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熊本の農山漁村を「旅する」。地域に触れる、暮らしに触れる農山漁村ツーリズムのススメ〜熊本県南編〜

九州の小京都と呼ばれる人吉。相良700年と言われますが、長い間人吉藩相良氏の城下町として栄え、独自の文化や習俗が育まれました。それらは今も色濃く残り、旅行者を惹きつける魅力の1つになっています。また人吉球磨盆地は、大きな川や支流が多く、秋から春にかけて霧の発生が多いことで知られています。そんな霧の風景は人吉球磨の風物詩ともいえるでしょう。旅行者にとってはこの街をそれがよりいっそう神秘的なものに感じさせてくれるはず。農業においては盆地を貫いて流れる球磨川が作りだした肥沃な土壌の恵を受け、多様な農産物が作られています。また球磨川とその支流川辺川は鮎で知られる川。川漁師の姿を今も見ることが出来ます。
一方八代海に面した芦北・水俣地方は薩摩街道が通り、古くは宿場町として栄えた場所です。ここでは温暖な気候を利用しての柑橘栽培が盛んです。近年は“サラダ玉ねぎ”の栽培も盛んになり、これも特産品になっています。波静かな内海の八代海では、古くから漁業が行われ、海の幸が豊富。白い大きな帆を張った“うたせ船”での網漁は有名です。特産の足赤エビや太刀魚などをはじめ、美味しい魚介をここでは是非味わいたいものです。

熊本県初の国宝指定を受けた400年前の茅葺き屋根の建築物群「青井阿蘇神社」(人吉市)

茅葺き屋根の大きな楼門
地元の人達から青井さんと親しまれているのが「青井阿蘇神社」。2008年に本殿や廊、幣殿、拝殿、楼門などが国宝指定を受け、人吉市内の代表的な観光スポットとして多くの観光客が訪れます。神社前の蓮池から赤い鳥居をくぐると、大きな楼門がそびえ立ち、そして境内の幣殿、拝殿と茅葺き屋根の建物が続きます。急勾配のその茅葺き屋根、そして建物の黒漆塗りに赤漆を併用した技法は独得。壁面等の装飾は人吉球磨地方独自の意匠に桃山時代の華麗な装飾を取り入れたもの。エキゾチックにさえ見えるその景観は訪れる人を魅了します。神社の由緒は大同元年(806年)に阿蘇神社から阿蘇三社の神様を分霊して祀ったことに始まると伝わり、開拓の守護神である阿蘇神社の神々をお祀りすることで人吉球磨地方の安全で速やかな開拓を祈願したのではないかと言われています。
青井阿蘇神社 幣殿
毎年10月、9日間に渡って行われる平安時代から続く例大祭「おくんち祭」は、多くの人で賑わい、人吉球磨地方最大のお祭りとなっています。また境内には五穀を司る「青井稲荷神社」もあり、赤い鳥居が建ち並ぶ光景は最近人気の写真スポットになっているようです。

青井阿蘇神社
所在地:熊本県人吉市上青井町118
電話:0966-22-2274
HP:https://aoisan.jp

青井阿蘇神社

熊本県人吉市上青井町118

https://aoisan.jp

伝統的な和船でゆったり川面から人吉城址を楽しむ「梅花の渡し(HASSENBA)」(人吉市)

