温泉・お茶・焼物の3拍子が揃う「嬉野温泉」でお茶を楽しむ、アクティブな温泉旅。
佐賀
更新日:2021年11月04日
古より日本三大美肌の湯の一つとも言われる嬉野温泉。また嬉野は有名なお茶処でもあります。今回は「お茶」をテーマに、温泉、スイーツ、ランチにアクティビティも体験できる♪そんな1日を紹介します。
嬉野温泉とは
日本三大美肌の湯のひとつとも言われ、ナトリウムを多く含む重曹泉の温泉はトロトロの肌感覚。その歴史は肥前国風土記(713年)に記されており、現在まで1,300年以上の年月を重ねています。現在では30件以上の旅館やホテルが点在し、各旅館さまざまな温泉の楽しみ方を提案しています。嬉野温泉街には、各所に足湯があり、大正ロマンを感じさせるゴシック風建築物の公衆浴場「シーボルトの湯」があるなど、地元の方も観光客も気軽に温泉を楽しめる街です。
また、嬉野には500年の歴史を持つうれしの茶、400年の歴史を持つ肥前吉田焼があり、温泉、お茶、焼物が揃うのもまた嬉野温泉の特徴です。
うれしの茶は、日本茶の中では珍しい独特の丸みを帯びた形状から、玉緑茶(たまりょくちゃ)、グリ茶とよばれ、さわやかな香りでコクのあるうまみが特徴。鉄釜で炒ったものを釜炒り製玉緑茶と呼び、香ばしくのど越しがさっぱりしています。
また温泉街から、肥前吉田焼の窯元が点在する吉田地区までは車で10分ほど。近年窯元見学ができる取り組みも始まり、器の魅力を肌で感じることができます。
まずは茶畑の中を走り抜け、嬉野温泉を知るサイクリングへ
嬉野では、「茶輪(ちゃりん)」という「レンタルサイクル」+「うれしの茶」を楽しむためのプロジェクトがあります。嬉野温泉街の神社やお店を巡ったり、茶畑や展望所まで行ったりと自転車ならではの発見や景色に出会う自転車の旅が楽しめます。
嬉野温泉商店街にあるシモムラサイクルズが、茶輪の運営拠点として自転車のレンタルやうれしの茶の茶葉、お茶を淹れる専用の茶輪ボトルを設置しています。お茶は13種類から選ぶことができ、選んだ茶葉をボトルに入れ、水を注いだらセット完了。市内に「茶輪ステーション」というお替り(200円)を用意する参加店があり、休憩しながらお替りを購入することも可能です。嬉野を周遊する32kmのコースや、店舗めぐりをするもよし、茶畑の絶景ポイントや「納戸料の百年桜」という1本桜まで行くもよし、自分なりの楽しみ方で巡ってみてくださいね。
自転車は4タイプから選ぶことができ、スカートでもOKな普通車(ママチャリ)800円や、アップダウンも楽々の電動アシスト車1,300円、走りやすいクロスバイク1,800円、ロードバイク2,800円があります。全て1日利用可能で、茶輪ボトル利用料を含みます。スポーツタイプの電動アシスト車(写真)もあり、人気だそう。店主の下村さんが初心者にも分かりやすく乗り方などを教えてくれます。コースに関しても、どんなサイクリングにしたいかを相談をすると、オススメの道順を提案してくれます。
店舗名 |
シモムラサイクルズ |
住所 |
佐賀県嬉野市嬉野市嬉野町大字下宿乙938-1 |
電話番号 |
0954-27-7733 |
営業時間 |
11時~18時 |
定休日 |
水、不定 |
茶の香りを楽しめる温泉「茶泉(りょくせん)」で身体を癒す
自転車で汗をかいたら、嬉野温泉の湯で流しましょう。
湯は、美肌の湯ともよばれ、トロトロした肌触り。重曹泉が角質化した皮膚をなめらかにして、肌に潤いを与えます。入浴後のお肌はつるつる♪そんな美肌の湯に、うれしの茶をたっぷりと浸した「お茶風呂」があるのが「茶心の宿 和楽園」。温泉とお茶のエキス、Wの美肌効果を堪能できます。お茶の香りを楽しみながら、日本庭園を望みゆったりとした温泉タイムを過ごせます。
露天風呂の脇に用意されているお茶パック。お湯に浸しながら腕や顔などをマッサージして、是非楽しんでみてください。
風呂上りには無料のお茶も提供されています。水出しのお茶はひんやりほてった体を冷やしてくれ、うれしの茶のうまみが味わえます。
店舗名 |
和楽園 |
住所 |
佐賀県嬉野市嬉野町下野甲33 |
電話 |
0954-43-3181 |
営業時間 |
外来入浴:11時30分~20時(火曜は15時~、混雑時など入浴不可の場合あり) |
料金 |
入浴料は大人1000円、小学生500円 |
店休日 |
なし |
ランチは、ふわとろ食感がたまらない、佐嘉平川屋の「温泉湯豆腐定食」
お腹が空いたところで、嬉野のグルメと言えば、「温泉湯どうふ」。嬉野温泉のお宿でも、お食事に湯どうふを提供するところが多くあります。
今回は、ランチで気軽に立ち寄れる佐嘉平川屋をご紹介。
佐嘉平川屋はさまざまなお豆腐グルメを提供していますが、やはり食事メニューの一番人気は「温泉湯豆腐定食」(1,500円※平日は1,250円)。
