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祝・日本遺産認定!長崎街道シュガーロードの旅〜丸ぼうろ編〜

2020年6月、文化庁の日本遺産に認定された「砂糖文化を広めた長崎街道〜シュガーロード〜」。街道沿いには人とともに砂糖が伝わり、独自のスイーツ文化が花開きました。今回は、佐賀の代表的な銘菓「丸ぼうろ」をクローズアップ!甘党ならずとも手がでる、昔ながらの素朴なお菓子をご紹介します。

380年の伝統を守りながら、新しい味を開拓する「鶴屋」

鶴屋 佐賀本店
1639年に創業し、佐賀藩鍋島公の御用御菓子司をつとめた「鶴屋」。天保年間には、当時唯一世界に開かれていた長崎の出島で、二代目太兵衛が南蛮渡来の菓子製法を学んで佐賀に持ち帰ったそうです。これが鶴屋の「丸房露(まるぼうろ)」のルーツ。「与賀神社」の参道に連なる、二の鳥居の近くに本店があります。現在の場所に店を構えてから約200年になるとか。瓦ぶきの屋根に白壁が美しく映え、城下町の面影が息づいているような風情ある佇まいです。
店内に入ると、丸い木の板に“御用"と書かれたアンティークなものがディスプレイされていました。実はこれ、佐賀藩に献上するお菓子をおさめた入れ物の蓋だそうで、当時の店主のお名前や昔の地名である八丁馬場の文字が入っています。さらに、“鶴屋文書"というお菓子のレシピが代々受け継がれていて、現代のお菓子づくりも活かされることもあるとか。さすがは老舗中の老舗!
たっぷりバターを塗るようにアイスをのせます。
定番の「丸房露」と一緒に、夏季限定の「丸房露のためのアイスクリーム」をいただきました。丸房露はサクッとした軽やかな歯ごたえで、口の中にふわっと優しい香りが広がります。この上に、アイスクリームをたっぷりトッピング♪佐賀県産の牛乳とみかん蜜(みかんの蜂蜜)を使ったオリジナルで、まろやか&クリーミィな味わいが丸房露のおいしさを引き立てます。丸房露のはしっこにスプーンでのせたり、ちょっと贅沢に2枚の丸房露ではさんでアイスサンドにしたり(笑)。ほかにも、佐賀県産の希少なみかん“クレメンティン"を使用した「丸房露のためのマーマレード」など相性バツグンの商品が楽しめます。
漢方生薬は佐賀で最も長い歴史のある老舗薬種商「野中烏犀圓」が監修。
老舗が手がけた全く新しい和菓子がもう1つ。斬新な黒のパッケージがカッコいい、モバイル充電食「YOKANGO(ヨーカンゴー)」です。室町時代に誕生したといわれる羊羹は、いわば元祖・エナジーフード。高麗人参エキスやヤマノイモエキスなど漢方生薬成分が配合され、栄養、おいしさ、食べごたえもバッチリ。ジッパー付きバッグ入りで、ツーリングやアウトドアにも最適です。
元祖丸房露鶴屋菓子舗 佐賀本店