梅花の渡し。向こう岸は人吉城址
盆地の中心を貫き流れる球磨川。地域はこの川のもたらす様々な恵みとともに発展してきたと言えるでしょう。そして地域に暮らす人達にとっては心のよりどころでもある大切な川です。人吉市内を滔々と流れた後、急な瀬が連続する様は日本3急流の一つと呼ばれ、その瀬を伝統的な木船に乗って下る“球磨川くだり"は長らく人吉名物として観光客に親しまれてきました。しかし、2020年の豪雨災害によって、現在時点(2022年12月)では、その急瀬を下る「球磨川くだり清流コース」は運休を余儀なくされてます。しかしながら球磨川くだりを運営する「球磨川くだり株式会社」では「梅花の渡し」という遊覧船コースを行っており、球磨川が流れる城下町の情緒をたっぷり感じられるコースになっていますので、是非乗船してみましょう。
船頭が急流下りと同じ和船を漕ぎ、風情ある人吉城の長い石垣を間近で眺めながら付近をゆっくりと散策します。江戸時代にはお城と城下町を繋ぐ橋は1本しかありませんでした。渡船は場内と城下町との必要な交通手段で、辺りにはたくさんの船渡場があったそうです。そんなありし日の風景を想い描きながら船遊びを楽しみましょう。ここでは桜の美しい春、初夏の新緑、紅葉の秋と四季折々の景色を楽しむことが出来ます。冬季の“こたつ船"も味わい深いものです。コースの所要時間は約30分です。
「HASSENBA」内の「九州パンケーキカフェ」
発船場がある場所は川沿いにある人吉城址の長い石垣の対岸あたり。発船場は2021年に被災した地域復興のシンボルとなることを願いつつ、モダンな装いの姿にリニューアルしています。川を眺める雰囲気のいいテラス、そして館内に新しく出来た「九州パンケーキカフェ」も魅力の一つ。“ふわもち"食感の絶品パンケーキを目当てに訪れるのももちろんありでしょう。また電動アシスト自転車でのサイクリングツアーも行っていますよ。

HASSENBA HITOYOSHI/KUMAGAWA
所在地:熊本県人吉市下新町333-1
電話:0966-22-5555
HP:
https://hassenba.jp

HASSENBA HITOYOSHI/KUMAGAWA

熊本県人吉市下新町333-1

https://hassenba.jp

レトロな雰囲気が旅の浪漫をくすぐる宿。美人の湯につかる「芳野旅館」(人吉)

雰囲気素晴らしい老舗旅館。「芳野旅館」
人吉旅行の楽しみの一つは温泉。現在の人吉温泉郷としての歴史は明治43年(1910年)に起源を持ちますが、古い記録には1492年に肥後国南部を統治していた相良家12代相良為続が、湯治の為に立ち寄ったという記述もあるそうです。今では50を越える泉源があり、球磨川沿いを中心に多くの温泉旅館、そして20軒を越える公衆浴場が散在しています。泉質は総じて弱アルカリ性とナトリウム炭酸水素塩泉で泉温は40~50度。“美人の湯"と評判です。
湯は掛け流し、美人の湯を思う存分楽しみたい
市内中心街に程近い上青井町の「芳野旅館」は明治42年(1909年)創業の老舗旅館。国有形文化財に登録された木造建築の旅館は雰囲気たっぷりで旅情をくすぐります。ここは元々相良藩領主相良氏の専属医の屋敷だったそうで、建物は宮大工が手掛け、また庭園は人吉城を手掛けた庭師によるものだそう。
さて宿のお風呂ですが、こちらも美人の湯と言われる人吉温泉特有の弱アルカリ性炭酸水素塩線の掛け流しで、泉温は約55度。無色透明のやわらかい泉質が特徴の湯は、後のしっとり肌が期待できます。また内湯のほか家族風呂もあり、玄関横には石組で作られた雰囲気の良い足湯も用意されています。
地元食材をふんだんにとりいれた「手作り会席」を楽しみ、お風呂に浸かり、旅の疲れをやすめたいものです。宿では日帰り入浴も受け付けています。

芳野旅館
所在地:熊本県人吉市上青井町180
電話:0966-22-2244
HP:http://www.yosino.jp

芳野旅館

熊本県人吉市上青井町180

http://www.yosino.jp

人吉球磨の歴史と文化に触れ、学び、そして体験してみる「道の駅人吉 クラフトパーク石野公園」(人吉市)

