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国境を感じる島~対馬を訪れよう

九州と朝鮮半島の間にある長崎県の離島・対馬(つしま)。九州の福岡からは距離にして約140Kmありますが、韓国の釜山までは約50kmであり、むしろ韓国のほうが近いのです。その場所は長い歴史の中で、大陸と日本をつなぐ重要な場所でした。今回はその対馬の魅力の一部を紹介します。

対馬の玄関口「対馬やまねこ空港」

対馬やまねこ空港へ到着
対馬を訪れる方法は海路と空路がありますが、今回は空路をご紹介しましょう。九州本土の福岡空港と長崎空港から路線が結ばれています。中でも福岡空港からは約35分。離陸してシートベルトサインが消えたと思ったら約5分で着陸態勢のためシートベルトサイン点灯、あっという間です。見晴らしが良ければ飛行機の左舷側には「壱岐」が、右舷側からは世界遺産の「沖ノ島」が見えることもあるようです。
対馬やまねこ空港

長崎県対馬市美津島町鶏知乙283番地

https://tsushima-airport.co.jp/

より、国境を感じられる「上島」へ

万関瀬戸を渡る。これが人が開削した運河なんてすごい
対馬は南北が南北に82km、東西に18kmととても細長い形をしています。もともとは一つの島だったのですが、東西の海路を切り開くために江戸時代に大船越瀬戸(おおふなこしせと)、明治時代に万関瀬戸(まんぜきせと)2つの運河が作られました。万関瀬戸より北部を上島(かみじま)、南部を下島(しもじま)と言います。今回はこの2つの瀬戸を渡り上島を訪れることにしましょう。

対馬の絶景はここから「烏帽子岳」

360度の展望は圧巻
上島の南側に位置する烏帽子岳は標高176mとそんなに高くはない山ですが、ここからの眺望は絶景です。駐車場から10分弱登ればその光景が広がります。眼下に広がる浅茅湾(あそうわん)は複雑な入り江と無数の島々が点在する、まさしくリアス式海岸の特徴を一望できます。
烏帽子岳展望台

長崎県対馬市豊玉町仁位

https://www.tsushima-net.org/tourism-history/eboshidake/

ロシアとのつながり「日露友好の丘」

日本とロシアの友好の碑が立つ
日露戦争の折、対馬沖で日本とロシアの海軍が戦闘を繰り広げました。いわゆる「日本海海戦」です。その時、沈没したロシア艦隊の乗組員がこの地に漂着。農作業をしていた地元民は、怪我や空腹に困っているロシア兵を家に招き、看病するとともに食事を供したということです。このロシア兵たちは後日ロシアに戻ることになりますが、この対馬で受けた恩を忘れなかったということです。温かい地元の方の気持ちがひしひしと伝わってきます。この出来事を記念し日露両国でこの地を「日露友好の丘」として後世に語り継ぐ事になりました。
日本海海戦記念碑[殿崎公園]

長崎県対馬市上対馬町西泊

https://www.tsushima-net.org/tourism-history/battle-of-tsushima-monument/

上対馬のソウルフード「とんちゃん焼き」

ご飯との相性は抜群
対馬名物の「とんちゃん焼き」は豚の肩ロース肉を醤油や味噌をベースに、ニンニク・ごま油・みりんなどで味付けされたソウルフードです。韓国の食文化に影響を受けたと言われています。このとんちゃん焼きをどんぶりごはんの上にのせれば「とんちゃん焼き丼」香ばしい香りが食欲をそそります。

朝鮮半島が目の前「韓国展望所」

この海の向こうに釜山の街があります。(すぐ目の前の島は粟島。自衛隊のレーダードームが見えます)
お隣の国「韓国」まで49.5kmとまるで手が届きそうな距離にある丘に立つ展望所です。歴史的にも深い関係にある韓国の古代建築様式の建物から海の向こうを観察。空気が澄んでいる日には韓国の釜山市の町並みが望めます。夜に見ると釜山の夜景が見えるとのことです。この日は見ることができませんでしたが、韓国釜山の賑わいが聞こえてくるかのような気持ちになりました。
韓国展望所

長崎県対馬市上対馬町鰐浦

https://www.tsushima-net.org/tourism-history/korean-observatory/

上対馬に宿泊するなら「東横イン対馬比田勝」

客室から見る登る朝日
上島を観光するなら、このホテルがお勧め。2019年9月にオープンしたリゾート型ホテルで、海側の部屋であれば登る朝日がとても綺麗。貴重な日本在来種の馬「対州馬」飼育の厩舎も併設されています。
東横INN対馬比田勝

長崎県対馬市上対馬町西泊1217-5

https://www.tsushima-net.org/stay/toyokoinn-hitakatsu/

いかがでしたでしょうか?対馬の北側の上島は国境を感じられるスポットが目白押しです。ゆっくりと時間をかけて観光するのがよしです。なお、レンタカーなど運転される場合、曲がり道も多く、かつ夕方や夜には鹿やイノシシ、ひいてはツシマヤマネコなどが道路に飛び出してくる場合がありますので、自然に優しい安全運転をお願いします。

対馬の観光情報は、こちら

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