関吉の疎水溝

世界文化遺産 製鉄・製鋼 造船
関吉の疎水溝

高低差8m、長さ8kmの水路を岩をも通す信念で完成させる!
 磯庭園内の池に水を引くためな小規模の用水路はありましたが、海外からの脅威を感じ、国を護る必要性から集成館事業の推進を計画していた11代薩摩藩主島津斉彬は1852年に「関吉の疎水溝」を設けます。
取水口とする巨岩を削る道具、溝をつないでいくためのU字溝やセメント、さらにはトンネルを掘る機械も無いなかで、稲荷川・関吉(標高132m)から集成館があった仙巌園 (標高124m)まで、高低差わずか8mを利用し、水を漏らさぬ水路を約8kmに渡って築き上げました。
その気概・努力は、集成館事業の成功のために水車動力がいかに必要であったか想像に値します。
8kmの水路には途中トンネル18箇所も手掘りで通しています。

集成館事業初期の成功は関吉の水力に頼るところが大きい。
 なぜ160年余の昔に機械も無いなか手掘りでトンネルを掘るなど、難工事を行ってまで水路を通す必要があったのか?
集成館事業の初期段階では、蒸気機関を導入する前で高炉の稼動や大砲の砲身に弾を通す穴を開ける装置を動かすこと等を水車動力に頼っていました。
そのため、水量豊富な稲荷川の関吉から仙巌園まで水路を引くことを計画、実行に移していった行動力はまさに偉業といえるものでした。

寺山で焼いた炭の火力、関吉から引いた水力によって国を護った。
 集成館事業では、寺山で作られた火力と関吉の疎水から引いた水車動力により、想像を超える製品を生み出しています。
寺山の炭窯は紀州熊野に学び、関吉の疎水溝は佐賀藩に学びました。
今もなお、往時の高低差8mを利用して導水した知恵を偲ばせる設備が仙巌園内の池のそばにひっそりと佇んでいます。
苔生した階段の上に鉄製のタンクが置かれ、サイロの原理を利用した給水タンクがそれなのです。

住所 鹿児島市下田町1263の先
お問い合わせ 鹿児島市文化財課
電話:099-227-1962
FAX:099-227-8796
bunkazai@city.kagoshima.lg.jp
利用料金 無料
駐車場
(下田町1879「ニッセイギャラリー稲音館」合計20台程度駐車可能)
(バスは県道沿いに2台分の専用駐車場)
アクセス情報 ・JR鹿児島中央駅から南国交通の緑ヶ丘団地線にて下田バス停下車(約30分)後、対岸左の小さな山に向って徒歩12分
市街地を抜けるまでは信号が多く混雑が激しい。日中の便数は少ないため往復3時間は必要。

・鹿児島中央駅から車で約40分。
ホームページ https://www.kagoshima-yokanavi.jp/spot/10146

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