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世界遺産に認定された五島列島の潜伏キリシタンの歴史をたどる

長崎県には約130もの教会があり、そのうち50あまりが五島列島にあります。五島列島には江戸時代の禁教令下にキリシタンが移り住み、信仰を守ってきた歴史があります。現在でも人口の1~2割がカトリック信徒と言われています。
そんな五島列島の世界遺産に認定されている教会や認定されていない教会も含めていろいろな教会堂を巡りました。

堂崎天主堂(福江島)

キリスト教禁教令廃止以降の、1908(明治41年)に完成した、五島列島で最初に建てられた福江島を代表する天主堂。
ゴシック調のレンガ造りで、内部に資料館になっていて、潜伏キリシタンの受難の歴史が展示されています。
敷地内の入口で入場料金を支払う窓口があります。
堂崎教会堂

長崎県五島市奥浦町2015

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浜脇教会(久賀島)

1931(昭和6)年に五島列島で最初の鉄筋コンクリートとして完成した教会堂。高台にそびえ、白を基調とした美しい教会堂。
洋上からもその美しい姿を見ることができます。
※現在は修復中のため、内観を見ることができず。
浜脇教会堂

長崎県五島市田ノ浦263

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牢屋の窄の殉教記念教会堂(久賀島)

窄(さく)とは、地形のこと。禁教下の1868年に、12畳の牢屋にカトリック教徒200余名が捕えられ、39名が殉教。(出牢後さらに3名。)畳1枚あたり17名相当という狭さで、排泄もその場で、死体も放置されるという筆舌できない惨状の中、多くは8ヶ月間もこの状況を耐え忍ぶ。この殉教の場所に建てられているのが現在の「牢屋の窄殉教記念教会」で、内部には床のじゅうたんが色分けされ当時の牢の広さが一目でわかるようになっており、殉教者の苦しみが想像できるようになっている。そばには、「信仰の碑」が建てられていて、殉教した一人ひとりの年齢と名を刻んである。また内部には迫害を受けた人々の遺骨が子孫の手で納められている。
牢屋の窄殉教記念聖堂

長崎県五島市久賀町大開

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旧五輪教会(久賀島)

車一台がギリギリ通れる狭い山道を通り、最後は歩いて10分くらいかかる孤島中の孤島。現在は2家族が教会守をしている。
1881(明治14)年建立の旧浜脇教会堂が1931(昭和6)年の建替えのとき、解体予定だったが、「五輪の地に教会を」との五輪地区の信徒らの熱い望みにより移築した教会堂。神父が信徒の方を向く現在の造りではなく、神父も神の方を向くような造りになっている。
旧五輪教会堂

長崎県五島市久賀島

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江上教会(奈留島)

1918(大正7)年に完成した木造の教会堂。資金難のため、柱の模様や窓枠に描かれている花は手書きとなっている。そのため、風化に弱く現在は触れることは禁止されている。壁には当時の落書きも残っている。
奈留島は、潜伏キリシタンがいた地域とそうでない地域が分かれていたため、島全体でなく、島の一部である江島集落だけが世界文化遺産として認定されている。
江上教会堂

長崎県五島市奈留町江上

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キリシタン洞窟、針のメンド(若松島)

キリシタン洞窟
明治初期に迫害を逃れるために、船でしか行けない険しい断崖に逃げ込んだが、調理中の煙が通りがかりの船見つかってしまい捕縛され拷問を受けた。洞窟と言っても、行き止まりではなく出口と入口がある。キリスト像は、1967(昭和42)年に設けられ約3mのほどある。
針のメンド(穴の位)は、洞窟の少し先にあり、[聖母が幼子を抱く姿]に見えるとも。
若松島キリシタン洞窟

長崎県南松浦郡新上五島町土井ノ浦(船のみ巡礼可能)

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針のメンド

頭ヶ島天主堂(頭ヶ島)

1919(大正8)年、鉄川与助の設計施工で建てられた石造りの天主堂で、中はツバキが描かれておりその華やかな内観から、"花の御堂"の異名を持つ。
見学のための直接乗り入れが禁止されており、専用のバスでしか行けないように整備されている。近くの廃空港から1時間に1本程度のピストン輸送。
頭ヶ島天主堂

長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638

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教会巡りで・・・

今回学んだ言葉の定義から。
・天主堂 伝来後から昭和前までの呼称で、祈りをする建物自体を指す。
・教会堂 昭和以降に誕生した言葉で、祈りをする建物自体を指す。
・教会 教会堂も含めお祈りをする共同体。
・潜伏キリシタン 1614年~1873年の禁教令下でキリスト教が弾圧されていたので隠れて信仰していた人々。
・隠れキリシタン 1874年以降もカトリック(表舞台)に戻らず、潜伏キリシタン時代の信仰を続けている人々。

教会堂の見学について

教会の見学は基本的には事前連絡が必要です。
教会は信者の皆さんにとって大切な祈りの場であって観光施設ではありません。 訪問される際には教会でのマナーをよく守り、お互いが気持ちよく過ごせるように心がけましょう。
事前予約の詳しい情報はこちらから

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