大濠公園の真ん中にある全周約２kmの大きな池は、もともとお城をまもる濠としてつくられました。戦国武将としておなじみの黒田長政が福岡城を築城したとき、博多湾の入り江の一部を埋め立てて外濠にしたのが由来だそうです。池の中心には浮島があり、橋の上からぐるりと見渡せる眺望もポイントのひとつ。たくさんの野鳥が訪れる水辺を散策したり、写真を撮ったり、ジョギングで汗を流す人も。地元の人も、旅行者も、思い思いに楽しんでいます。
四季折々の自然はもちろん、歴史や文化に触れられるのが大濠公園の魅力。福岡市美術館側の入口から左に進むと、広々とした日本庭園があります。その隣にオープンしたのが、話題の「大濠テラス〜八女茶と日本庭園と。」です。
大濠テラスのコンセプトは、“八女茶を中心に日本文化に触れること"。景観と美しく調和する２階建の建物には、福岡をはじめ九州のローカル食材を味わえるカフェ＆ショップや、着物を気軽に楽しめるレンタル着物店もあります。
木とガラスを組み合わせたスタイリッシュな空間は、国産材の杉の木を使用。クギを１本も使わず、柱の固定には木の“込み栓"を用いるなど、日本の伝統的な建築技法で建てられたそうです。シンプルながらもぬくもりある雰囲気は天然木の空間ならでは。目の前にパークビューが広がるテーブル席は全面ガラス張りで、気候がよい時季はガラス扉をフルオープンにすることも。水と緑のすがすがしい景色に癒されながら、ゆっくりリフレッシュできます。

右側の入口から１階カフェ「＆ LOCALS(アンドローカルズ)」へ。カフェのメニューは、福岡・九州の各地で出会った生産者さんこだわりの食材や、それぞれの地域に根付いている食文化をベースにつくられています。ドリンクから料理・スイーツまで、どこか懐かしくて新しいおいしさが盛りだくさん。お茶や漬物、たまご、味噌など、その土地では当たり前に食べられているものが、実はすばらしく美味しかったり、都会の人にとっては贅沢な味だったり。そんな知る人ぞ知る福岡・九州のローカル食材が、ぎっしり詰め込まれています。

こだわりの食材をふんだんに使った「＆ LOCALS」のメニュー。ドリンク＆フードに使われている食材や調味料は、なんと店内の物販スペース「食良品コーナー」で購入することができます。人気は、橘湾のいりこと野菜がたっぷり入った雲仙の炊き込み御飯「じてんしゃ飯の素」。伊万里・永楽屋の「まさ子さんの万能酢」は、漬物から煮物まで体にやさしい料理が手軽にできると好評で、リピーターも多いそう。ちなみに「旅するおいなり」にもこの万能酢が使われています。ほかにも、オリジナルの八女茶の茶葉や器、お菓子、蜂蜜など、さまざまな郷土の食がずらりと揃っています。おしゃれなデザインのパッケージも嬉しいポイント。旅の思い出に持ち帰ったり、家族や友人へのお土産にもぴったり。福岡・九州の食でおうち時間がもっと楽しくなりそうですね。

大濠テラス１階にはレンタル着物店「YAMATO Tsunagari gallery(やまとつながりギャラリー)」を併設。着物は約60種類の中からセレクトOK。足袋や草履はもちろん、肌着や小物までフルセットでレンタルできるので、手ぶらでも利用することができます。この日は、福岡らしく久留米絣の着物と博多献上織りの帯をチョイス。スタッフの方が好みにあわせてトータルコーディネートしてくれるので、着物にあまりなじみがない人でも安心です。男性用も揃っているので、カップルで着物を楽しむのも良いですね。
着物で気軽に写真撮影や散策をしたい人には、３時間の「ふらっとレンタルプラン(¥3,300税込)」がおすすめ。神社など他のエリアも巡りたい人には、便利な「日帰りレンタルプラン(9時〜16時半まで／¥5,500税込)も。両プランとも予約なしで利用可能です。