佐賀市西魚町1

https://marubouro.co.jp/

口どけの良さがポイント。多彩な味を楽しめる「北島」

丸芳露本舗北島 白山本店(黄色い建物)
白山という町の一角にたつ「北島」も丸ぼうろの名店のひとつ。1696年の創業時は数珠屋さんでしたが、やがて呉服や小間物などを鍋島藩に納める貿易商となり、長崎街道に面した現在の場所に店ができたそうです。丸ぼうろを作り出したのは、江戸から明治に変わるころ。八代目の香月八郎とその息子の安次郎が佐賀藩の御用菓子司の横尾家から南蛮菓子の製法を学びました。“ぼうろ"は、もともとポルトガルの船乗りたちの保存食だったともいわれています。はるか異国に旅立つ前、船乗りのおかみさんは思いをこめて、長い航海に耐えうる砂糖菓子を渡していたとか。小麦粉と砂糖と水をこねて焼いただけのシンプルな焼き菓子は、小さくてゴツゴツと固かったそうです。八郎と安次郎親子が初めて菓子を焼いたとき、白山の町中にとても良い香りが広がったそうですが、あまりの固さに歯が立たなかったとか。そこで、子供からお年寄りまで安心して食べられるように創意工夫を重ね、たまごを入れて柔らかくすることを思いつきました。こうして、北島の「丸芳露」が誕生しました。ちなみに、丸ぼうろの“ぼう"を“芳"の文字にしたのは、“こうばしく広がるおいしさ"と表現したお客様の一言から。名前の由来ひとつをとっても味わい深いお話です。
長年愛され続けてきた北島の「丸芳露」
ふっくらと盛り上がった丸みのある形で、口にするとふんわりとした柔らかさ。まろやかで口どけがよく、食べたあとも甘く優しい余韻がのこって幸せな気分にしてくれます。これなら毎日食べても飽きないかも♪
新商品の「黒糖ぼうろ」。口に入れたとたん、想像以上の黒糖!お土産にうれしい逸品です。
ほかにも、北島ではいろいろな味の丸ぼうろを楽しめます。洋風の「花ぼうろ」はアーモンドパウダーの香ばしい生地で甘酸っぱいあんずジャムをはさんだ洋風の丸ぼうろ。発祥の国ポルトガルをイメージした「オブリガード」は、生姜糖のすっきりとした風味がきいています。2020年9月に発売されたばかりの新商品「黒糖ぼうろ」は、沖縄産黒糖の粒感が楽しめる新食感の丸ぼうろです。丸ぼうろは1個から購入できるので、シュガーロード散策の途中で立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
丸芳露本舗北島 白山本店

佐賀市白山2丁目2-5

http://www.marubolo.com/

いろいろ食べたい人はコレ!「佐賀まるぼうろ食べ比べセット」

お土産にもピッタリ!おしゃれなオリジナルボックス
佐賀県内で丸ぼうろを作っているお店はたくさんあり、旅先で買えるものはどうしても限られてしまいます。せっかくだからいろんな丸ぼうろを食べてみたい!という人にオススメなのが、「佐賀まるぼうろ食べ比べセット」です。実はこれ、佐賀市のコミュニティラジオ局「えびすFM」の発案によるもの。ラジオの出演者やリスナーからふと出てきた丸ぼうろの話題。 “丸ぼうろ屋さんは何軒あるんだろう?"という素朴な疑問や、“食べ比べしたいけど揃えるのが大変"などいろいろな声が寄せられたそうです。そこで、地元のお菓子屋産を応援したい!との思いもプラスして、佐賀県菓子工業組合の協力のもと、2016年に販売をスタート!丸ぼうろファンにはたまらない夢の詰め合わせが誕生しました。
圧巻のラインナップ!全部ご存知なら「まるぼうろ通」

オリジナルパッケージには、佐賀市・神崎市・小城市の人気店10社の丸ぼうろがぎっしり!名店の味をアレコレ楽しめるセット内容は次の通りです。
●うさぎや菓子舗「丸ぼうろ」
●大串製菓「ひしぼうろ」
●大坪製菓「佐賀みかんボーロ」
●北島「丸芳露」
●鶴屋菓子舗「丸房露」
●菓心まるいち「丸房露」
●村岡総本舗「丸ぼうろ」
●村岡屋「丸ぼうろ」
●本村製菓「黒砂糖丸ぼうろ」
●八頭司伝吉本舗「丸ぼうろ」
えびすFMの店頭販売ではあっという間に売り切れ、県外から買いに来る人もいるほど好評なので、旅行中に買えた人はラッキーかも?!えびすFM販売所では毎週木曜日に個数限定で販売、インターネットのSAGAMAGA通販サイト(https://sagamaga.thebase.in/ )でも購入できます。お土産にもお取り寄せにもイチオシですよ!

【販売所】えびすFM

佐賀市白山2丁目7-1

http://sagamaga.jp/

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