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2度目の福岡なら、ぜひ行くべき!情緒あふれる柳川&八女おすすめスポット6選

活気にあふれ、昨今はNEWオープンスポットも続々している福岡市。でも、もし2度目の福岡なら、福岡市内だけじゃなく、ちょっと足を延ばして、県内の他の町も旅してみませんか?今回おすすめしたいのが、福岡県南の筑後エリアにある柳川市と八女市。どちらも福岡市とは好対照の落ち着いた雰囲気の中、独自の歴史や文化に触れながら、多彩な特産品やご当地グルメも楽しめます。中でもおすすめのスポットを、各市別に3つずつご紹介します。
写真提供:福岡県観光連盟

【柳川市】日本のベニス!城下町の水路を巡る川下りを楽しませてくれる「水郷柳川観光」

写真提供:福岡県観光連盟
福岡市街地から車で、また西鉄大牟田線の西鉄天神駅から特急電車で約1時間の柳川市。日本一の干満差のある有明海に面した湿地帯にあるため、弥生時代から水はけをよくするべく「堀割(ほりわり)」と呼ばれる水路が作られてきました。農業、生活の用水用のほか、人々の交通手段にも使われてきた堀割。その長さも旧城下町中心部では2㎞四方に全長約60㎞、柳川市全体では約970㎞もあるそうです。その堀割をベニスよろしく、どんこ舟でのゆったりクルージングも楽しめます。まさに柳川では“川下り"と称される、人気の観光アトラクションの1つです。
市内には川下りツアーがいくつかありますが、最も長い距離で楽しませてくれるのが「水郷柳川観光」。定員22名のどんこ舟に乗って、まずは柳の並木に囲まれ幅が広く、流れも穏やかな堀割をゆったりクルージング。そこから頭を下げないと通れない水門の下をくぐり、やや生活感のある住宅街の堀割を抜け、旧城下町の内堀へと入り、クランクしながら鬱蒼とした森の中を抜け、やがて「柳川藩主立花邸 御花(おはな)」がある国指定名勝「立花氏庭園」が見えてきたら、そろそろゴール。船上から重厚な石積みの城堀水門や赤レンガの倉庫群、なまこ壁を眺めつつ、船頭さんの楽しい観光案内や渋い歌声に聞きほれながら約1時間、川下りを楽しみます。
写真提供:福岡県観光連盟
春はご覧のように船上からお花見ができるほか、初夏は新緑の柳並木、秋は日吉神社付近を彩る紅葉が楽しめ、冬はこたつに入りながらのこたつ船など、四季折々の風情も楽しめることから、リピートする方も少なくないようです。

水郷柳川観光
住所:福岡県柳川市三橋町下百町1-6
電碗番号:0944-73-4343
営業時間:9時~最終受付15時30分
定休日:悪天候時(要確認)
乗船料:大人1800円、5歳~小学生900円、5歳未満(座席使用の場合のみ)500円
http://kawakudari.com/couese

水郷柳川観光

福岡県柳川市三橋町下百町1-6

http://kawakudari.com/couese

【柳川市】焼きはもちろん、ごはんにもこだわるうなぎの名店「万榮堂」

江戸時代の後期から柳川の特産品であったうなぎ。うなぎのせいろ蒸し発祥の店をはじめ、市内には約40軒ものうなぎ専門店があります。中でも地元で評判なのが掘割沿いに建ち、表に堂々と“おいしいうなぎがここにあります!"とアピールする「万榮堂(まんえいどう)」。その言葉を期待して店内に入りや否や、目の前で炎と煙、そして香ばしい匂いの中、職人さんが炭火の前でうなぎを焼きまくっています!その迫力と匂いに心を鷲づかみにされたまま、飲食スペースのある2階へとあがります。
さて、柳川のうなぎ料理といえば、ご飯に鰻のタレをまぶし、焼立ての蒲焼きをのせてせいろで蒸した“せいろ蒸し"が有名。こちらのお店でも人気で、肝すい、うなぎの甘酢和え、サラダ、香の物もついた「うなぎのせいろ蒸し膳」は3300円(「うなぎ少なめの並」から用意。ちなみに写真は「うなぎのせいろ蒸し膳(上)」4180円。

使用するうなぎは国産うなぎの中でも特に脂ののっているものを厳選。それを備長炭でじっくり丁寧に焼き、皮目をカリッ、身をふわっふわに。からめるタレも柳川では濃い味のところが多い中、「せっかくの厳選うなぎの旨み、味わいを堪能できるように」と、甘さ控えめのあっさりタイプにしているそうです。うなぎやタレはもちろん、それを受け止めるお米にも相当こだわっているそうで、「ある農家さんにお願いして、ある品種、しかも育てる場所も指定したものを使って…、あ、これ以上は言えません」とご主人の梅崎さん。しかもタレをしみこませて蒸すせいろ蒸しと蒲焼きに付く白飯では、使用するお米も変えているそうです。
 
