世界自然遺産

奄美大島、徳之島、
沖縄島北部及び西表島

2021年 祝!登録

 鹿児島県の「奄美大島」や「徳之島」は、国内最大規模の亜熱帯照葉樹の森におおわれた大自然の島。年間降水量約3000mmというとても湿潤な森は、大陸との結合・分離を繰り返しながら、多くの固有種を育んできました。

 「アマミエビネ」「トクノシマテンナンショウ」などの植物が一年を通じて咲き誇り、「アマミノクロウサギ」「ルリカケス」などの動物は昼夜を問わず森を賑やかにしています。

 このように大自然溢れる地域を、沖縄県の沖縄島北部や西表島の自然とともに、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として世界自然遺産の登録候補地とすることが2013年1月に決まりました。再申請を経て、2021年7月に「世界自然遺産」として登録されました。

※参考:奄美野生生物保護センターHP

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の地図

世界遺産としての価値

生態系について

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は、かつては大陸の一部として大陸と共通の生物が存在していましたが、大陸からの分離や、各島々の分離・結合を繰り返す中で、動植物の種分化や固有化が生じ、独自の生態系を有することとなりました。

生物多様性について

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は、イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナなど、国際自然保護連合
(IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種86種を含む動植物が生息しています。また、そのうち70種は様々な固有種であり、生物多様性も顕著な地域となっています。

※参考:環境省HP

登録までの道のり

2017年2月1日まで ユネスコ世界遺産センターへ推薦書(正式版)を提出
2017年10月 世界遺産委員会の諮問機関(国際自然保護連合(IUCN))による現地調査・評価
2018年6月 世界遺産委員会の「記載延期」の勧告を受けて推薦書を取り下げを決定。新たに2020年の登録を目指す。
2019年2月 ユネスコ世界遺産センターへ推薦書を再提出。
2019年10月 世界遺産委員会の諮問機関(国際自然保護連合(IUCN))による現地調査・評価。
2020年7月 開催予定だった第44回世界遺産委員会の開催延期
2021年7月 第44回世界遺産委員会で、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産一覧表への記載が決定

奄美大島、徳之島の紹介~奄美大島、徳之島が含まれる奄美群島とは~

 奄美群島は、鹿児島県南部の島々で構成されており、国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が広がるとともに、アマミノクロウサギなど多種多様な希少動植物が生息。また、マングローブや世界北限のサンゴ礁など、多様な自然環境を有する地域です。
 平成29年3月には、「奄美群島国立公園」が誕生。34番目の国立公園に指定されました。
 マングローブでのカヌー、原生林散策、ダイビングなど、希少・多様な自然に囲まれた奄美群島だからこその体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

奄美大島、徳之島の地図
島の数 奄美群島には14の島々があり、うち8島が有人島です。
 (8島:奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島)
人口 奄美群島全体で、約10万人。群島最大の奄美大島には、約60,000人が暮らしています。
面積 奄美群島最大の奄美大島は、沖縄島、佐渡島に次いで、日本で3番目の広さを誇ります。
気候 年間を通して暖かく、亜熱帯海洋性で温暖多雨の気候。
 【奄美大島の中心市街地・名瀬】
  年間平均気温:21.6℃  (最低:1月)約15℃ (最高:7~8月)約32℃
  • 沖永良部島のエラブユリ

  • 奄美大島 国直ビーチ

  • 徳之島犬田布岬 戦艦大和慰霊塔

  • 加計呂麻島 瀬相港

奄美群島のアクセス情報はこちら

奄美大島、徳之島の紹介

奄美大島

 奄美群島で一番大きな島。北部ではサトウキビなどの栽培が盛んで、南部では亜熱帯性多雨林にアマミノクロウサギなどの希少生物が生息。一つの島で様々な景観を楽しめます。
 金作原原生林やマングローブ、また、ダイビングなどのマリンアクティビティでは、奄美のダイナミックな自然を体感できます。
 また、西郷隆盛ゆかりの地や、奄美の大自然を描き続けた日本画家・田中一村の魅力に触れられる美術館もあります。
 島唄や黒糖焼酎、大島紬など、独特の豊かな文化も魅力です。

  • マングローブ原生林

  • 朝日は太平洋側から上ります! 山羊島からの朝日

徳之島

 奄美群島のほぼ中央に位置する島。山間部には、アマミノクロウサギやトクノシマトゲネズミなどの希少生物が生息しています。
 長寿ギネスの記録保持者が存在したため「長寿の島」として有名。また、「闘牛の島」としても知られており、期間中は島全体が熱気に包まれます。
 ムシロ瀬や犬の門蓋などでは、徳之島ならではの壮大な景観が広がります。
 また、シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子さんが練習した「尚子ロード」や「戦艦大和慰霊塔」なども観光スポットとして人気です。

  • アカショウビン

  • ムシロ瀬

奄美大島、徳之島の観光情報についてはこちら!

