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銅像とQRコードで“まち歩き”!?薩摩の人々の7つのシーンを巡る旅「時標(ときしるべ)」

西郷隆盛をはじめ、大久保利通や東郷平八郎など、近代日本に影響を与えた多くの偉人を輩出した鹿児島。そんな偉人たちをより身近に感じ、新しい視点で楽しめる“まち歩き”ガイドとして、鹿児島市では2010年に7つのシーンを巡る旅「時標(ときしるべ)」を設置しました。人と場所、出来事を結びつけて紹介されているので、歴史を動かした人たちの思い、活躍した様子まで体感できそう。近代日本をつくった人々の足跡をQRコードでたどりながら、薩摩の偉人に出会う旅を楽しんでみませんか。

7つのポイントを巡りながら、楽しく歴史を学ぼう!「時標(ときしるべ)」で、まち歩きの達人に

看板は4ヶ国語に対応。像周辺のマップのほか、史跡や施設の案内も(写真左)。中面にあるQRコードにスマホをかざすと、その銅像についてのイラストムービーが流れます(写真右)。

近代日本の礎を築いたといわれる偉人の多くを輩出した鹿児島。鹿児島市民なら誰でも一度は目にしたことのある銅像「時標(ときしるべ)」は、鹿児島中央駅に近い加治屋町交差点から県民交流センターまで、メインストリート沿いに7ヶ所設置されています。
説明板にあるQRコードにスマホをかざすと、その銅像についてのイラストムービーが流れるしくみになっていて、偉人たちや歴史を学びながら楽しく“まち歩き"ができると人気(4ヶ国語に対応)。

時標①「イギリス鑑、鹿児島湾に現る」

時標①「イギリス鑑、鹿児島湾に現る」には、 大山巌、西郷従道、山本権兵衛の像。

まずは、加治屋町交差点にある「イギリス艦、鹿児島湾に現る」。薩英戦争を招いたといわれる生麦事件において、賠償を求めるため、イギリス艦隊が現れた知らせを聞いて駆けつけた大山巌、西郷従道、山本権兵衛の像が出迎えてくれます。今にも動き出しそうな精巧な作りとポーズに、港へ急いで向かった様子が偲ばれます。ほかにも、加治屋町周辺には、維新ふるさと館、西郷隆盛と同じ加治屋町で育ち、共に郷中教育を受け薩摩藩を動かし、倒幕の中心人物として明治維新を成し遂げた大久保利通銅像など、多くのスポットが点在。近くにある観光交流センターで観光情報を入手することもできます。

時標②「樺山、黒田、大いに語る」

時標②「樺山、黒田、大いに語る」には、日本の将来について語り合う樺山資紀と黒田清隆。

次にあるのが、高見馬場交差点の「樺山、黒田、大いに語る」。徳川将軍家の継嗣問題で幕政が揺れるなか、樺山資紀や黒田清隆など多くの若者たちが日本の将来について語り合っている様子がうかがい知れます。

時標③「黒田清輝、桜島の噴火を描く」

時標③「黒田清輝、桜島の噴火を描く」には、桜島をスケッチしに鹿児島港へ向かう黒田清輝。

そして、商工会議所ビル前に移動すると、大正3年に大噴火を起こした桜島をスケッチしに鹿児島港へと出向く画家の黒田清輝と弟子の銅像が。

時標④「龍馬、お龍と薩摩でひと休み」

時標④「龍馬、お龍と薩摩でひと休み」。京都の寺田屋で負傷した坂本龍馬が妻のお龍とともに湯治に訪れた話は有名。

4番目のいづろ交差点には、日本初の新婚旅行として有名な坂本龍馬と妻のお龍が薩摩藩へ湯治に訪れた際の「龍馬、お龍と薩摩でひと休み」。「いづろ」の名前の由来となった石灯籠もぜひ一緒に見学してみて。

時標⑤「重豪、薩摩の科学技術の礎を築く」

鹿児島一の繁華街・天文館アーケード内にある時標⑤「重豪、薩摩の科学技術の礎を築く」。

鹿児島一の繁華街である天文館のぴらもーるアーケード内には、「重豪、薩摩の科学技術の礎を築く」の像があります。天文台の明時館(天文館)を設置し、薩摩暦を作成した島津家第25代当主の島津重豪です。重豪はほかにも、藩校造士館や医学院などを創設し、その先進性は第28代斉彬に継承され、明治維新への基礎を築いたといわれています。近くには、女性初の帝大生となり、卒業後アメリカの大学で研究を重ね、日本女子大学の教授に就任した丹下梅子像のほか、早くから国際感覚を身につけ英国への留学生派遣を建言、藩財政改革に深く関わった五代友厚像も。

時標⑥「伊地知、吉井、政変について語る」

時標⑥「伊地知、吉井、政変について語る」には、幕政について語る伊地知正治と吉井友実。

中央公園南側にある「伊地知、吉井、政変について語る」には、伊地知正治と吉井友実の像。安政7(1860)年に起きた桜田門外の変において、幕府の政治も大きく揺らぎ、薩摩でも二人をはじめ、大久保利通らが幕政についてさまざまな議論を重ねました。近くには、江戸城無血開城や明治維新などに大きな功績を残し、鹿児島では「西郷(せご)どん」の愛称で親しまれている西郷隆盛の銅像や、27歳の若さで薩摩藩家老となり、薩長同盟や王政復古に深く関わり、西郷や大久保などとともに藩の中心人物として活躍した小松帯刀(たてわき)像も。洋画の黒田清輝、版画の橋口五葉、彫刻の新納忠之助など、郷土作家を中心に収蔵する鹿児島市立美術館のほか、鹿児島の歴史や文化を紹介する県歴史・美術センター黎明館には、当時の貴重な歴史資料などが展示されています。

時標⑦「ウィリス、高木に西洋医学を説く」

時標⑦「ウィリス、高木に西洋医学を説く」には、イギリス式近代医学教育を行い、薩摩の医術を高めた ウィリアム・ウィリスと現在の東京慈恵会医科大学を 創設した高木兼寛。

最後となるモニュメントは、県民交流センター前の「ウィリス、高木に西洋医学を説く」。江戸駐在の医師ウィリアム・ウィリスは、薩摩藩に招かれ赤倉病院を創設。イギリス式近代医学教育を行い、薩摩の医術を高めました。西郷隆盛が若い士族の教育の場として開いた私学校跡や多数の犠牲者を出しながらも、洪水を繰り返す木曽・長良・揖斐川の治水を成し遂げた薩摩義士の偉業を偲んで建てられた薩摩義士碑、赤倉病院の跡なども歩いてすぐの場所にあります。

英国医師ウイリアム・ウィリスの後ろにある、147年ぶりに復元された鹿児島城の御楼門をバックに記念撮影!
時標⑦「ウィリス、高木に西洋医学を説く」を撮影する際は、令和2年に147年ぶりに復元された鹿児島城の御楼門をバックに記念撮影もお勧め。
薩摩の歴史をもっと詳しく知りたくなったら、明治維新のすべてを学べる歴史観光施設「維新ふるさと館」へどうぞ。音や光、ロボットなど多彩な演出で分かりやすく紹介してくれます。7つのシーンを巡る「時標(ときしるべ)」をたどって、時空を超えた旅へ出かけてみては。
※QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。
「時標(ときしるべ)」7つのシーンを巡る旅

鹿児島市内

https://www.kagoshima-yokanavi.jp/spot/20046

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