス)唐津~(30分・地下鉄+60分・JR)博多~(7分・地下鉄)福岡空港