2020年6月、「砂糖文化を広めた長崎街道〜シュガーロード〜」が日本遺産に認定されました。鎖国時代、中国やヨーロッパとの窓口であった長崎の出島。そこで荷揚げされた砂糖は、長崎、佐賀、小倉といった長崎街道を通って京都や大坂、江戸へと運ばれていきました。シルクロードになぞらえてシュガーロードとも呼ばれるようになった長崎街道に思いを馳せつつ、「さるく見聞所」にもなっている二ヶ所のお店で長崎のお菓子の物語を尋ねてみましょう。
砂糖が入手しやすかった上、外国のお菓子の作り方を学ぶ機会も多かった長崎。砂糖が運ばれたと伝わる長崎街道沿いでは、有名な菓子がいくつも生まれることになりました。「長崎カステラ」もその一つ。16世紀半ばにポルトガルから伝わった南蛮菓子に日本独自の改良を重ね、今の形になっています。「カステラ1番、電話は2番〜」のキャッチフレーズでお馴染みの文明堂総本店に話を伺ってみました。
文明堂総本店は1900年(明治33年)創業。文明開化にちなんでこの名が付けられました。当時貴重品だった卵や砂糖をたっぷりと使って焼き上げるカステラは、長崎以外ではなかなか口にされることのなかったローカルスイーツ。そんなカステラの知名度を一気にあげたのが文明堂総本店の初代、中川安五郎さん。1914年(大正3年)東京上野で開催された「大正博覧会」で長崎の名産品としてカステラを紹介し、大好評を博すことになったのです。
カステラの材料は主に卵、砂糖、小麦粉。いたってシンプルな材料ながら、美味しく焼き上げるには高い技術が必要です。文明堂では、毎日の湿度や温度を見極め、焼き時間や窯の火加減を絶妙に調節しながら焼き上げていきます。
文明堂のカステラは1号(10切1本)サイズで1925円(税込)。2017年度の「日本パッケージデザイン大賞」で金賞を受賞したオシャレな菓子箱にも注目です。
文明堂には明治〜昭和初期に使われていた古い菓子道具や「式事菓子 婚禮の巻(菓子のデザイン集)」といった古い文献も保管されています。
これらは常設展示されているわけではありませんが、店内カウンター横あるガラスキャビネットに飾ってあることも。お買い物の際にはこちらもチェックしてみましょう。
カステラと同じくポルトガルから伝わったお菓子をもう一つご紹介。有平糖…「あるへいとう」と読みます。ポルトガルの砂糖菓子、アルフェロアが語源だそう。砂糖に水飴を加えて煮詰め、冷やした後棒状にし、美しい細工を施した飴菓子です。今もその菓子を作りつづけているのが「千寿庵 長崎屋」です。デザインのバリエーションは30種近く。多くは茶道のお茶菓子として使われています。一番ベーシックなデザインは紅白の千代結びで、おめでたさと可愛さが見事に表現されたビジュアルに。
現在、有平糖を作っている店は少なくなっており、製造に手間がかかるため生産量も少ないレアなお菓子です。ぜひ一度は食べてみたいですね。購入の際は要予約です。
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