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大人も子供も学べて楽しめる。歴史と文化と焼きカレー。「門司港」でノスタルジック散歩のススメ。

九州と本州をつなぐ関門海峡がある門司港。昔から交通の要所として栄え、様々な歴史の舞台となったノスタルジックなエリアです。そんな門司港を「日帰り」で「歩いて」楽しむ際にオススメのスポットをご紹介致します。お昼にはやっぱり焼きカレー!

門司港とは。

北九州といえばこの風景を思い浮かべる方も多い門司港。門司港レトロとして有名で、外国貿易で栄えた時代の建造物を中心に、ホテル・商業施設などを大正レトロ調に整備したエリアで年間200万人を超える観光客が訪れる九州でも屈指の観光スポットとなっています。
この門司港、交通の要所として栄えてきた歴史だけでなく、古くは平家が滅びた壇ノ浦の戦いの舞台であったり、宮本武蔵と佐々木小次郎が戦った巌流島の舞台であったりと歴史深いスポットでもあります。
そんな門司港の魅力を発掘したい。ということで今回実際に行ってきました。電車で行けて、歩いて巡れるのも門司港観光の特徴です。写真は門司港駅のスターバックスコーヒー。スタバまでレトロモダン!

門司港駅に着いたらまずココへ。関門海峡ミュージアム

門司港の歴史や文化を知ることで門司港の楽しみ方は何倍にも広がります。そんな歴史や文化を学べる関門海峡ミュージアムは2019年の9月21日にリニューアルオープン。「関門海峡をまるごと楽しむ体験型博物館」をコンセプトにリニューアルされているのですが、本当に、ココを巡るだけで関門海峡のこと、門司港の歴史を楽しみながら学ぶことが出来ます。
関門海峡を望む最高の場所にはラウンジスペースも。ラウンジ内にはカフェもあり、海峡を行き交う船を眺めながらゆっくりとした時間を過ごすことも出来ます。この上の階には展望デッキ、展望レストランも。他にも海峡の歴史ドラマを精巧な人形で再現した海峡歴史回廊や海上保安庁展示コーナーなど様々あり、海のこと、門司港のことを楽しみながら学べること間違いなしです。
関門海峡ミュージアム

福岡県北九州市門司区西海岸1丁目3−3

https://www.kanmon-kaikyo-museum.jp/

リニューアルされた海峡アトリウム(2〜4階の吹き抜け)に設置された日本最大級のスクリーン(縦9m×横18m)で関門海峡の自然や歴史の海峡ドラマを圧倒的なスケール感で学ぶことができます。歴史や文化にもともと興味がなかったとしても、映像の美しさとスケール感で目を離せない映像を見ることが出来、見終わった頃には門司港について深く知っている状態になってしまいます。水景プログラム2本と歴史プログラム2本が30分おきに放送され、ついつい魅入ってしまうこと間違いなしです。
▼放送されるプログラム
【水景プログラム】
①光と音楽の海
色彩豊かな水中生物が、リズミカルな音楽に合わせて様々に変化。華麗で神秘的なファンタジック映像。
②海峡の一日
実際に生息する魚の生態に基づき、関門海峡の海中光景をリアルかつダイナミックなCGで再現。

