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豪雨災害から1年。復旧・復興を続ける人吉温泉のイマをご紹介!

令和2年7月豪雨により球磨川やその支流で氾濫が生じ、甚大な被害が発生した人吉球磨地域。多くの宿泊客を受け入れる人吉温泉の旅館・ホテルも川沿いのエリアを中心に甚大な被害を受け、営業再開まで最大2年程度を要する施設もある状態です。そんな人吉球磨地域ではありますが、1年余の月日が立ち、少しずつではありますが復興が進み、観光客を受け入れる体制が整ってきています。今回、以前の状態に戻すだけではなく、「球磨川流域を核とした新たな地域ブランド」「誰もが安心して楽しめる観光地域づくり」を目指して取り組みを続けている人吉球磨地域のイマをご紹介させて頂きます。ちなみに、この人吉城跡の画像をスマホアプリ「SATCH X」で読み込んで頂くとARで花火を観ることが出来ます。

令和2年7月豪雨について

令和2年7月豪雨の際の九日町(人吉温泉周辺)の様子(※写真提供:一般社団法人人吉温泉観光協会)
令和2年7月豪雨では、球磨川やその支流で氾濫が生じ、多くの尊い人命が失われたほか、建物・橋梁の破壊や流失、浸水による甚大な被害が発生しました。地域を代表する国宝青井阿蘇神社、球磨川くだり、球磨焼酎蔵などの名だたる観光資源や、SLをはじめとした観光列車が走るJR肥薩線、くま川鉄道、国道219号等の交通インフラも大きく被災しました。
多くの宿泊客を受け入れる人吉温泉の旅館・ホテルも川沿いのエリアを中心に甚大な被害を受け、営業再開まで最大で2年程度を要する施設もあります。
そんな人吉温泉ですが、1年余の月日が経ち少しずつですが復旧・復興が進んできています。

人吉球磨地域の復旧・復興について

コンテナ毎に店舗が入り、それぞれに趣向を凝らした料理を提供中。
災害から1年が経った今でも、中心部の飲食店なども復旧が続いており、被災店舗の復興の為に「人吉復興コンテナマルシェ」や人吉復興商店街「モゾカタウン」などが設けられ、各店舗が店舗復旧までの期間の営業を続けています。写真は、肥後銀行 人吉支店東側に設置されている「人吉復興コンテナマルシェ」。コンテナを加工して作ったオシャレな店舗が8店舗立ち並び、屋外の開放的な環境での飲食を楽しめます。ランチにピッタリのお店もあれば、お酒のおつまみが豊富なお店もあり、いつ行っても楽しめます。
人吉復興コンテナマルシェ

熊本県人吉市紺屋町36-6

https://containerhitoyoshi.wixsite.com/home

人吉復興のシンボル「HASSENBA」がOPEN

和と洋が見事に融合したHASSENBAの外観。目の前に球磨川を望み、川を眺めながらゆっくりとした時間を過ごすことが出来る
人吉の中心部を流れる球磨川の代表的な体験が「球磨川くだり」。100年以上の歴史があるとされ、船上からは人吉城跡や四季折々で表情を変える美しい山々を楽しむ事が出来ます。そんな球磨川くだりの発船場が新たな複合施設「HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA」として生まれ変わりました。
HITO × KUMA STOREには熊本県南地域のオシャレなお土産が沢山!
施設内にはこれまで通り球磨川くだりやラフティング受付の他、熊本初上陸の「九州パンケーキカフェ」や熊本県南地域の物産品を扱う「HITO × KUMA STORE」、人吉市内をe-bikeで周遊する「人吉はっけんサイクリングツアー」、2階には球磨川と人吉城址の素晴らしい借景を望む開放的なテラスを備えたBar、JR九州の豪華列車「ななつ星in 九州」などを手掛けたデザイナー水戸岡鋭治氏デザインのミーティングルームなどが揃い、人吉球磨観光の拠点とも言える場所です。
オシャレな雰囲気の九州パンケーキカフェ
九州パンケーキカフェにはテラス席も併設し、HASSENBA前に広がる球磨川・人吉城址跡などの景色を楽しむ事が。
九州産の小麦や雑穀にこだわり、乳化剤・香料・加工澱粉などは一切使用していない「九州パンケーキ」
ふわふわというよりも、もちもちの食感が人気の「九州パンケーキ」をはじめ、ガレットやグリーンカレー、塩こうじのから揚げ等、メニューも豊富です。
HASSENBAでは人吉の復興への歩みを見て、聞いて、肌で感じる「人吉はっけんサイクリングツアー」もスタート。車で走ると気が付かない街の風景も、自転車でゆっくり走ると色々と見えてきます。コースは「人吉発船場~人吉城跡~青井阿蘇神社~人吉駅~鍛冶屋町通り~人吉発船場」の約4.5km。3時間のサイクリングツアーをお楽しみ下さい。