場内の高さ25mの展望所より見下ろす物産館や各種体験施設の建物群のエリア
広大な緑いっぱいの敷地の中に、人吉球磨の伝統工芸品や人間国宝の作品など時季に応じて展示する「伝統文化工芸館」、そして「民工芸館」「鍛冶館」「木工館」「陶芸館」、革細工やシルバーリング製作を行う「導遊館」など工芸体験が出来る建物が散在。加えて人吉ならではの民芸品や焼酎などのお土産品を物色するのに最適な「物産館」、そして茶屋や喫茶店などもあります。場内には他に設備の整ったキャンプ場や広場などもあり、アウトドア派の人にも人気のスポットとなっています。またキャンプ場近くの水辺には「カマノクド」というかつて火砕流で出来た溶結凝灰岩が、水の流れで浸食され出来たおもしろい造形を見ることが出来ます。ここではスポーツタイプの電動自転車をレンタルすることも出来ますので、付近を散策してまわるのもよいでしょう。
最後に目を入れて大の字を入れたら完成。“きじ馬絵付け体験”
さてせっかく訪れた人吉球磨、民工芸館で地元の伝統的民芸品“きじ馬"や“花手箱"の絵付けに挑戦してみるのはいかがですか。事前に用意されているきじ馬に絵付けを行い、おおむね30分ほどで完成。出来上がった作品はきっと後に良い旅の思い出になることでしょう。

道の駅 人吉クラフトパーク石野公園
所在地:熊本県人吉市 赤池原町1425-1
電話:0966-22-6700
HP:https://h-craftpark.com

道の駅 人吉クラフトパーク石野公園

熊本県人吉市 赤池原町1425-1

https://h-craftpark.com

桃に梨にイチゴにメロン!フルーツ目当てで訪れたい「道の駅 錦」(錦町)

地元の人も多く利用する「道の駅 錦」
錦町は“剣豪とフルーツの町"と言われ、桃、梨、イチゴ、メロン、そしてブドウにキウイと様々なフルーツが栽培され、「道の駅錦」内の農産物直売所「くらんど市」には特産のフルーツが並びます。館長さんにお聞きしたところによると周辺の山側は扇状地であることから、水はけが良く、フルーツの栽培に向いているそうです。また球磨川周辺の土壌はお米、野菜、根野菜の栽培に向いているそうで、ニンニクも特産品の1つ、またニンジン、大根、そして畑栽培の自然薯も直売所に並びます。加えて葉野菜も種類豊富に並びますので、食材の買出し利用に地元の人も多く利用しているようです。またここでは“球磨茶"も見逃さないようにしましょう。一帯は盆地であり、特に午前中霧がかかっている日が多いのですが、霧により光の直射が和らげられるので、柔らかい新芽に育ちやすく、美味しい緑茶になるようです。
また直売所隣のうどん屋さん「スローライフ工房 雪草」では、郷土料理 “つぼん汁"が味わえます。つぼん汁は、小間切りにした野菜がいろいろたくさん入ったしょうゆ味の汁で、地元ではお祭りやお祝い事にはかかせないものだそう。壺に入れて出されることから“つぼん汁"と呼ばれています。
道の駅の裏手には6.5ヘクタールという広大な敷地の「錦くらんど公園」があり、名称の由来になった錦町ゆかりの剣豪「丸目蔵人(まるめくらんど)」の立像があります。

道の駅耳識 農産物直売所 くらんど市
所在地:熊本県球磨郡錦町大字一武1544-1
電話:0966-34-5550
HP:https://kurandmarket.com

道の駅耳識 農産物直売所 くらんど市

熊本県球磨郡錦町大字一武1544-1

https://kurandmarket.com

話題のスポットや田園風景を歩く「錦町フットパス」(錦町)

広大な風景の中、集落をつなぎ歩いて行く
人吉球磨盆地のほぼ中央、球磨川が東西に町を流れる錦町には「錦町フットパス」として8つのコースが設定されています。人吉球磨は相良三十三観音巡りでも有名ですが、地域には小さなお堂のお地蔵さまだったり、お社だったり、古代の遺跡だったり、先人が親しんできたものが、まだまだそこに暮らす人達の暮らしの中に溶け込むように残っているようです。きっと大事にされているんでしょう。コースは球磨川沿いを歩いたり、山側の桃や梨園の間の小道を通ったり、日本遺産のお社を訪ねたりといろいろ。立ち寄り場所の1つで、最近話題なのが、太平洋戦争中の「人吉海軍航空基地」跡地に2018年に開館した「山の中の海軍の町 にしき ひみつ基地ミュージアム」です。当時戦況の悪化から特攻訓練基地、そして本土防衛基地へと基地は役割が変わっていったそうで、地上決戦に備え膨大な数の地下施設の建設が進められたそうです。当時建設された多くの遺構がそのまま残っており、戦争中の遺構としては九州最大規模ということです。館は滑走路だったところに建てられています。

