2day
宗像・沖ノ島と関連遺産群
世界遺産に指定された宗像大社は、日本の神話でも有数の美人三姉妹の女神様を祀るお社です。女神様のように美しく賢くなりたい人には絶好の訪問先かも…?宗像大社だけでなく、古くから信仰を集めるお宮やお寺は、お参りするだけで心身ともに浄化されそう。
というわけで、宗像・博多の寺社とおいしいものをよくばりに巡る、ココロとカラダにおいしいコースをご紹介します!近隣エリアからの日帰りプランにもアレンジできますよ。
※2018年11月時点の情報です。
宗像エリアの移動は車がおすすめ。レンタカーを借りましょう。まずは博多エリアから車で1時間弱のドライブです。
最初の訪問地、新原・奴山古墳群は、5~6世紀にかけて栄えた豪族宗像氏の墳墓です。「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産のひとつとして、世界文化遺産に指定された記憶も新しいですね。現地には案内パネルも設置されており、見学しやすい古墳です。
沖ノ島祭祀を行い、今の世まで続く信仰の礎を作った宗像氏。田園風景の中に残る古墳は、この地に篤い心を持った人びとが生きた証しなのです。
「宗像大社」とは、沖ノ島の沖津宮、筑前大島の中津宮、宗像市田島の辺津宮の総称。一般的に「宗像大社」といえば、主にこの辺津宮を指します。三宮に三姉妹の女神それぞれがお祀りされていますが、辺津宮には沖津宮・中津宮の御分霊が祀られているため、すべての神様にお参りすることができるのです。
宗像三女神は、日本の国家・皇室の祖である天照大神の子供(娘)にあたる格式高い神様。
やすらぎに満ちながらも厳かな雰囲気に、背筋が伸びます。
太鼓橋をわたって参道をまっすぐに進み、神門をくぐると国の重要文化財である拝殿・本殿です。本殿の朱塗りが美しい梁は青空に映えますね。
この本殿に、市杵島姫神(いちきしまひめ)がお祀りされています。
きちんとご挨拶をして、女神様から浄化のパワーをいただきましょう。
本殿の奥には第二宮(ていにぐう)・第三宮(ていさんぐう)が並んであり、第二宮は沖津宮の田心姫神(たごりひめ)を、第三宮は中津宮の湍津姫神(たぎつひめ)をお祀りしています。
緑ゆたかなお宮に、美人三姉妹が仲良くいらっしゃるなんてステキ!
高宮参道から森の中を進むと、宗像三女神の降臨地と伝えられる高宮祭場を見学できます。
沖ノ島と並んで、全国でも数少ない古代の祭場。沖ノ島は一般に立ち入ることができないため、ここは古代の人びとの信仰を偲ぶことができる希少な場なのです。
宗像大社辺津宮にお参りしたら、神宝館見学もお忘れなく!
収蔵展示品の中心となる「沖ノ島神宝」は、銅鏡や馬具や装身具などその数8万点。すべてが国宝に指定されており、もちろん我が国の文化財で質・量ともに最高級です。
玄海の新鮮な海産物や、近隣の農作物があつまる「道の駅むなかた」。平日でもオープン時間直後からたくさんの人出で賑わう人気スポットです。
その日の入荷によって店頭に並ぶ商品が変わるのも楽しいところ。宝探し気分で行ってみましょう!
物産直売所スペースには新鮮な食材がどっさり!それにびっくりするようなお値打ち価格!
毎日でもお買い物に来たくなっちゃいます。うちの近くにも「道の駅むなかた」が欲しい…!
購入した商品は、サービスカウンターで全国配送を受け付けています。せめてこの機会に、たくさん送っておきます…。
おすすめは生鮮食品だけじゃありません。併設の「米粉パン工房 姫の穂」にもお立ち寄りください!
米粉を使った焼きたてパンはふかふかもっちりで、やさしい味わいです。一番人気の「きなことあんこの食パン」は翌日でもやわらか、ペロリと食べちゃうおいしさでした。おみやげにぴったりですね。
惣菜サンドはドライブ中の軽食ランチにいい感じですよ!
福津の海岸沿いはカフェが集まるおしゃれエリア。
「カフェ・ビーチ・コンバー」はアットホームな雰囲気のカフェです。
ランチやソフトドリンクだけでなく、カクテルメニューも充実しています。
ウッディな店内席はリラックスしながら、テラス席は海をのぞむ最高のロケーションで色鮮やかなカクテルを味わえますよ。
浜辺に出てお散歩も楽しめます。
キラキラ光を反射する海は本当にきれい。この海を宗像三女神が見守ってくださってるんですね。
日暮れも近くなり、いよいよ宿泊地へやってきました!