人吉はっけんサイクリングツアー
集合場所:球磨川くだり人吉発船場
行程:人吉発船場~人吉城跡~青井阿蘇神社~人吉駅~鍛冶屋町通り~人吉発船場
走行距離:約4.5km
所要時間:約3時間
ツアー開始時間:13:00
*開始20分前までご集合いただき、ツアー参加同意書へのご記入をお願い致します。
ツアー終了時間:16:00
利用年齢:小学5年生~60歳くらい
料金:8,000円(保険料・諸経費込み)
https://hassenba.jp/cyclingtour#gallery

HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA

熊本県人吉市下新町333-1

https://hassenba.jp/

今しかできない期間限定のアクティビティ「くま川鉄道レールサイクル」

令和2年7月豪雨の影響を受け、列車が運休となってしまっているくま川鉄道。そんなくま川鉄道の一部を活用することで、九州初のアクティビティとして販売を開始したのがレールサイクル「くまチャリ」。2名〜4名まで乗車が可能で、くま川鉄道の全線復旧までの期間限定の体験です。
線路の上を自転車で走ったことがあることは少ないのでは?と思いますが、線路に沿って道が開けており、「気持ちいい」こと間違いなしです。秋は紅葉のトンネルの中を自転車で走ることも。コースは十島菅原神社付近の十島菅原第一踏切から相良藩願成寺(さがらはんがんじょうじ)駅手前の願成寺踏切までの往復約3.4キロで、所要時間はおよそ30分。森のトンネルを抜け、球磨川に臨む風光明媚なコースで、走りやすいコースの上、自転車は電動アシストが備わっているので、体力に自信がない方でも安心です。

くま川鉄道レールサイクル「くまチャリ」
住所:熊本県人吉市中青井町265番地(本社)
運行日時:土・日・祝日の1日6便
※令和3年は11月23日まで運行、12~2月は休止予定。令和4年3月再開の予定です。
運行時間:9時・10時・11時・13時・14時・15時(※各3台ずつの運行)
料金: 4,000円(2名乗車)~5,000円(4名乗車)※税込価格
※2人乗車(基本) 最大4名まで必ず2人1組でのご乗車となります。1名乗車不可
最大4名まで乗車できます。1人追加500円です。
※レールサイクルの予約は以下より
https://select-type.com/rsv/?id=M1PZZRVrzQc&c_id=155875&w_flg=1
問合せ:お問合せくま川鉄道株式会社 レールサイクル担当
午前9時~15時 080-5727-7502(専用携帯)

くま川鉄道レールサイクル

熊本県人吉市中青井町265番地(本社)

https://www.kumagawa-rail.com/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB/

球磨焼酎を知り、味わう。人吉球磨でしか出来ない体験が満載の「球磨焼酎蔵ツーリズム」

ガラ・チョクで飲む球磨焼酎は格別!ガラとは写真のような白磁の酒器で、沖縄のカラカラに似ていますが、それとは違い、そこの部分が素焼きになっていて、直接火にかけられるようになっています。古来、球磨焼酎は45度の原酒を3割ほど和水して35度程度にし、炭火で燗をつけ飲むのが一般的でした。高い度数だからチビチビ飲めるようにチョク(猪口)はとても小さく10mlほどが入るサイズになっています。
米のみを原料として人吉球磨の自然豊かな地下水で仕込んだもろみを蒸留する焼酎を「球磨焼酎」と呼びます。この「球磨焼酎」の名は、ウィスキーのスコッチやブランデーのコニャック、ワインのボルドーなどのブランドと同様に、世界貿易機構(WTO)により、地理的表示の産地指定を受け、国際的なトップブランドです。それぞれの蔵で球磨焼酎がこだわりの製法で作られており、人吉球磨地域に訪れるからこそ感じることが出来る球磨焼酎の魅力を知ってもらおうと、蔵元ごとに様々な体験プランが用意されています。
体験は大きく分けると以下の4つ。
1.飲み比べ体験 飲み比べ体験では、球磨焼酎の4つのタイプ、フレーバータイプ、ライトタイプ、リッチタイプ、キャラクタータイプや、熟成方法・年数によって異なる、バラエティ富んだ味わいの魅力を感じつことが出来ます。
2.蔵元限定体験 本物の樽素材を使った熟成体験、球磨焼酎の伝統的な酒器ガラ・チョクでの昔ながらの球磨焼酎の飲み方、マイブレンド体験、オリジナルラベル作りなど、蔵元ごとの特徴を活かした様々な体験を楽しめます。
3.楽しみ方講座 蔵元直々に、球磨焼酎の歴史・文化、熟成酒の味わい方、それぞれの蔵元の焼酎の特徴などをレクチャーする、様々な楽しみ方講座。
4.仕込み体験 1年の中でも限られた期間、少人数限定で受け付ける特別プラン。昔ながらの手作りの伝統を守っている球磨焼酎の仕込みを実際に体験出来ます。
どの体験も、人吉球磨の焼酎の歴史をや文化に触れるものばかり。人吉球磨地方でしか体験することが出来ない蔵ツーリズムを是非ともお楽しみ下さい。