その他 奄美群島の主な島々の紹介

奄美大島、徳之島の地図

喜界島

  • スギラビーチ

     ココバルトブルーの海にはカラフルな熱帯魚が泳いでおり、シュノーケリングスポットとしても人気。また、夕陽ポイントとしても有名。バーベキューやキャンプも楽しめる。

  • 白ごまの天日干し風景

     喜界島は白ゴマの生産量日本一!秋には島のあちこちで、刈り取り後のゴマを天日干しする光景が見られる。喜界島ならではの風景「セサミストリート」として人気。

  • サンゴの石垣 <阿伝(あでん)集落>

     先人たちが台風に備えて作ったサンゴの石垣。昔は奄美群島各地にあったが、“ハブが住み着く”といわれ、今ではほとんど残っていない。「ハブがいない島」だからこそ出会える風景。

  • 七島鼻(しちとうばな)

     喜界島の最高地点(211.96m)にあり通称「ポイント211」。眼下には太平洋が広がり、 西側には奄美大島と東シナ海を望むことができます。朝日・夕陽の鑑賞スポットとしても有名。

  • ガジュマル巨木(手久津久集落)

     喜界島のガジュマルで最も代表的なのが手久津久集落のガジュマル。高さ約18mの巨木は、樹齢100年を超えていると推測されており、下から見上げた神秘的な姿は圧巻。

  • サトウキビの一本道「シュガーロード」

     見渡す限りのサトウキビ畑を抜ける約3.5kmの一本道。青い空へ向かって果てしなく続く道は絶好の撮影スポット。映画やテレビのロケ地としても有名。

沖永良部島

  • エラブユリ

     島を代表する花。春には純白に咲き乱れ、島全体を甘い香りで包んでくれる。特に笠石海浜公園のエラブユリは見応えがあり人気。

  • フーチャ

     サンゴが荒波で浸食されて洞窟状になったもの。季節風や台風時に最大70mもの高さで潮を噴き上げる姿は圧巻!絶壁の上からは、時折ウミガメを見ることもできる。

  • ウジジ浜公園の朝日

     波に侵食された奇岩が、見る角度によっては動物や植物の形に見えるといわれ、人気の観光スポット。朝日を望む景勝地としても有名。

  • 田皆岬(たみなみさき)

     奄美十景の一つ。高さ55mの断崖絶壁からは青い海がどこまでも続く絶景が広がる。海を見下ろすとウミガメが水面から顔を上げる姿に出会うこともある。

  • 西郷南洲記念館

     西郷隆盛は、奄美大島・徳之島に加え沖永良部島にも流刑され、この島で牢獄生活を送った。西郷南洲記念館では、沖永良部島での西郷の様子について詳しく知ることができる。

  • 昇竜洞

     鹿児島県指定の天然記念物である鍾乳洞。全長3,500mのうち600mのみ一般公開されている。クリーム色の美しい鍾乳石「フローストーン」は全国最大級。

与論島

  • 百合ヶ浜

     与論島最大のビーチである大金久海岸の沖合に、干潮時にだけ姿を現す真っ白な砂浜。星砂のビーチとしても有名で、「年齢の数だけ星砂を拾えば幸せになれる」という伝説も。

  • ウドノスビーチの夕陽

     波が穏やかで泳ぎやすく島人(しまんちゅ)からも人気のビーチ。少し沖まで行くとサンゴの群生地も広がり、カラフルな熱帯魚にも出会える。夕陽に照らされる姿も圧巻。

  • 海中宮殿

     茶花沖1㎞の水深18mの海底に、古代ギリシャ宮殿をイメージして作られた海中宮殿。 神秘的でかわいらしく、人気のダイビングスポットです。水中結婚式が行われることも。 

  • 与論城跡

     15世紀の琉球王朝時代の城跡で、長い石垣のみが残る。標高94メートルの高台にあり絶好のビュースポットとしても人気。「与論十五夜踊り」の舞台となる地主神社・琴平神社も隣接。

  • ヨロン駅

     鉄道が通っていない与論島になぜ?ヨロン駅は、沖縄-ヨロン-鹿児島をつなぐ、空想上の駅。5mほどのレールの上には迫力満点の車輪も。

  • 与論献奉

     与論島流の客のもてなしの儀式で、黒糖焼酎を注いだ盃を皆で回し飲みする。挨拶を述べてから飲み干す、という決まりがある。与論の夜ならではの楽しみ。