記事 ARTICLE

自然が作り出す神秘の世界! 個性際立つ別府の7地獄~別府地獄めぐりのススメ~

温泉の湧出量で日本一を誇り、10種類ある掲示用泉質のうち7種類の泉質がそろう湯の街・別府。そんな別府の定番観光スポットといえば「地獄」です。今回は目で見て身体で楽しむ「地獄めぐり」と、素材の旨味を食で楽しむ「地獄蒸し」を堪能しました。女性に人気のホテル「花べっぷ」もご紹介します。

地獄巡りマップ
別府を代表する観光スポット「地獄めぐり」は全部で7地獄。そのなかでも、海地獄・血の池地獄・龍巻地獄・白池地獄の4つは、「日本から古くの温泉地として有名な別府の中でも、色や形など多種多様で観賞上の価値、名所的・学術的価値の高い泉源である」との理由で平成21年7月23日に国の名勝になりました。大分県内では、大正12年に指定された耶馬渓に次いで、86年ぶり2件目の名勝だそうです。

国道10号線から九州横断道路を上っていくと見えてくる大きな「海地獄」の看板。そこに隣接している鬼石坊主地獄。地獄めぐりはここからスタートする方が多いようです。海地獄のすぐ下には、かまど地獄・鬼山地獄・白池地獄が徒歩圏内にあり、そこから3km離れた場所に血の池地獄と龍巻地獄があります。車を使用すると、大体全部回るのに2時間半くらいかかり、どの地獄でも購入できる共通観覧券は、2,000円で全ての地獄が回れます。
 

海地獄

大分道別府ICより鉄輪方面へ車で5分ほど走らせると左側に見えてきます。「地獄」とは思えないほど美しいコバルトブルーですが、摂氏98度もある熱湯です。絶えず噴き上がる白煙には、地球の息遣いさえも感じました。
敷地内には、温泉熱を利用した温室内に熱帯の大鬼蓮があります。冬はまだ小さな葉ですが、夏には人一人が乗れるくらいの大きさまで成長。8月のお盆頃には、小学校低学年(20kg)までの子どもが実際に大鬼蓮の葉に乗れるイベントが開催されます。
海地獄

大分県別府市鉄輪559−1

鬼石坊主地獄

海地獄に隣接されている鬼石坊主地獄。2002年12月16日に新たに「鬼石坊主地獄」としてリニューアルオープンしました。
鬼石坊主地獄は、約98℃の高熱泥が沸騰する様子が坊主頭に似ている事から名付けられたそうです。不規則にボコボコと出て来る坊主頭は、飽きる事なく見ていられます。
 
ゴロゴロとした石の間から吹き上げる100度の蒸気は、「鬼の高鼾(たかいびき)」と呼ばれます。別府の冬に吹く鶴見岳からの強風『鶴見おろし』の寒さに震えあがった鬼が、石の布団にくるまって寝たという逸話を表現しています。鼾というだけあって、ゴーゴーとすごい音が響いていました。
鬼石坊主地獄

大分県別府市鉄輪559−1

かまど地獄

昭和30年代までは亀川にあったかまど地獄。竃門八幡宮(かまどはちまんぐう)の大祭でここの噴気を使って神前に供える御飯を炊くことからこの名がついたそうです。敷地内の地獄には、「1丁目」から「6丁目」という呼び名がついており小さな街並みのようでした。それぞれに個性がありますが、特に5丁目のかまど地獄は、ブルー、グリーン、透明と季節によって色が変わります。どんな色が見られるかは、行ってからのお楽しみですね。
3丁目の脇には、手・足湯、 足の岩盤浴、飲める温泉、温泉スチームなどユニークな「極楽」と題した体験温泉コーナーがありました。冬に行かれる方は、喉や肌に良い温泉スチームを浴びることで、美肌や風邪防止などが期待できそうです。
かまど地獄

大分県別府市 大字鉄輪621番地

鬼山地獄

鬼山とはこの辺りの地名で、ここの温熱を利用してワニを育てていることから、別名「ワニ地獄」とも呼ばれています。1日で流出する温泉は蒸気も含めて5万トンにもなるそうで、その温泉水の元を辿れば殆どが雨水。温泉水はおよそ50年で入れかわるそうなので、今湧いている温泉はおよそ50年前に降った雨という事になります。
ワニは餌を食べる時以外は、体力を使わないようにじっとしている習性がありますので、餌付けのときを狙って入園すると面白いと思います。餌付けは決まった日の10時と14時30分に公開で行なわれますので、事前にホームページで調べて行くとまさに「ワニ地獄」という名の迫力ある時間を体験できると思います。
鬼山地獄

大分県別府市鉄輪625

白池地獄

日本庭園のような落ち着きと品のある白池地獄。噴出時は透明なお湯ですが、池に落ちて温度と圧力が低下すると自然と青白くなっていくそうです。園内には、温泉熱利用の熱帯魚館があり、アマゾンの大王魚(ピラルク)や人喰魚(ピラニア)など数種類の熱帯魚を飼育しています。
白池地獄

