秀れた日本建築といえばすぐ法隆寺や宇治平等院、九州では富貴寺がすぐ思い浮かぶ。いずれも端正である。見ていて飽きない。では西洋建築では・・・辰野金吾設計による建築物がある。
辰野金吾氏の建物を中心に、北九州ゾーン(福岡0佐賀)の明治の洋館とゆかりの物語を綴ってみた。
唐津市(裏坊主町界隈)生まれ。近代日本建築界の父・辰野金吾は東京駅、日本銀行本店の設計で知られる。
九州でも彼の手掛けた設計によるものは多い。現存のものは旧松本健次郎邸、百三十銀行八幡支店、福岡市赤煉瓦文化館(現・福岡市文学館)、百三十銀行行橋支店、二十三銀行大分支店(大分銀行赤レンガ館)、武雄温泉楼門などが保存されている。いずれも品格がある。設計者の人格だろう。ただ一つ異風なのは武雄の温泉のシンボルの楼門は、彼の設計とは異った雰囲気だ。
「辰野先生遊び心があるなあ」と感心する。
ところで、唐津市に耐恒寮(英才教育の英学寮)が今の唐津東高校あたりにあった。
若き高橋是清が東京から招かれた。生徒に辰野金吾がいた。大酒呑みの高橋先生と辰野生徒は仲がよかった 。こんなエピソードを現地できくと「楼門」に青春時代の思いを託した辰野先生の人間味が偲ばれる。
建築物とそれをとりまく人々の歴史が、一つの建物から知ることが出来る。
北九州空港~(20分・バス+20分・JR)北九州市~(10分・バス+20分・山陽新幹線)福岡市~(15分・地下鉄+20分・JR)~唐津市
唐津市~(100分・JR)武雄市
武雄温泉~(20分・JR)久保田~(20分・JR)多久市~(40分・JR)佐賀市~ (40分・バス)佐賀空港 又は(45分・JR)博多駅~(10分・地下鉄)福岡空港