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実はコーヒーの街・福岡で飲みたい!買いたい!おすすめコーヒーセレクション

街歩きは福岡旅行の醍醐味のひとつ。ちょっと一息つきたいときにおすすめなのが、地元で人気のカフェやコーヒー専門店です。最近では“コーヒー激選区”といわれるほど、福岡にはおいしいコーヒーショップがいっぱい。店内でゆっくり味わうもよし、テイクアウトもよし。旅の途中でぜひ立ち寄ってほしい、おすすめの名店をご紹介します。

アートや音楽、そして野菜。さまざまなカルチャーがコーヒーでつながる。「manucoffee roasters クジラ店」

manucoffee roasters クジラ店(外観)

福岡市中央区の人気エリアに3店舗を展開する「manucoffee(マヌコーヒー)」。薬院にある「クジラ店」はその旗艦店で、ビビッドな黄色の外観が目印。

manucoffee roasters クジラ店(1F)
店内には、コーヒー豆の焙煎・販売を行うロースタリー(焙煎所)機能に加えて、ゆっくり寛げるカフェスペースも兼ね備えています。壁や階段など店内の至るところにアートが飾ってあったり、グッズコーナーにはアートブックやマグ、Tシャツ、CD、ステーショナリーなどがぎっしりと並んでいたり、まるでギャラリーのような雰囲気・・・と思いきや、肥料や野菜まで置いてあります。
実はこれ、全てコーヒーにまつわるものなんです。コーヒー生産者と消費者、地場のアーティストを有機的につなげることを目的にしたアーティスト支援プログラムから生まれたアートブックや、波佐見焼の「マルヒロ」と作成したマグカップ、コーヒータイムを楽しめるようなDJによる選曲が詰まったCDなど。また店内のアートは昭和30年代に福岡で結成された全英美術グループ「九州派」やマヌコーヒーで過去に展示を行ったアーティストの作品などを使用しています。コーヒーはもちろん、店内のアートや販売されているグッズからもマヌコーヒーの表現を楽しめます。
「マヌア」で栽培された野菜。
また、野菜は、コーヒーの豆カスなどを再活用した有機肥料「マヌア」で栽培されたもの。土壌研究の専門機関とのコラボで開発された有機肥料で、この土で育った麦茶とコーヒーのブレンド「麦子ちゃん」も販売されています。「From Seed to Cup, and Beyond(種からカップ、そしてその先まで)」をテーマの1つとして掲げるマヌコーヒー。コーヒーを軸につながるサスティナブルな取り組みに感激です。
「ポートランドモカ」(写真手前)とラテアートも楽しい「マヌラテ」(写真奥)
毎週水曜日に全店舗分のコーヒー豆を専任スタッフが丁寧に焙煎しています。お店のイチオシは、2020年1月にニカラグアの農園を訪れて製造したオリジナルロット「ブエノス・アイレス(ビーンズ250g:1,770円)」。レーズン、レッドワイン、ラム酒のような甘さとまろやかな酸味を味わえます。カフェではオリジナルの「クジラブレンド(ビーンズ250g:1,100円)」をベースにした「マヌラテ(550円)」が人気。きめ細かな泡に一瞬で描かれるラテアートは目にも楽しく、自家製ビスケットやスコーンとの相性もぴったり。店内のオシャレな雰囲気もインスタ映え間違いナシです。
manucoffee roasters クジラ店

福岡県福岡市中央区白金1丁目18−28

https://www.manucoffee.com/

世界大会準優勝のバリスタクオリティを堪能「REC COFFEE 天神南店」

REC COFFEE 天神南店(外観)

2008年に1台のコーヒートラックからはじまり、いまや福岡を代表するカフェのひとつとなった「REC COFFEE(レックコーヒー)」。共同代表の岩瀬由和氏は、世界最高峰のバリスタ競技大会「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2016」で準優勝を果たしたトップバリスタ。知識や技術のトレーニングを積み、厳しい基準の社内テストに合格した人のみがバリスタとして認められ、各店舗で腕をふるいます。

