民陶として古くから名の通ったものに、小石原と小鹿田がある。
小鹿田焼はバーナードリーチが絶賛し、暫く住みついた日本の民陶である。祖は小石原窯で、どちらも飛びカンナの技法で素朴な味わいを誇っている。どちらも窯の里の風景が、こよなく良い。
土をつく唐臼が谷川にかかり、ゴットン、ゴットン、ゴットンと土を砕く。日本の残したい音100選に選ばれている。藁葺きの屋根の中、日本の山里の懐かしい趣が広がる。
小石原を“兄”としている小鹿田の窯元は、長子相伝と聞いた。長男に後を継がせる。
数軒の窯元がしっかりと伝統を守って業をしている。大型バスは通れない昔ながらの山峡の、いい里に人懐っこい笑顔が迎えてくれる。小石原の国道筋は焼物の店のオンパレード。国道筋から少し外れた山つきの谷の集落がおすすめだ。天皇が皇太子時代に訪ねられた山一窯(梶原藤徳)を中心にして、昔ながらの風情の中で十軒ほどの窯元がいそしんでいる。大きな登り窯も残る。
どこも家内工業で、庭先に、縁側に、奥の座敷に焼物が並べられている。座敷に座りこんで周りの手づくりの民窯の品々を見るだけでも心が癒される。余談だが、コースにNo.
45にとりあげた柳原白蓮ゆかりの宝珠山の「いぶき館」も車で20分とはかからない。
民陶といえるかどうか異論の出るところだが、伝統の白石焼、武雄古唐津焼を加えた焼きものの町、有田の町並みは見事だ。その中にある九州陶磁文化館では焼物の全体的な系譜が学べる。
福岡空港~(約120分・バス)小石原~(約50分・バス)杷木~(約30分・バス)日田~(約30分タクシー)小鹿田焼~(30分・タクシー)日田温泉
日田~(約20分・特急)吉井町~(約35分・JR)久留米~(約40分・JR)荒尾
武雄温泉(5分・タクシー)武雄市~(約25分・JR)有田町~(約40分・JR)佐賀~(約40分・バス)佐賀空港又は(約30分・JR+15分・西九州新幹線)大村駅~(10分・タクシー)長崎空港