【歴史プログラム】
①門司港ものがたり
世の栄枯盛衰を見守り続け、国際貿易港として発展した門司港の変遷を、モノローグで格調高く描いた作品。
②古今関門海峡絵巻
「壇ノ浦の戦い」を大和絵、「巌流島の決闘」を墨絵、「馬関戦争」は錦絵をモチーフに最先端のアニメーションで表現。
海峡アトリウムを囲むスロープに備えられた壁面のモニターでは魚の漢字クイズや関門海峡のクイズなどインタラクティブな体験が。画面をタッチして遊べるので、小さなお子様でも直感的に体験することが可能。入場チケットに印字されている二次元バーコードを読み取ると、クイズなどで獲得した画像をダウンロードすることも出来ます。
●スロープインタラクティブ体験 
【水景】 
・はっけん!お魚ずかん 
・めざせ!魚の漢字王 
・いでよ!フィッシュスター
【歴史コンテンツ】 
・関門海峡近代化クイズ 
・あなたが登場!壇ノ浦の戦い 
・なりきり巌流島の決闘
●2F アトリウムピット インタラクティブ 
【潜水艇でGo !関門海峡フォトツアー】 
自分で小型潜水艇を操縦して、関門海峡のいろんなエリアでお魚の写真をゲット
子供も大満足間違いなし!なのが海峡体験ゾーン。写真は、船のシュミレーターで関門海峡を渡る「チャレンジ!関門海峡」。日本三大急潮流のひとつである関門海峡で働く人々の営みを疑似体験しながら、関門海峡を楽しく学ぶことが出来ます。
▼海峡体験ゾーン
・チャレンジ!海峡横断
・チャレンジ!コンテナクレーンシミュレーション
・船舶検索
・かいりゅうメーカー
・かいきょうパトロール
・かんもんダイバー
・空から見る関門海峡
・関門海峡の安全を守る人たち
子供が体を動かして遊べる海峡こども広場も。青いスロープネットの遊具空間は、雨の日でも子供が遊べる場所としても人気です。
ミュージアム内にある「海峡レトロ通り」には大正時代の門司港を再現した等身大の街並みも。国際貿易港として舶来文化がいち早く届いたモダンな港町・門司港タイムスリップ。自分自身がその街並みを歩くことで、当時の様子を感じることが出来ます。空の色が徐々に赤く染まり、やがて夜空に星が瞬くロマンチックな演出照明のもと、路面電車にバナナの叩き売り、ミルクホールなど、喧騒に包まれた往時の賑わいを体感できます。
門司港バナナ資料館や松永文庫情報コーナー、お土産コーナーなども併設されています。

門司港のプロのお話を聞いてみました。

松瀬直人(B&A門司港 事務局次長・西海岸エリアマネージャー)
1962年北九州生まれ、北九州育ち。スペースワールドの立ち上げを経験、1年間北九州イノベーションギャラリーでの勤務を経て関門海峡ミュージアムに。焼きカレーをこよなく愛する。門司港グルメ会の事務局長として焼きカレーをまとめたMAPの作成や門司港ぐるめ博、はしご酒大会など様々な食に関する企画も仕掛ける。

松瀬さん:
門司港の楽しみ方は本当に様々。昔ながらの大正レトロな建物が並び、歴史上様々なドラマが起こった場所である関門海峡で思いに耽りながらも西洋文化によって栄えた食文化も楽しめます。
特に有名なのは門司港焼きカレーで、門司港周辺の狭いエリアの中だけでも35店舗以上が焼きカレーを提供しそれぞれのお店で趣向を凝らしたメニューを提供しています。焼きカレーMAPというものも作っているので、お好みの一杯を見つけて欲しいですね。
ちょっと玄人の方にオススメなのは昔ながらが今も残る「リアルレトロ」な路地裏散策。中央市場には4人しか入れない焼肉屋さんがあったり、ステーキとうどんの店があったりと、路地裏好きにはたまらないお店がたくさんあるはずです。角打ちなんかも是非一度は体験していただきたいです。
きっかけは、門司港カレーを食べる。門司港レトロの散策。歴史に興味がある。など何でもいいのですが、少しでも沢山の方に門司港に足を運んで頂き、好みの門司港を見つけて頂けると嬉しいです。
門司中央市場

福岡県北九州市門司区老松町1−18

焼きカレーMAPを持って門司港を巡ってみました。

門司港グルメ会さんが作成している門司港レトロ焼きカレーMAPを持って実際にお店に足を運んでみました。焼きカレーMAPによると、門司港の焼きカレーの歴史は半世紀!西洋と東洋の食文化の混在により生まれたご当地メニューとのことでした。