詳しいフットパスコースについては下記記載のリンク、錦町商工会のページからチェックしてくださいね。

錦町フットパス
所在地:熊本県球磨郡錦町
電話:0966-38-0009(錦町商工会)
HP:http://nsfp.sogographics.com

錦町フットパス

熊本県球磨郡錦町

http://nsfp.sogographics.com

国有形登録文化財で滋味を味わう「農村レストラン やまえのまんま」(山江村)

昔の村役場庁舎をリノベーション。窓枠なども当時のまま、入口に下がる干し柿も可愛い
赤い屋根にピンク色の窓枠、その昭和レトロな可愛い姿はアニメのノスタルジックな場面に登場するそのまんまの感じといったらいいのでしょうか。1912年に建築され1981年に移転するまで使われていた山江村役場庁舎を2006年に当時の姿を残したままリノベーションした建物で、交流拠点「時代の駅むらやくば」として現在は活用されています。現存する役場庁舎としては九州で最も古く、国有形登録文化財になっています。この建物の1階に開設されたのが「農村レストラン やまえのまんま」。地元のお母さんシェフ達がここで温かく迎えてくれます。
日替わりランチ 770円
食材には山江村を中心に近い範囲で作られたものを使い、 “旬を感じる"そして “身体にやさしい"を心がけて作っているそうです。「山江のお米は美味しいでしょ。ご飯のおかわりは大丈夫?」と、お母さん達が声をかけてくれるそんななにげない一言が、心にやさしく染み込みんでいくようでした。オープンして17年目を迎える「やまえのまんま」。それはとりもなおさず村の人達に愛されているからこそ。昔役場だったレトロな建物は、今も村のみなさんの交流の場として機能し続けています、訪れた日もひっきりなしに誰かが訪れていました。
また建物2階は学生という条件がありますが、リーズナブルに宿泊できる部屋になっています。

農村レストラン やまえのまんま
所在地:熊本県球磨郡山江村大字山田甲1415
問いあわせ:0966-35-7000
HP:https://yamaenomanma.jimdofree.com

農村レストラン やまえのまんま

熊本県球磨郡山江村大字山田甲1415

https://yamaenomanma.jimdofree.com

旅行先で実家に帰ったように過ごせる場所。台所の充実はロングステイに◎「食・農・人 総合研究所 リュウキンカの郷」(あさぎり町)

かまどやオーブンを備えた本格的なキッチンで料理作りを楽しめる
築150年の蔵のある古民家にリノベーションを施し、“「食」を通じて、ひと・まち、くらしを繋げる"というテーマを持たせた交流拠点として出発したのが「リュウキンカの郷」。食という観点から、地域の資源・人・自然・文化・歴史・先人達の知恵などを体験しながら学び滞在出来るというのがコンセプト。宿泊兼用の研修棟と蔵を改修した離れに宿泊することが出来ます。研修棟のリビングは和の空間にモダンさが上品に同居する洒落た空間が目を引きます。煖炉があり、テーブル式の囲炉裏、長いテーブルも置かれ、大人数で着席できるようになっています。また奥のキッチンスペースは広く、アイランドスタイルのキッチンカウンターに大きなオーブン、2つ口のかまども設置してあります。滞在中、歩き回って集めた人吉球磨の食材をこの設備抜群のキッチンで料理するというのは楽しそうです、また宿のフードアドバイザーに教えて貰いながら人吉球磨の郷土料理に挑戦してみるのもおもしろいでしょう。
離れの宿泊室
蔵をリノベーションした離れの宿泊棟は完全貸切の宿泊施設になっていて、こちらは小さめのキッチンですが、冷蔵庫、そして調理設備も十分に備わり、自炊しながらの滞在も可能です。

食・農・人総合研究所 リュウキンカの郷
所在地:熊本県球磨郡あさぎり町深田西879-1
電話:0966-45-1600
HP:https://ryukinka.com

食・農・人総合研究所 リュウキンカの郷

熊本県球磨郡あさぎり町深田西879-1

https://ryukinka.com

目当ては“デコポン”。他にも海・山食材がズラリ「道の駅 芦北でこぽん」(芦北町)