バリスタの技術はラテアートにも。
素人目にはエスプレッソマシンよりもハンドドリップのほうが難しそうに見えますが・・・。豆の状態、気温・湿度、水圧、コーヒーの粉の詰め具合、抽出時の動作など、バリスタの感覚や力加減ひとつで味が変わるそうです。初めて来店した人やメニュー選びに迷っている人には、スタッフが丁寧にアドバイス。普段飲んでいるコーヒーなどを尋ね、酸味や苦味など好みのテイストになるよう抽出法を微妙に変えることも。バリスタの技術と心遣いが伝わる一杯は、淹れたてはもちろん冷めてもおいしくいただけます。
「カフェラテ」と「洋梨のタルト」。
世界各地から厳選したコーヒー豆は、「一番フレッシュな状態でお客様にお届けしたい」と、県庁東店の焙煎所で毎日焙煎したものを各店舗へ。人気のスイーツも自家製で毎日できたてが味わえます。今回は「カフェラテ(400円)」と洋梨のタルトをセレクト。カップいっぱいに並々と注がれたカフェラテは、やわらかな口当たりでほっとなごむおいしさです。スイーツは、各店舗や季節限定のメニューが登場することも。インスタでも配信されているのでチェックしてみましょう。
人気のスイーツはお持ち帰りもOK。
ちょっとした博多みやげにも便利なコーヒーバッグセット。
現地で直接買い付けたパナマ産ゲイシャ種を使用した「ゲイシャブレンド(コーヒーバッグ5袋:税込1,587円)など希少な品種や、定番人気の「博多ブレンド(コーヒーバッグ5袋:税込885円)も店頭で購入OK。天神南店はシンプルで居心地がよく、Wi-Fiも完備されています。街歩きの休憩がてらおいしいスペシャルティコーヒーを楽しんではいかがでしょうか。
REC COFFEE 天神南店

福岡県福岡市中央区渡辺通5丁目1−19 1F

https://rec-coffee.com/

世界一の焙煎士のこだわりを味わう。「豆香洞コーヒー 白木原店」

後藤直紀氏

西鉄白木原駅から徒歩3分ほどにある「豆香洞(とうかどう)コーヒー」。オーナーの後藤直紀氏は、2013年の「ワールド・コーヒーロースティング・チャンピオンシップ」で、日本人で唯一チャンピオンになった、世界を代表する焙煎士です。今回は、特別に後藤さんの焙煎室を見学させていただきました。

店舗となりの建物にある焙煎室。

豆を煎る香りと熱気に包まれた焙煎室に鎮座するのは、後藤さん愛用のオランダ製の焙煎機「GIESEN(ギーセン)」。1粒1粒丁寧にハンドピック(選別)された生豆を焙煎機に入れてスイッチオン。季節や温度・湿度などで豆の状態は全く異なり、味や香りにブレが出るため、マニュアル通りというわけにはいきません。仕上がりをイメージしながら、焙煎具合を細かく調整。10分ほどで色が変わり、パチパチと音が聞こえてきました。「豆がはぜる音がしたらようやくスタート地点。ここからローストによって味が変化します」と後藤さん。はぜる音の強弱、香り、色づきなども目安に。