●焼きカレーの歴史(焼きカレーMAPより引用)
明治から昭和のはじめにかけ、海外との貿易港として栄えた門司港には数多くの洋食店が建ち並び、それと同時に西洋と東洋の良さが混在したハイカラなメニューが生まれました。諸説はいろいろとありますが、「焼きカレー」を始めたのは昭和30年代の門司港にあった喫茶店といわれています。当時、余ったカレーをグラタン風にオーブンで焼いたところ、実に香ばしく、美味しく仕上がったので、のちにお店のメニューとして出し、お客さんから
好評を得たという逸話が残っています。また庶民の味、家庭料理としても広く浸透しました。現在では、ご飯の上にカレーとチーズや玉子などをのせ、オーブンで焼いた「焼きカレー」が、門司港発祥のご当地メニューとして親しまれています。

ハンバーグ&ステーキ MOJISHOの「伊万里牛ハンバーグ焼きカレー」(2,280円)

ミシュランガイド福岡・佐賀2014で「ビブグルマン」として紹介されたMOJISHOさんが作る焼きカレー。ゴロっとしたお肉が特徴的な焼きカレー。卵やチーズ、軽く振り掛けてあるパン粉のサクサクさがたまらない逸品です。焼きカレーに花を添えるのが九州ご当地グルメコンテスト3年連続優勝、殿堂入りした「伊万里牛ハンバーグ」。肉の旨味と焼きカレーの風味、食感が見事に融合しています。
そんなMOJISHOさんに新メニューが登場。台湾の屋台ではおなじみの台湾鶏排(500円)です。鶏胸肉をオリジナルブレンドの五香粉を使って味付けし、タピオカ粉と片栗粉を使ってさっくりと揚げてあります。写真では伝わりにくいですが、顔と同じくらいのサイズです。
ハンバーグ&ステーキ MOJISHO

福岡県北九州市門司区港町5丁目1 海峡プラザ西館 2F

http://www.kaikyo-plaza.com/shop/mojisho.html

ちなみに、 MOJISHOさんは海峡プラザの中にあるのですが、同じ海峡プラザ内にはトリックアートミュージアムも。見るだけでなく、カメラで撮影すればまるで作品の中に入り込んだような写真が!子供と楽しめる3Dアートの世界もオススメです。
視覚トリック3Dアートミュージアム

福岡県北九州市門司区港町5−1

http://www.kaikyo-plaza.com/shop/3dart.html

CAFE DINNING BEAR FRUITSの「スーパー焼きカレー」(1050円)

第1回焼カレー倶楽部のコンテストで第1位を獲得し、著名人も通うお店。おしゃれな店内には焼きカレーの香りが漂い、店に入った瞬間に食欲が倍増します。
オススメは数種類の野菜、果物、スパイスで2日間かけて作られるスーパー焼きカレー。シンプルながらも深みのある、忘れられない味です。そして、テーブルに置いてある「びっくりスパイス」が本当にびっくりすること間違いなしです。ただ辛いだけでなく、味の深みが更に上がり、焼きカレーのコクと旨味がグッと増します。まずは普通に食べてみて、少しずつびっくりスパイスを加えて味の変化を楽しめるのも嬉しいです。
CAFE DINING BEAR FRUITS

福岡県北九州市門司区西海岸1丁目4−7 門司港センタービル 1F

http://bearfruits.jp/

Mʼs カフェの「シーフードの焼きカレー」(1,200円)

辛さ(1~5倍)やサイズ(レギュラー、レディス)、具材(肉、野菜、シーフード等)を選べる「焼きカレー専門店」。300℃の特注オーブンで焼き上げるグツグツ感がたまらないお店です。一番人気はエビ、ホタテ、イカ、バーナー貝、白身魚が入ったシーフードの焼きカレー。自家製の「香味油」や「福神漬」で少しずつ味を変えながら食べるのがオススメです。
Mʼs カフェ

福岡県北九州市門司区港町9−2 阿波ビル1階左

おわりに

門司港は、駅を中心にレトロモダンな街並みが広がりつつも、昔ながらのリアルレトロな街並みも残る地域でした。門司港駅から歩いて観光スポットや歴史スポット、商店街やグルメスポットに行けるいい意味で「コンパクトな」観光地です。今回は触れませんでしたが、巌流島や下関にも近くフェリーですぐに行くことが出来ます。
歴史と文化とグルメのまち、門司港に是非足を運んでみて頂けますと幸いです。

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