大分県別府市大字鉄輪278

血の池地獄

血の池地獄は、1300年以上前から存在する日本最古の天然地獄です。『豊後国風土記』や『万葉集』にも「赤湯泉」等としてその存在が記されている歴史ある地獄。
地下の高温高圧によって、自然に化学反応を起こした酸化鉄や 酸化マグネシウム等を含んだ赤い熱泥が地層から噴出し堆積しているため、池一面が赤く染まっています。池の脇に展望台への階段があったので登ってみました。上から見る血の池地獄は、正真正銘「地獄」という雰囲気が漂っていました。
血の池地獄

大分県別府市野田(大字)778

龍巻地獄

龍巻地獄は、一定の周期で熱水や水蒸気を噴出する間欠泉で、豪快に噴出す熱水は屋根が無ければ30m以上は噴き上がり、この熱水の1日の放水量は約600キロリットルもあるそうです。生きている地球を感じられる龍巻地獄。およそ30分間隔で5分以上は噴出しています。地獄めぐりのコツとして、龍巻地獄は血の池地獄と隣接していますので、最初に龍巻地獄の様子を伺い、まだ噴出までに時間がある時は血の池地獄を先に見学すると良いと思います。


【別府地獄組合(べっぷ地獄めぐり)】
tel: 0977-66-1577
営業時間 AM8:00~PM5:00
定休日 年中無休
7地獄に無料駐車場完備(合計680台)
龍巻地獄

大分県別府市野田(大字)782

別府地獄組合(べっぷ地獄めぐり)

大分県別府市鉄輪559−1

http://www.beppu-jigoku.com

心も身体も温める地獄蒸し料理は、天国にいるような美味しさ/湯治柳屋

別府ICから車で10分ほど走ると、風情あふれる白い湯けむりがとても印象的な鉄輪(かんなわ)に到着します。古くから湯治場として栄えた鉄輪温泉では、江戸時代からその噴気を利用して料理を作っていたそうです。今もなお、街の人から愛される地獄蒸し料理。その別府らしい料理を是非一度お試しください。
鉄輪には、地獄蒸し料理を体験できる施設がいくつかあります。
有名なのは、別府市が運営している「地獄蒸し工房鉄輪」ですが、私のオススメは鉄輪銀座通りの奥にある「サリーガーデンの宿 湯治柳屋」。宿泊だけでなく日帰りでも地獄蒸しが楽しめます。明治時代からの建物を受け継いでいて、歴史のなかにも洗練された雰囲気もあり、五感を通して癒してくれる、そんな心地よい空間が魅力です。
下から噴き上げる高温の蒸気で調理する地獄蒸しは、玉子は約5分で半熟卵に、サツマイモは約20分で蒸しあがります。野菜はもちろん、魚介や肉類も蒸せて、上級者になると鶏ガラを使ったスープなどを作る人もいるそうです。食材は徒歩圏にあるスーパーや近くの鮮魚店・精肉店で調達可能。地獄釜の利用はたっぷり2時間利用できて、お一人2,160円です。
全部で10個ある釜のうち2個は蒸気の熱でお湯が常に沸いています。ご持参のお茶やコーヒー、または温泉水をそのまま飲むのも良いと思います。温泉が体内に染み渡り体も心もほっこり温まります。
蒸し料理は、ほんのひとつまみの塩のみで十分美味しくいただけます。中庭にある地獄釜を見ながら、素材の味の美味しさを温泉の恵みとともに是非体感してみてください。

【サリーガーデンの宿 湯治柳屋】
tel: 0977-66-4414
営業時間: AM10:30~PM2:00(地獄釜のみ利用時間。受付は12時まで。)
※地獄釜利用は、ご予約をお勧めします。お問合せ下さい。
定休日: 年中無休
サリーガーデンの宿 湯治柳屋

大分県別府市鉄輪井田2組 鉄輪銀座通り

http://www.beppu-yanagiya.jp/index.html

JR別府駅のすぐ近く!女性に人気のホテル/花べっぷ

お泊まりは、女性に人気のホテル「花べっぷ」へ。
別府駅から女性の足でも10分ほど。趣のある門構えに期待も高まります。玄関を入ると、「おかえりなさいませ」の声と笑顔が優しく迎えてくれます。ホテル内のいたる所に竹細工が施され、心落ち着く雰囲気です。
 
温泉は美人の湯で知られる別府温泉の湯を使ったミストサウナや、高い保温と美容効果をもたらすマイクロバブルの泡風呂など多彩。別府の湯で心身ともに疲れを癒して下さい。

【竹と椿のお宿 花べっぷ】
tel: 0977-22-0049
受付時間: 10:00〜19:00

 
竹と椿のお宿 花べっぷ

大分県別府市上田の湯町16-50

http://www.hanabeppu.jp

地図を見る

Google Mapの読み込みが上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください。

関連するタグ

タグ一覧を見る

関連記事

週間記事ランキング

この記事を書いたフォトライター

PAGETOP