球磨焼酎蔵ツーリズム協議会(事務局)
住所:熊本県人吉市新町15
電話番号:0966-22-2374
営業時間:月〜金10:00 - 17:00、土・日10:00 - 17:00

球磨焼酎蔵ツーリズム

熊本県人吉市新町15

https://kumashouchu-tourism.com/

創業120年目の老舗がリニューアルOPEN「緑屋本店 発酵カフェ」

120年目を迎える人吉の中心部に佇む老舗の味噌醤油蔵「緑屋本店」がリニューアルOPEN。四代にわたり受け継がれてきた製造法を基礎に、九州醤油独特のコクと深い味わいを実現しています。
スタイリッシュな店内には自社製造のお醤油や味噌などがズラリ。
新しい取り組みとしてカフェがオープンしており、店内でみそ、しょうゆを使った最中アイス、甘酒を楽しむことができます。
一番人気!で、個人的にも人吉に行ったら必ず購入するのがコクのあるのが「うまくち」しょうゆ。さしみや豆腐などのつけ・かけしょうゆとしてはもちろん、煮物や煮付けなど何にでも合いますし、冷奴に最高に合う醤油です。

人吉の百年蔵「緑屋本店」
住所:熊本県人吉市紺屋町44
電話:0966-24-8777(店舗)
営業時間:9:00~17:30
定休日:日曜日、土曜日(※第3・5土曜は営業)
HP:http://www.midoriya-honten.co.jp/main.html

緑屋本店

熊本県人吉市紺屋町44

http://www.midoriya-honten.co.jp/main.html

ワーケーションに絶好のスポット「osoto Hitoyoshi」

osoto Hitoyoshiは、コワーキングスペース、イベントスペース等として有料会員制でスノーピークビジネスソリューションズが提唱する「osoto」のノウハウを活かし、新しいワークスタイルが体感できる場です。また、自然と社員がワクワク・イキイキ仕事に取り組み、企業同士やフリーランスの方々が交流し、仕事が創出され、地域の方々とも気軽に繋がれる場所を目指していきたいと思います。この場を通じ、人・事業・地域間の「コミュニケーション」「コラボレーション」「イノベーション」が自然と創出、促進、発展する未来に向けた地域の拠点を作っていきます。

球磨川を眺めながら快適に仕事をすることができるコワーキングスペースはドロップインでの利用も可能!ワーケーションにもススメです。

osoto Hitoyoshi
住所:〒868-0012 熊本県人吉市相良町4-2  
電話:050-1743-1594
利用料金:3時間500円、6時間800円、1日1,000円
営業時間:土日祝祭日を除く平日9時から18時まで
HP:https://www.osoto.work/

osoto Hitoyoshi

熊本県人吉市相良町4-2

https://www.osoto.work/

「人吉あかりの社会実験2021」は2022年1月31日まで!

2021年2月に実施された青井阿蘇神社のライトアップ。手前の水面に映る風景とともに幻想的な雰囲気に(写真提供:LEM空間工房 長町志穂)
人吉の「夜の魅力づくり」として2021年2月に人吉市内の観光施設や球磨川、橋梁などをライトアップすることで水害で被災した街中に復興のひかりを灯してきた「人吉あかりの社会実験」を受けて策定された人吉市へひかりを活用した街づくり「人吉ひかりの復興計画」。今年度は新たに鍛冶屋町、HASSENNBA、人吉城跡をライトアップすることで、夜のまち歩きを楽しめる取り組みが行われています。人吉ならではのコンテンツを活用した影絵など、人吉でしか見ることが出来ない夜の演出を楽しめます。
温泉御朱印帳なども11月頃にはスタート予定。「夜も楽しい」人吉市街地を散策してみて頂けたらと思います。
 

おわりに

人吉駅弁やまぐちの看板駅弁といえば、何と言っても「栗めし」(1,100円)!昭和40(1965)年発売開始という半世紀以上のロングセラー駅弁は、大きめの栗が栗ご飯の上にゴロゴロっと
実は、私(モリナガ)は人吉市で生まれ、幼少期を過ごしました。小学生の頃も祖父母の家があることもありよく行っていた思い出があります。球磨川沿いを散歩していた記憶が今もかすかに残り、故郷と言える場所でもあります。大人になってからも人吉は大好きな場所に変わりなく、今住んでいる南小国町から2時間以上かかりますが、暇ができたら必ず訪問している場所です。少しづつではあるものの復旧・復興が進んでいる人吉。是非とも訪れて頂けますと幸いです。
写真は、人吉駅弁やまぐちの「栗めし」。人吉の実家で過ごしていて夜ご飯に合わせてご飯を炊き忘れた時などに食べれるご馳走で、炊飯器のコンセントを抜いておいて怒られた記憶が残る一品です。

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