九州は石橋の宝庫である。装飾古墳、石仏、磨崖仏、石橋‥‥これらは石の文化と称されて九州を代表する景観にもなっている。
その一つ、石橋は、熊本県の緑川流域一体に集中している。日本一の霊台橋、水を運ぶ通潤橋などがその代表例だ。
石橋を作る技術集団が熊本の種山(現・八代市東陽町)にいた。名工・橋本勘五郎が名高い。その肥後の名工は遠く東京に呼ばれ、浅草橋、万世橋などを手がけた。一族の墓は八代市東陽町に眠る。緑川一体は「石橋街道」と称されるほど大小さまざまな石橋が残されている。
一方、大分県の宇佐市院内エリアでは、現存する石橋74基(江戸時代の終りから昭和初期)の数量を誇る。この地域でも名工・松田新之助の存在は大きい。
出来ることなら、両県をツアーの行程に、取り入れたいと欲張った結果、強引なスケジュールになったがテーマを絞ることで、学びの密度は高くなる。
少々の疲れも知的好奇心の満足の前には吹っ飛んでしまう。
熊本緑川流域は江戸時代の質・量を誇る。宇佐市は明治・大正・昭和の質・量を誇る。片や堅牢素朴な力感、一方は洗練された優美さが漂う。アーチの数が多いのも特色だ。技術が発達してきているからだ。
では、現代、石を材料として石橋が作れるのか?殆ど不可能に近いという。何故なら技術者・職人がいないという。匠の技術の伝承者が、加齢により少しずつ減っている。石橋づくりのみではない。宮大工、木造建設、お城の築城の古くからの技術保持者が少なくなっている。
いま残っている石橋は、貴重な歴史遺産であることが理解出来る。
阿蘇くまもと空港(約50分・タクシー)~八代市~(50分・タクシー)美里町~(40分・タクシー)山都町
山都lllJ~(110分・バス)熊本駅~(約50分・JR)久留米駅~(約120分・JR)由布院駅
由布院温泉~(70分・タクシー)宇佐市~(5分・タクシー)宇佐市~(60分・タクシー)大分空港