関門海峡は、瀬戸内海と日本海を結ぶ海上交通の要衝で、一日700隻余りの船が行き交う。汽笛の音と潮の音が重なり合い、海峡の音を成す。関門橋の幅は700mと狭く、その間を行き交う潮流は、早いところで時速16Kmにもなるそうだ。関門海峡は源平合戦など歴史の舞台として多く登場する。当時は潮騒に混じり、どのような音がしていたのだろうか。
760年ほど前に宋に渡った博多商人が伝えたことから始まる工芸品。平織の博多織は、絞め心地がよく「キュッキュッ」という絹鳴りは品質のよい博多織の代名詞ともいわれている。 トーン,トントントンという博多織の音は、博多の歴史と伝統を今に伝えている。博多町家ふるさと館では博多織の実演を見ることができる。
天智天皇の創建と伝えられる観世音寺。その梵鐘は日本最古の鐘と言われ、国宝に指定されている。菅原道真の詩句にもうたわれた鐘の音は、毎年大晦日に心を鎮める荘厳な鐘の音があたりに響き渡る。
唐津くんちは16世紀末に始まった唐津の伝統行事。曳き山14台が登場する「曳込み」が最大の見もので、鉦、笛、太鼓の音に加え、ヤマ毎に異なるお囃子が祭りを盛り上げる。曳山囃子には「道ばやし」「せりばやし」「たてやまばやし」がある。
楠、少々の風では「ザワッ」ともしない。やや強い風に、やっと葉ずれの音がしてくる。やや重たい、気持ちが落着くような、音が降ってくる。 春、4月(秋ではない)葉は世代交代をする。その時の音が、またいい。枯れ葉が触れあって、カラカラと硬質の音がする。葉が一枚、一枚クルクルと舞って落ちてくる。その後に5月初旬、新しい若葉が緑の炎のように萌える。楠若葉といい、季語にもなっている。 生命の象徴だ。山王神社の楠は、原爆を乗りこえて、なお繁り続ける。日本の姿をそこに見る。
天草の五和の海は野生のイルカの生息地。沖合いに出ると船から珍しいイルカの鳴き声を聞くことができる。人懐っこい性格なので、船についてくることもしばしば。愛らしいイルカはこの地域には欠かせない海の友達だ。