屋上付きワンルームコテージのアネックス、コテージ、スカイドームテントと多彩なスタイルのグランピングを楽しめるのがこの「グランピング福岡 ぶどうの樹」です。
レストラングループの施設だけに、お料理にはこだわっているそうです。季節ごとに変わるメニューはウェブサイトでチェックしてくださいね。
今回はお野菜フォンデュのコースをいただきました!お皿のタワーに彩りよく並んだ食材に思わず歓声があがります!
宗像の豊かな自然を感じながらホテルクラスのお料理を楽しめる、グランピングの醍醐味ですね。
「グランピング福岡 ぶどうの樹」のテーマは「パスポート不要の海外旅行」。コテージのお部屋はそれぞれデザインモチーフになった国があるんです。
しかも、インテリアデザインはグランピング福岡スタッフによるオリジナル。全てのお部屋がここだけで楽しめる演出です。
私たちが宿泊したのは、メキシコモチーフの「シエロ」。カラフルなインテリアに、地球の反対側まで旅したように心が踊ります。
でも照明を落とすと、一転してしっとりした雰囲気に変わるんですよ。ナイトタイムは落ち着いて休めます。
こちらはギリシャモチーフの「オーシャン」のお部屋。澄んだブルーの内装はエーゲ海のイメージそのもの。夢で人魚になれるかも?
そしてより近くで自然を体感できるスカイドームテントは、連日予約でふさがってしまう人気です。ご利用希望の方は、早めの予約をおすすめします!
心地よい波の音をBGMに、ウッドデッキでくつろぎのひととき。
女神の海に沈む夕日の光景は、いつまでも心に残ることでしょう。世界遺産の旅がくれた大切な宝物になりました。
2日目の朝は由緒ある宮地嶽神社にお参りします。
ご祭神は息長足比売命(おきながたらしひめのみこと)。神功皇后の別名の方がなじみがあるかもしれませんね。
神功皇后は、渡韓に際して宮地嶽山頂から開運祈願をし、無事に成就されたと伝えられています。
そのいわれから、開運・商売繁昌の神様として信仰を集めるようになり、今ではたくさんの参拝者が集まるお宮です。
私たちもしっかりお参りして、強く聡明な皇后様にあやかりたい!
長い参道は「光の道」と呼ばれ、近年ではCMにも登場しました。
参道の向こうには海、その沖に見えるのは、「猫の島」として一躍有名になった相島です。猫好きな方は相島まで足を延ばしてみるのもいいかも。
参道の「みやCafé美心」は、神主さんが運営しているお店。和紅茶やオーガニックブレンド珈琲など、ドリンクメニューはすべて宮地嶽で湧いた「神のお水」で仕立てています。お値打ちなお食事メニューも超おすすめ!お参り前にお腹を満たすによし、広いお宮を回った後のひと休みにもよしですね。
公式ウェブサイト(https://www.micocoro.org/miya-cafe)もぜひチェック。
参道の名物をもう一つご紹介しましょう。
「宮地嶽の松ヶ枝餅」は「福津の極み」ブランド指定を受けた、宮地嶽神社門前町の名物です。提供するお店それぞれが、餡やお餅に練り込むよもぎにこだわりがあるそうですよ。参道には、宮地嶽の松ヶ枝餅が焼ける香りがふんわり甘く漂っています。
香ばしく焼きあがった表面に、宮地嶽神社の神紋である「三階松」の焼印が目印です。焼き立ての柔らかさと香ばしさは、ここにしかないおいしさです!
境内でひときわ目を引くのは、直径2.6メートル、長さ11メートル、重さ3トンにもなる日本一と名高い大注連縄です。
これは御神田で育てられた稲からワラをとり、神社ゆかりの方々が力を合わせ心を一つにして綯うもの。宮地嶽神社に寄せられる信仰がかたちを成したものと言えますね。
今に続く神功皇后のご功績に思いをはせて、手を合わせましょう。
宮地嶽神社は、神功皇后を主祭神とし、勝村大神・勝頼大神をお祀りする御本殿のほか、「奥之宮八社」と呼ばれる社が祀られている大きな神社です。
八社それぞれに異なるご利益があるといわれていますよ。
こちらは二番社・稲荷神社。奉納鳥居が連なる光景が幻想的です。
こちらは五番社・恋の宮です。女性の心身内外をお守りしてくださるあわしま様(淡島神社)とぬれがみ様(濡髪大明神)がお祀りされています。
さて、ここからは博多エリアの街歩き。歩いて回れる距離に見どころスポットがたくさん集まっています。レンタカーは返却してかまわないでしょう。
さっそく博多祇園山笠が奉納される神社として有名な、博多総鎮守・櫛田神社へお参りします。
九州の商業の中心地にありますが、大通りの喧騒とは別世界のような澄んだ雰囲気です。
楼門の天井には「干支恵方盤」が吊り下げられています。干支のモチーフはなんだかかわいいですね。
矢印は、その年の恵方を指しています。お参りしたらチェックしてみて!毎年大晦日に来る年の恵方にあわせて回転させるそうですよ。
本殿にいらっしゃるご祭神は大幡主命(おおはたぬしのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、須佐之男命(すさのおのみこと)。
私たちがお参りしている間も、たくさんの参拝者が絶えることはありませんでした。博多の街なかにあるお宮だけに、出勤前のお参りを日課にしているビジネスマンも多いそうです。
こちらは「霊泉鶴の井戸」。本殿の真下近くから湧くことから、霊水として長く大切にされてきました。
※現在は飲水できません。
博多祇園山笠は例年7月に行われるお祭りです。その時期は街なかのあちらこちらに壮麗な「飾り山笠」が展示され、観光の目玉にもなっています。
一般にはお祭りの時期しか見られない飾り山笠ですが、この櫛田神社には年間を通して(6月を除く)飾り山笠が展示されています。いつ博多へ行っても山笠のお祭り文化に触れられるなんて、嬉しいですね!