一度で3度おいしい温泉湯豆腐。まず、はじめに専用の豆腐と調理水が入った鍋に火をかけお湯が白くなるまで待ちます。とうふの表面が溶けだし、お湯が白濁し角が丸くなったら、まずなにもつけずにそのままの味を楽しみます。
ふわふわトロトロになったお豆腐の甘さを味わうことができ、その次に、それになじむ甘口のごまだれ、さっぱりしたポン酢…交互に食べていくと、エンドレスでお豆腐が食べれます。
湯が白濁してお豆腐を味わったら野菜をいれて鍋を楽しみます。
最後は、ご飯を入れて雑炊にして満腹に。お豆腐の成分が凝縮されたコクのあるスープに胡麻の油分が入り食べ応えのある雑炊に様変わりしますよ。
スイーツもおすすめの佐嘉平川屋。デザートには、お持ち帰りでも人気な豆乳もちを是非。トロンとしたお豆腐は、佐賀県・長崎県の郷土食「呉豆腐」のことで、こちらの豆乳もちはしっとりクリーミーな味わいです。イートインでは黒蜜・黄粉と抹茶(写真)の2種があり、ここでもお茶の味を楽しむことができます。
テラス席などもあり、店内は大きな木の柱などがある趣ある建物です。
肥前吉田焼の「えくぼとほくろ」で職人の技を見学
お腹が満たされたら、文化と出会う旅へ。
肥前吉田焼の6つの窯元が参加する、「えくぼとほくろ」。職人の手で一つ一つ丁寧に作られている製造工程を見学することができ、「規格外品」といえど使用上問題のない商品を工房内の併設ショップで購入することができます。
「えくぼとほくろ」の名前は、製造過程でどうしても出てしまう「小さな窪み(えくぼ)」「小さな黒い点(ほくろ)」がその由来。規格外商品ではありますが、実際に足を運んだ人のみが、お得なお値段で購入することができるのです。商品はその時々で内容が変わります。
ひとつひとつ手作業で作られる焼物。疑問があれば質問もOKで、職人さんが答えてくれます。今回は、肥前吉田焼を代表する水玉模様の急須などをつくる副千製陶所にお邪魔しました。
この、茶こし付きの急須は、副千製陶所ならでは。一つ一つ手作業でいれる穴は熟練の技が必要です。工房の雰囲気を味わえるのも貴重な体験。焼く前の状態や、生地を流し込む型や釉薬をかける前のもの、窯入り前のもの、道具なども含めさまざまな製造工程を見ることができます。写真も自由に撮影可能です。
工房内にある直営ショップ。さまざまな商品が並びます。何があるかは、運次第♪思いがけない出会いがあるかもしれません。
参加している窯元は、江口製陶所/副千製陶所/副武製陶所/副正製陶所/新日本製陶/224porcelainの6つあります。はじめに希望する窯元を決めて予約するのがおすすめです。(要事前予約)
泊まるだけじゃない宿「和多屋別荘」でゆったりとした時間を愉しむ
夜20時~オープンする「茶寮&BAR」では、茶ビールや嬉野茶アフォガードを味わうことができます。「茶寮&BAR」はお茶農家である副島園が営むBARとあり、茶を知り尽くしているからこそできるメニューが多数あります。落ち着いた雰囲気の店内はお茶を味わうのにぴったりの場所。茶葉を使って提供するお酒やスイーツは絶品です。
嬉野茶アフォガードは、濃く入れたうれしの煎茶をアイスにかけます。アイスの甘みと濃いお茶が大人の味でさっぱりとしたスイーツです。苦みも甘みもどちらも心を癒してくれます。
2021年11月3日に創業71年目を迎える和多屋別荘は、さまざまな取り組みが進行中。
旅館を「泊まる→通う」場所へとテーマを掲げ11月3日に7施設がオープン。中でも「BOOKS&TEA 三服(さんぷく) お茶と読書を愉しむための書店」には、茶寮&BARを営む副島園が、本店としてお茶を提供する場も登場。お茶や暮らしなどをテーマにした約1万冊の書籍を自由に閲覧・購入可能な書店もあり、お茶を楽しみながらゆっくりと過ごせ、これからもリニューアルが続く注目の宿です。
嬉野温泉 和多屋別荘
佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙738
https://wataya.co.jp/
おわりに
嬉野温泉は、ゆったりとした時間が流れる中で、お茶、焼物、温泉を楽しめる場所。その楽しみ方はさまざまですが、大きすぎず、小さすぎずと、程よい大きさ。のんびり過ごすもアクティブに過ごすも選べる、そんな温泉地です。見たり、感じたり、学んだりと足を踏み込めばいろいろな発見があります。
是非、温泉で体を癒しながら、お茶や見学、美味しいグルメを楽しんでみてくださいね。
嬉野温泉観光協会 うれしの温泉のほほーん情報局(
https://spa-u.net/ )も要チェック!
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