広い売り場にさまざまな食材が並ぶ道の駅内「JAあしきたファーマーズマーケットでこぽん」
駅名のとおり12月から6月あたりまで直売所に並ぶ“デコポン"を含む柑橘“不知火"は、この道の駅の最大の名物。またデコポン果汁をたっぷり使った “デコポンソフト"もいただけます。もともと芦北町は柑橘栽培が盛んな場所で、1949年に栽培が始まった甘夏は日本有数の生産量を誇ります。また他にもさまざまな柑橘が店頭に並びます。
また海沿いに中心部がある芦北町ですが実は山も深く、大関山麓周辺で農林水産省ガイドラインに基づき減農薬・無化学肥料で栽培される特別栽培米“大関米"は味の良さで知られるほか、山間地で育てられる霜降り美しいブランド牛 “あしきた牛"も特産品で、併設の焼き肉レストラン「ぎゅーぎゅー亭」で味わうことも出来ます。
海の幸も忘れてはいけません。八代海の風物詩でもある帆船“うたせ船"で捕られる“足赤エビ"は美味で知られ、他に太刀魚など名物も数多く、鮮魚コーナーには八代海の豊富な魚介が並びます。

道の駅 芦北でこぽん
所在地:熊本県葦北郡芦北町大字佐敷443
電話:0966-61-3020
HP:https://www.ja-ashikita.or.jp/dekopon/

道の駅 芦北でこぽん

熊本県葦北郡芦北町大字佐敷443

https://www.ja-ashikita.or.jp/dekopon/

美しい海を見下ろす絶景の農園で、窯作りから始まる楽しいピザ作り体験「福田農場」(水俣市)

場内からの海の眺めは素晴らしい
熊本県は甘夏みかんの生産量は全国でトップクラス。そして水俣市周辺は県内でも有数の生産地であり、柑橘栽培が盛んな場所です。水俣市の海岸沿いの温泉郷“湯の児温泉"で知られる湯の児地区の丘の上にあるのが「福田農場」。眼下に穏やかな青い内海を見下ろす風光明媚な場所に地中海を思わせる白い洋風の建物群があり、パエリアが名物のレストラン、農産加工工場直売店、パン工房、世界の亀にまつわる展示館、そして観光農園などがあり、観光名所として多くの人が訪れます。
“ピザ窯から作るピザ作り体験”
場内の「パン工房グラシア」では“ピザづくり体験"、またレストラン「バレンシア館」では“パエリア作り体験"を行っています。今回ご紹介するピザ作り体験は、レンガブロックを積み上げて窯を作るところから始まります。耐火レンガで焼き窯を簡単に作れるのは目から鱗でもあり、知っておくときっと役に立つ技術かもしれませんね。そして薪を割って火を起こし、工房の特製生地に好きな具材を好みでトッピングして、窯で焼いて頂きます。所要時間は60~90分。体験したい日の2日前までに予約してくださいね。お子さん連れの家族にとって、きっと旅行やドライブの良き思い出になるはず。

福田農場
所在地:熊本県水俣市陳内2525
電話:0966-63-3900(ピザ作りはパン工房グラシア)
HP:https://www.fukuda-farm.co.jp

福田農場

熊本県水俣市陳内2525

https://www.fukuda-farm.co.jp

手ぶらでも気軽に釣り!大物も狙える!「海釣りランド」(芦北町)

釣具のレンタルも出切るのは◎
芦北町の御立岬は八代海に突き出た岬で、八代海の展望が素晴らしい場所です。一帯は「御立岬公園」として整備され、海水浴場、キャンプ場、釣り場、ゴーカート、ローンスキー、スーパースライダー、テニスコート、そして温泉センターもあり、一日中自然の中で過ごせる絶好のレジャーランドになっています。
釣り場として整備された「海釣りランド」は岬から長く突き出すように設けられた桟橋が釣り場になっていて、ここからタイやチヌなどを狙えます。中には50~70cmの大きなものも釣れることがあるそうですよ。また道具を持っていなくても釣竿ほか一式の用具をレンタルすることが出来るのは嬉しいこと。トイレもありますので、カップルやファミリーで釣りを楽しみたい人にも最適です。