筆者はどちらもいただきましたが、確かにご飯、違います。そしてどちらも絶品!ちなみに「うなぎの蒲焼き膳(上)も「うなぎのせいろ蒸し膳(上)」と同じ4180円。蒲焼きとベストマッチの白飯は+300円でお替りもOK。二人以上で行くならば、せいろ蒸し膳と蒲焼き膳をそれぞれ注文して味くらべ、ご飯くらべを楽しむのもおすすめです。
また、こちらのお店は常に人気かつ、売り切れたら早めに閉店もままあるとのことなので、訪れる際はぜひ事前にご予約を。

万榮堂
住所:福岡県柳川市稲荷町13-5
電話番号:0944-72-5010
営業時間:11時~売り切れ次第終了
定休日:月曜(祝日の場合は翌日、イベント期間は変更あり)

万榮堂

福岡県柳川市稲荷町13-5

【柳川市】「BISTRO tanabata 」で絶メシを免れた地元のソウルおやつ「まよい焼き」を

美味しいけど将来的には絶えてしまいそう…。TVドラマのタイトルにもなった「絶メシ」的お店は、日本各地にあるようで、ここ柳川もそれに違わず。柳川っ子に約40年愛され続けた「まよい焼き」の店「まよい焼きでんちゃん」もその1つ。2022年、創業者の高齢により惜しまれつつも閉店しましたが、まよい焼きを食べて育ったかつての少年が意を決し、先代に弟子入り。2023年、日吉神社前にある築150年の古民家を利用した「BISTRO TANABATA」にて、まよい焼きを復活させました。まよい焼きと書かれた暖簾のある小窓からテイクアウト販売を行うほか、レトロな佇まいの店内でイートインもできます。

ぱっと見た目は回転焼きのような感じの「まよい焼き」。その中身もあんこやクリーム、だけじゃないみたい。では一体、何が入っている?ということで、製造過程を見せていただくと・・・。
回転焼き用の銅板に流した生地を流し、その中央に具をのせています。上段手前から粒あん、クリーム、その奥にはキムチ、ベーコンの姿が。さらに下段手前からはチリポテトにタマゴ、ピザ、さらにコーンも。この他にもウィンナーやツナなど、具は全部で15種類あり、お値段は180円~250円。いろんな具が味わえる、でも、いろいろあり過ぎて、どれを食べようか迷ってしまう!ということで「まよい焼き」。多彩な具に対応するために、生地も回転焼きのような甘くしっとり系ではなく、甘くなくあっさり軽いタイプ。よって1個は軽くペロリ。さらに2個、3個とパクパクいけます。ただ、見た目はやはり、回転焼き。中身は割ってみないとわからない? 
心配ご無用。卵白液を使い、生地の表面に具名を書きこむというスタイルを、先代からしっかり受け継がれていました。
注文を受けてから焼くので、焼き上がりまで少々お時間を頂くそうです。焼立てが一番ですが、冷めてもトースターでリベイクすれば、表面パリッ!中アツアツ!な「まよい焼き」が味わえるので、お土産にも、ぜひ!

BISTRO tanabata
住所:福岡県柳川市坂本町4-2
電話番号:070-8446-8891
営業時間:10時~18時
定休日:木曜
https://www.instagram.com/tanabata_bakery_cafe/

BISTRO tanabata

福岡県柳川市坂本町4-2

https://www.instagram.com/tanabata_bakery_cafe/

【八女市】特産の八女茶でお茶のある暮らしを再提案する「八女福島置屋 茶と器ねじ」

福岡が誇る銘茶・八女茶の故郷でもある八女市。中でも市街地にある八女福島は、江戸初期の城下町時代の名残を今も残すエリア。国選定重要伝統的建造物群保存地区にもなっています。そんな八女福島は福岡市街地から車で 55 分。公共交通機関の利用ならJR 博多駅から最寄りの羽犬塚駅 まで 50 分、そこからバスで 20 分。そんなしっとりムードの八女福島でぜひ訪れたいスポットを 3 つご紹介しましょう。  
まずは、昭和 30 年ごろまで料亭や検番などが置かれ賑わっていた福島八幡宮近くにある、器と茶器、八女茶喫茶&Barを展開する「八女福島置屋 茶と器ねじ」。参道の横にあった元置屋をリノベーションし、2021年11月にオープン。そして2023 年 3 月から喫茶とBarを始動。八女市の特産である八女茶のおいしさを伝えつつ、 お茶のある暮らしの提案もしているそうです。
元置屋の 1 階の母屋部分はショップスペースに。急須や湯のみ、茶筒に茶香炉など『茶』にちなんだアイテムを中心に、八女茶を原料としたモノも揃えています。ほかにも陶器やガラス、木工製品をはじめとする生活雑貨、さらに市内の茶農家や茶屋が製造する八女茶を多品目にわたり販売。九州から関西方面を中心に、全国各地で活躍する 30~40人あまりの作家たちの商品を店主の矢部さんがセレクト。特にうつわ類に関しては、全体的にシンプルなスタイルのものが多いようです。  