いよいよ窯出しの瞬間。
15〜16分でいよいよ窯出しです。私たちがよく目にする、焙煎された豆が撹拌されているのは冷却槽という部分で、ここで豆を冷ましていきます。
冷却槽で冷まされる豆。
これで完成かと思ったら、次は石とり器へ。最初の選別で取り残したり、色づきが悪い豆など、雑味の元になる豆がないよう、焙煎後も入念にチェックを重ねるそうです。世界一の称号を得ながらも決して驕ることなくひたむきに技術を磨き、よりおいしく、より多くの人に愛されるコーヒーを目指す後藤さん。焙煎技術、徹底した品質管理、そしてコーヒーへの真摯な想いが伝わってきます。
豆香洞コーヒー(店舗外観)。こちらでも焙煎をしており、店内に入ると焙煎した豆の良い香りが。
店舗では、ガラス越しに焙煎の様子がうかがえます。現在はコロナの影響で試飲・喫茶スペースの営業はお休み中ですが、コーヒー豆や雑貨の購入のほか、テイクアウトが可能です。コーヒー豆の選び方を尋ねると、「豆の個性、人の好みはそれぞれです。産地で選んでも焙煎の仕方で味はが変わるので、浅煎り、深煎りなど、焙煎度をひとつの目安にすると良いかもしれませんね」と教えてくださいました。おすすめはハウスブレンドの「豆香洞ブレンド(200g:税込1,252円)」。苦味、酸味、香り、コクのバランスがとれた、毎日飲んでも飽きないおいしさです。産地(国)や焙煎度が異なる5種類の豆を手軽に味わえるドリップバッグ「5種アソート10P(税込1,782円)」も好評です。また、福岡市博多区の商業施設・博多リバレインには直営店も。喫茶スペースではプロが淹れたコーヒーを味わえるので、こちらにもぜひ足を運んでみてください。
豆香洞コーヒー 白木原店

福岡県大野城市白木原3-3-1

http://www.tokado-coffee.com/

スペシャルティコーヒーを手軽においしく楽しめる「ハニー珈琲 高宮店」

ハニー珈琲 高宮店(店内)

地元のコーヒー好きに愛されるスペシャルティコーヒー専門店といえば「ハニー珈琲」。創業25年の老舗で、世界中から仕入れた最上級の豆を使いながらも、敷居の高さはまったくなし。あくまで「家庭で飲むコーヒーの豆屋さん」というスタンスのもと、お手軽&カジュアルに楽しめるスペシャルティコーヒーを提供してくれます。

「ハニーおやじ」こと、代表の井崎克英氏が世界各地で仕入れてきた自慢の豆が揃います。
スペシャルティコーヒ−とは、原料である生豆の評価が80点以上のものを指しますが、ハニー珈琲では、さらに「感動するほど美味しいコーヒー」であることを追求しているとのこと。ちょうどお米のように、おいしい豆がおいしいコーヒーになるという、純粋に味だけで評価されたコーヒーを指すそうです。豆本来のうまみが凝縮されたスペシャルティコーヒ-は、旨味をダイレクトに抽出出来るフレンチプレスで飲むのがオススメ。コーヒープレスに粉を入れ、お湯を注いで約4分でOK。今回おじゃました「ハニー珈琲 高宮店」でもフレンチプレスで味わうことができます。
「僕らのケニア」
ここでは、ハニー珈琲の代名詞ともいえる「僕らのケニア(600円)」をオーダー。うるし塗りのカップに注がれたコーヒーの表面には、うまみ成分のかたまりである豆のオイル分が浮かんでいます。フルーティな香り、爽やかな酸味、ほのかな甘さが余韻となって口の中に漂います。“コーヒー豆も果実なんだ"とあらためて感じました。
フレンチプレスでうまみを残らずいただきます。
ハニー珈琲には、スペシャルティコーヒーをおうちでも楽しめる、ユニークなオリジナル器具がいろいろ。イチオシは「茶こし de ハニー(1,100円)」です。通常よりも目が細かく詰まった茶こしで、紅茶と同じ方法で簡単にコーヒーを淹れることができます。フィルターいらずなので、キャンプやアウトドアでも活躍しそうですね。ほかにも、原産国や精製法などコーヒー豆もバラエティゆたかに揃っています。牛乳を加えるだけでお店の味が楽しめる「カフェオレベース(1,944円)」も好評。持ち帰っておうちカフェを楽しむのも良いですね。
ハニー珈琲 高宮店

福岡県福岡市南区野間1丁目1−1 ラクレイス高宮

http://www.honeycoffee.com/

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