御立岬公園 海釣りランド
所在地:熊本県葦北郡芦北町大字田浦町145
電話:0966-87-0083
HP:https://otachimisaki.com/play/fishing/

御立岬公園 海釣りランド

熊本県葦北郡芦北町大字田浦町145

https://otachimisaki.com/play/fishing/

「つなぐ棚田遺産」に選ばれた山里に広がる美しい棚田「久木野校区の棚田群」(水俣市)

久木野校区の棚田群遠景
水俣市久木野は芦北町との境界に立つ大関山の南側、久木野川とその支流に沿った谷間に広がる山里です。このエリアの棚田が「久木野校区の棚田群」として2022年に農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定されました。小さな田んぼが集まったものを“千枚田"と表現しますがまさにここがそう。なかでも大関山(標高901m)から湧き出す寒川水源の水をたたえた「寒川地区棚田」は「日本棚田百選」にも選ばれています。また棚田では昔から“香米"という珍しいお米も育てられています。

棚田はそこに住んでいた人達の苦労の結晶。傾斜地を耕作地に変えるには大変な労力が必要で、石だらけの土壌から石を抜き出し、それを積み重ねていきます。年月を経ても崩れないように積み上げ方にも知識と技術が必要です。中には高さが3m以上の石垣部分もあり見事な景観を見せています。水を湛えた棚田に稲穂が育つ風景はとても美しいものです。しかし耕作する上では大きな農機は使いづらく、また転倒すると危険でもあり、続けていくためにはマンパワーが必要です。「久木野ふるさとセンター愛林館」では持続可能な棚田や森林の保全をテーマにさまざまな自然観察会やワークショップを開催し、また多くのボランティア参加者とともに棚田の保全活動を行っています。毎年5月田植え前の時期には「棚田のあかり」と題し 、数百本の灯明を棚田にたて、かつてここを開き耕作を続けた先人に感謝し、耕作の報告を行うイベントを行っています。無数の明かりで照らされる棚田を是非見てみたいものです。

久木野校区の棚田群
所在地:熊本県水俣市久木野
電話:0966-69-0485(水俣市久木野ふるさとセンター 愛林館)
HP:http://airinkan.org

久木野校区の棚田群

熊本県水俣市久木野

http://airinkan.org

おわりに

熊本県南地域を巡って気づいたことは、暮らす人達の郷里への強い思いであり、だからこそ地域には歴史と伝統が現在も息づいているのだと感じました。 今回訪れた人吉も芦北も2020年に豪雨災害で被災しました。それから2年、まだまだ復興への作業は続いています。復興に取り組む町のそして人の姿を見て、そして感じること、そこには今しか得られないことがあるかもしれません。同時に旅行者の姿こそ、町の人達にとっては嬉しいことなのです。人々の思いと努力のおかげで、ほとんどの観光名所は豪雨前と変わらない姿にもどっています。是非是非、今、足を運んでみましょう。
◉キャンペーン概要
 期間:2022年11月19日(土)~2023年2月18日(土)
 HP: https://furusatokumamoto-cp.com/

 ◉デジタルスクラッチキャンペーン
 熊本県内の「泊まる」「歩く」「体験・収穫(農林)」「体験・収穫(海)」「食べる/買う」「つくる」が体験できる対象施設に設置してあるQRコードを読み取ると、その場で当選が分かるスクラッチ方式のキャンペーン
 
 |応募方法|
 ①対象施設に設置してあるQRコードを読み取る
 ②応募フォームに必要事項を入力
 ③スクラッチに挑戦(その場で当選が分かります)
 
 ◉フォトコンテストも開催中!
 熊本の農山漁村の魅力を伝えるフォトコンテスト。農山漁村での体感をイメージできるような写真をInstagramに投稿
 
 |応募方法|
 ①Instagramの熊本県むらづくり課公式アカウント@kumafuruoenをフォロー
 ②ハッシュタグ #ふるさとくまもと #スポット名 をつけてご自身のInstagramに現地で体感した楽しい!おいしい!きれい!などの魅力が伝わる写真を投稿

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