このショップの奥にある離れの和室が、昼は八女茶の喫茶室、夜は八女茶と八女茶のカクテルを提供するBarに。 
 「『お茶の町に来て、ふるまい茶をいただくことはあるけど、本格的にお茶を飲めるところがないよね』という声をよく聞いていました。美味しい八女茶を味わい、ゆっくりと楽しんでいただける場があればいいな、という思いでこのお店を作りました」と語る矢部さん。昼の喫茶メニューでは、こちらがイチ押しとか。
「八女茶一煎」1920 円。水出しした八女茶をカクテルグラスに注ぎ、お好みで氷をいれて味わいます。香り高い八女茶のアテとして、お団子や金平糖などの 2 種類の甘味、そして塩気のある大徳寺納豆も用意。これらをじっくり味わった後には、水出しで使用した八女茶の茶葉が登場。やわらかな茶葉にポン酢、または塩とごま油をかけてお浸しにしていただき、空間や時間、五感すべてで八女茶のおいしさ、奥深さをとことん味わい尽くします。  
「年々お家でお茶を淹れて飲む方、特に急須で淹れる方が少なくなっているようです」と矢部さん。「急須で淹れるのは確かにひと手間かかりますが、その分、美味しいお茶が楽しめますし、そのひとときの時間が心のゆとりや豊かさにつながる。そういう時間って大事なんじゃないかなぁ」とも。  
ゆったりとした時間の中で感じる八女茶のおいしさ。急須で淹れる八女茶のある暮らしを始めてみませんか?  

八女福島置屋 茶と器ねじ  
住所:福岡県八女市本町 58  
電話番号:0943-24-5858  
営業時間:12時~17 時(Barは18時~22時30分 予約制)
定休日:火曜、他不定休  
喫茶・Bar利用は基本的に前営業日までの完全予約制(詳しくはInstagram参照)
https://www.instagram.com/okiya_yame_official/

八女福島置屋 茶と器ねじ  

福岡県八女市本町 58

https://www.instagram.com/okiya_yame_official/

【八女市】築150年の町家で味わう極厚とんかつ「とんかつ肉料理吉岡」

ランチも昔ながらの佇まいの町家で味わってはいかがですか?場所は福島八幡宮がある門前から歩いて5分。江戸時代は造り酒屋、その後、漆工房、そして民家を経て、現在はジューシーなとんかつが評判のお食事処「とんかつ肉料理吉岡」に。
建物は職人町家ならではの間口が小さく、奥行きが深い造り。中庭を望む大きなガラス窓には、柔らかな表情をもつ大正ガラスが。また、室内に置かれている重厚なタンスや食器棚類は移設したものではなく、先代、先々代の家主が使っていた年代物。置き場所もそのままに、今もこの家を見守っています。

実はこの町屋、数年前から貸店舗物件として、新たな借主を募集していたところ、久留米で3代に渡り精肉店を営んでいた吉岡さんが挙手!この町屋に一目ぼれした熱い思いを家主さんに訴え続け、2022年、精肉店を閉め、このレトロな空間とおいしいお肉が楽しめるこちらの店をオープン。元精肉店ならではの目利きと仕入れルートによる厳選和牛、国産豚を活かしたメニューを展開する中、特に人気なのが店名にある“とんかつ"をメインにした御膳ランチ。
前菜の「A4級の黒毛和牛ローストビーフ」から、お肉自慢をしっかりアピール。「厳選したお肉のみを使わせていただいております」と仰る吉岡さんのお言葉通り、こちらのローストビーフ、実にしっとり、ジューシーな味わい。ちなみに運ばれてくる漆のお盆は、100年前の漆工房時代の家主によるものとか。