櫛田神社を出て道路を一本渡れば、黒い格子戸がすぐ目をひきます。
博多の暮らしを展示・紹介するほか、伝統工芸品や地元の銘菓が揃うみやげ処も充実しています。
3棟で構成される施設のうち、中央の町家棟は、明治20年代前半に建てられた博多織元の住居兼織り場を移築復元したもの。博多織の実演・体験を毎日無料で実施しています。ぜひお試しあれ!
そのほかにも、博多張子、博多独楽、博多曲物、博多人形の絵付け体験ができます。完成した作品はお土産に持ち帰りできますよ。
※絵付け体験は有料、事前に申し込みが必要です。
和スイーツで休憩するならここ、鈴懸本店です。創業は大正12(1923)年、和菓子づくり一筋の名店がカフェスタイルでほっとするひと時を提供します。
店内はスタイリッシュで落ち着いた和モダンスタイル。
ゆったりと包み込まれるようなソファ席で、やさしい味わいの甘味やランチを堪能できます。
おみやげには、隣りにある菓舗で生菓子をぜひどうぞ。
ショーケースに並ぶ四季折々のお菓子はまるでジュエリーみたい。
焼き菓子や干菓子など、通販できる商品もありますよ。
歴史の授業で、お寺の名前に聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
9世紀初頭、唐へわたり修行した空海(弘法大師)が、日本へ戻って最初に創建したのがこの東長寺です。1200年以上の長きにわたって、この地が大陸往来の玄関口だったことを表していますね。
2階の大仏殿にある福岡大仏は、木造座像では日本最大級!
大仏の台座は中に人が入れるほどの大きさで、内部には地獄・極楽めぐりが設置されています。
鮮やかな朱塗りが美しい五重塔は、平成23年(2011年)に完成しました。空海が持ち帰ったものとして伝わる仏舎利が収められています。
境内から眺めると、周囲を囲む近代的なビルが背景になってなんとも印象的。古代から現代へ続く歴史の連続性を感じられます。
大陸文化の入り口・博多は「うどん伝来の地」とも言われています。
博多のうどんはふわふわとやわらかい麺が特徴です。
東長寺の周辺にもうどん屋さんがたくさんありますよ。散策の途中で気になるお店を見つけたら寄ってみちゃう?
※写真提供:福岡市
宗像・博多の旅の最後は屋台で締めましょう!
日が暮れる頃、屋台が軒を連ねる通りは一層賑わいます。
あちらこちらの暖簾を見比べて歩くのも楽しいですよ。どの暖簾をくぐろうか、わくわく!
街歩きを楽しんだエリアの中では、西鉄福岡(天神)駅周辺、中洲の川沿いなどが屋台のホットスポットです。
どこにどんなお店があるのか、興味がある方は福岡県移動飲食業組合が運営するウェブサイト「ザ・屋台 酔ってかんね」(http://yatai.fukuoka.jp/)で調べてみてくださいね。
さて今回お邪魔したのは、昭和通りは日銀前のお店、「忠助」さん。連日常連さんで賑わう人気店ですが、屋台初心者にも入りやすいお店です。
素朴な笑顔の大将が迎えてくれました。
大将、おすすめは?と尋ねれば「餃子です」と力強い即答が。ならばさっそくいただきましょう!
どうです、この焼き色!おいしそうでしょう♪
自慢の餃子はシャキシャキ野菜がたっぷりつつまれてフレッシュな味。小ぶりなサイズもちょうどよくて、お箸が止まりません!
おでんの豆腐はおかかとネギをたっぷり添えていただく独特のスタイル。ゆず胡椒の風味がビールにぴったりです。
ココロを満たすお宮にお寺、カラダにおいしい海の幸やスイーツ。
宗像・博多を満喫する2日間でした!たくさん学んで食べて、女神様に近づけたでしょうか?
(やりなおし!っていわれそう…)