そしてメインのとんかつは、ロース、ヒレの部位のほか、サイズも選べます。ロースカツは100g、160g、そして250gの厚切りの3種類から。ヒレカツも90g、150gの2種類から。ちなみにロースカツ膳は1780円~ですが、今回は厚切りロースカツをオーダーしてみました。
「きなこ豚厚切りロースカツ御膳」2650円(食後のコーヒー付き)。写真ではその厚みがわかるように敢えて、1カット分を横倒しにしました。その厚み、優に2.5㎝はあるでしょうか。
この厚切りポークの正体は、精肉店時代から一目置き、仕入れていた「きなこ豚」。畜産王国・宮崎県都城市の「はざま牧場」が育てるブランドポークです。エサにきなこを配合して丹念に育てられた「きなこ豚」は甘みがあり、とってもやわらか。その特徴が厚切りカツではより実感でき、しかもぶ厚い分、肉汁もたっぷり含まれ、ジューシーさもより感じられます。まずは、ヒマラヤ岩塩できなこ豚本来の味を堪能し、後はお好みで自家製のとんかつソースと共に。

御膳メニューではこの他にも、150gのサイズの「あか牛100%ハンバーグ御膳」1980円、大きなエビフライが3本味わえる「エビフライ御膳」2180円、国産牛250g使用の「サーロインステーキ(赤身)御膳」3650円もあります。

ほかにもきなこ豚ヒレカツ+厳選した黒毛和牛のサーロインステーキ(150g)が味わえる「特選黒毛和牛サーロインステーキコース」4700円をはじめ、きなこ豚ヒレカツ+黒毛和牛のヒレステーキ、またはしゃぶしゃぶも楽しめる、ボリューミーかつ高コスパなコースも用意。そちらもおすすめです。

とんかつ肉料理 吉岡
住所:福岡県八女市本町194
電話番号:0943-24-1300
営業時間:月、火、木11時~15時(LO14時)、金、土、日11時~15時(LO14時)、17時~21時(LO20時)
定休日:水曜
https://www.instagram.com/tonkatsu_yoshioka/

とんかつ肉料理 吉岡

福岡県八女市本町194

https://www.instagram.com/tonkatsu_yoshioka/

【八女市】居心地の良いレトロでユニークな混沌カフェ「MITOTE(ミトーテ)」

「とんかつ肉料理吉岡」から歩いて1分。かつて提灯職人、駄菓子屋、竹細工店などを営んでいた築140年の町屋を引き継ぎ、2017年よりカフェ「MITOTE(ミトーテ)」として営業。こちらも職人町家特有のそこまで大きくない間口の先は…。
奥までずーんと伸び、中庭も備えたうなぎの寝床タイプの造りに。土間で靴を脱いで、タイル張りのカウンター席や、オランダの工場で使われていた大きなライトがぶら下がるテーブル席が点在するカフェスペースへ。そう、こちらのインテリア、なかなかなユニークなんです。それもそのはず。オーナーの井上ご夫妻は、かつてCM関連の美術の仕事に従事。カウンターの白いタイルもNYの地下鉄で使われているものを仕入れて、ご主人自ら張り合わせ、その上にはポーランド製の蛍光灯を用意するなど、店内の随所にこだわりの品々が点在。また、壁の書棚にはお二人が仕事関係で使っていたインテリア、ファッション、写真集などの多彩な蔵書が置かれ、それらを自由に読むこともできます。ちなみに店名の「MITOTE」は、“混沌"という意味を持つネイティブアメリカンの言葉からつけられたそうです。

グリーンカレーやサグカレー、タンドリーチキンなどとサラダ、デザートがセットになった1300円ランチのほか、スペシャリティコーヒーをはじめとするドリンク類、アイスクリーム、パウンドケーキなどのカフェメニューも充実。中でもパウンドケーキは季節ごとに6~7種類を用意。
取材時には「ブルーベリーとホワイトチョコとピスタチオのケーキ」500円(テイクアウトは400円)と「エチオピアコーヒー」500円をオーダー。パウンドケーキはメニュー名にある3つの具がみっちり詰まって食べ応えも十分。甘さ控えめのホイップクリームとの相性も◎。ちなみにぽってりとしたコーヒーカップも、アメリカの大学の学食やダイナーなどで使われたデットストック物だそうです。

MITOTE
住所:福岡県八女市本町219-2
電碗番号:0943-24-8308
営業時間:12時~21時(LO20時)
定休日:水曜

MITOTE

福岡県八女市本町219-2

おわりに

筑後エリアのしっとりタウン・柳川市と八女市。それぞれ福岡市内から日帰りで楽しむのもいいですが、柳川~八女間は車で30分ほどなので、セットで回るのもおすすめです。せっかくならどちらかにお泊りして、1泊2日でゆったりじっくり楽しんでみてはいかがですか?

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